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YAMATO2520

登録日:2017/2/26 (日曜日) 00:24:00
更新日:2022/09/17 Sat 12:32:49
所要時間:約 3 分で読めます




YAMATO2520(ヤマト2520)とは、平成7年に発売された宇宙戦艦ヤマトシリーズのOVA作品である。


■概要

題名にあるとおり、西暦2520年を舞台とし、宇宙戦艦ヤマトの活躍した西暦2199年のはるか未来の物語である。
そのため地球連邦や宇宙キロなどの用語や、一部楽曲は使用されているものの旧作からのつながりはほとんどない。
また、ヤマトシリーズでは珍しく敵勢力も地球由来で宇宙人が一切登場しない。
キャラクターデザインは「トップをねらえ!」、「ふしぎの海のナディア」「ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日」「LUNAR」「THE IDOLM@STER」シリーズの窪岡俊之氏、第18代YAMATOのデザインは「∀ガンダム」も手がけたシド・ミード氏。
そのため、他のシリーズのヤマトのキャラやメカニックを見比べると、まったく違った印象を受ける。
全7巻構成で、3巻までが発売されたものの、制作会社の倒産により未完で頓挫。現在まで、続編製作の情報はない。
しかし『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』においての登場メカやメカデザインは本作への橋渡しをイメージされており、忘れられているというわけではないようだ。


□ストーリー

西暦2203年、水惑星アクエリアスから地球を救うために、その身を犠牲にしてアクエリアスの海に沈んだヤマト。
以来、ヤマトという艦名は地球連邦最強の戦艦に付けられることとなった。
さらに時を経た23世紀末。地球連邦は銀河を席巻する巨大星間国家となっていた。
そんな中、『優性人種覇権主義』を唱えて迫害された天才科学者ブローネは、西暦2345年に自ら新興国家『セイレーン連邦』を建国して地球に戦線を布告した。
新エネルギー・モノポールを主軸とするセイレーンの戦力は強大で、波動エネルギーに頼っていた地球側は苦戦を余儀なくされる。
しかし地球側も負けてはおらず、戦争は一世紀の長きに渡り、銀河百年戦争と呼ばれた。
さしもの両陣営も疲弊し、休戦協定が結ばれる。だがそれはブローネ皇帝にとって、力を蓄えるための偽りの休戦でしかなかった。
それから17年後の西暦2520年、両陣営が睨み合いを続ける中で、国境にある辺境惑星リンボスに数十人の不良少年のグループがいた。
セイレーンに抑圧された生活を強いられている彼らは、チキンレースの果てに迷い込んだ沈没船でひとつのデータディスクを手に入れる。
それこそ、百年戦争終結間際に、ある重大任務を帯びながらも無念に撃沈された第17代宇宙戦艦ヤマトのものだったのだ。
データディスクに残された設計図に希望を見出した彼らは、セイレーンの廃工場に集う。
ここに、まったく新しい姿の第18代宇宙戦艦YAMATOが誕生しようとしていた。


□第18代宇宙戦艦YAMATO

第17代ヤマトの設計図を元にナブたちが建造した新しいヤマト。そのため軍艦ではない。
セイレーン連邦の工場の規格に合わせて改設計された結果、17代とはまったく違ったシルエットとなり、大型化と強武装化がなされた。
特筆すべきは旧ヤマトではメインであった波動エンジンを2基『補助エンジン』とし、メインエンジンにはセイレーン製の『モノポールエンジン』を使用したハイブリッド機関『波動モノポールエンジン』を搭載していることである。
これにより、旧ヤマトでは不可能であった波動砲の速射や全速飛行しながらの波動砲発射などの芸当もこなし、地球連邦やセイレーン連邦の戦艦よりも頭抜けて強力な艦となっている。
それでも軍艦ではないため、肩書きはナブいわく『コスモアドベンチャー式スーパー宇宙戦艦』
なお、第三艦橋は艦載機発進口になっている。

全長は400メートルの巨体。
主兵装は三連装プラズマショックカノンを上下に計12基。副砲、パルスレーザー、迎撃ミサイルと多彩な装備を持つ。
切り札は艦首マルチモード波動砲。ここから多彩な波動砲を撃ち分けることができる。

○プラズマ波動砲
従来型の波動砲のエネルギーをプラズマ化し、エネルギー損失を抑えたもの。
収束・拡散の撃ち分けが可能であり、チャージは1分もかからずエネルギーダウンもなく対閃光防御も不要。
各種波動砲の中では最弱と思われるが、それでもセイレーンの大艦隊を一撃で壊滅に追い込むすさまじい威力を持つ。
発射の際にはナブの席からおなじみのトリガーがせり出してくるこだわり仕様。

○超波動砲(モノポール砲)
メインエンジンであるモノポールエンジンの力で撃つ波動砲。そのため正確には波動砲ではない。
敵によってモノポール砲は使用されているが、YAMATOとは機関が違うためYAMATOのものがどういうものになるかは不明。

○ツインノヴァ波動砲
モノポールエンジンと波動エンジンのエネルギーを複合させて撃つ第18代YAMATO最強の切り札である。
残念ながら発射は描かれなかったが、『新・宇宙戦艦ヤマト』に登場した回帰時空砲を除けばヤマトシリーズ最強の波動砲になったのは間違いないと思われる。


※第17代宇宙戦艦ヤマト
百年戦争末期に重要な使命を帯びて旅立ったが、セイレーン軍の総攻撃を受けて撃沈されたかつての地球連邦艦隊旗艦。
18代のモデルだが、こちらは初代ヤマトのシルエットを色濃く反映したデザインとなっている。
わかりやすく言えばヤマトのシルエットをしたアンドロメダ。配色は上部がグレーで下部が赤の初代から直々のもの。
兵装は確認できる限りでは3連装ショックカノン3基に波動砲1門。
いくら改設計したとはいえ18代と同じ設計図からできているとはとても思えないことになっている。


■登場人物


☆リンボス星

○ナブ・エンシェント(CV:錦織一清)
「こいつはヤマトだ、宇宙最強の戦艦だぜ」
リンボスの不良少年グループのリーダー格の少年。
抑圧された生活に嫌気が差しており、YAMATOを建造してリンボスを脱出して地球に行くことを思いつく。
苗字を訳すと……

○トーゴー・シマ(CV:永井一郎)
「YAMATO、発進!」
ナブたちを厳しくも優しく見守る老人。
実は撃沈された17代ヤマトの艦長にして唯一の生き残りで、セイレーンに対しては卑屈に接しながらも身分を隠して機会を待っていた。
若者たちに希望を託し、YAMATO建造をアシスト。完成後は艦長に就任する。
苗字はそのまんま旧作の彼である。

○マーシィ・シマ(CV:櫻井智)
ナブの幼馴染で本作のヒロイン。
トーゴー艦長の孫ということになっているが、実際には血縁はない。
3巻ではあんなところからこんなところまで…。

○アガ・セリーヌ(CV:松本保典)
ナブの悪友で、ケンカするほど仲がいいという関係。
その関係はどっちがマーシィに相応しいかレースで勝負するほどという他愛もないもの。
セイレーン軍にYAMATO建造が察知されそうになった際は、裏切り者を演じることでセイレーン軍を遠方に誘い出す男を見せた。

○メガネ、コンマン、スピード、エミリオ、フリック
ナブの友人たち。皆がセイレーンの支配にはうんざりしており、団結してYAMATOを完成させた。

他にも何十人もの少年少女たちがいる。


☆セイレーン連邦

○ブローネ皇帝(CV:伊武雅刀)
「地球と名のつくものはすべて消し去れ」
かつて『ネオ・ファシスト』と呼ばれ、地球から追放された天才科学者。
現在はセイレーン連邦の独裁者として、地球への復讐に執念を燃やす。
すでに292歳という超高齢だが、クローニング処理をおこなうことによって肉体を維持している。
冷酷な独裁者ではあるが、かつていっしょに地球から追放されて以来の同志や肉親には親愛な態度で接しており、ヤマトシリーズの悪役としては珍しい人物と言える。
中の人はデスラーでおなじみ伊武雅刀氏。

○アメシス少尉(CV:麻上洋子)
リンボスにやってきた監察部隊の司令官。
実はブローネ皇帝の娘で、17代ヤマトのデータディスクを調査する使命を受けていた。
肉食系女子だがセイレーンの士官の中では良識的なほうである。


○リキヤード少佐(CV:神谷明)
リンボス星の司令官。元はセイレーン連邦のエリートだったが、今では左遷されてリンボス駐留軍の指揮を務めている。
セイレーン軍の人間としては珍しく温情のある人柄で、セイレーンの統治下で息苦しさを感じ続けるナブたちの行動にも一定の理解は示していた。
戦争再開を阻止しようと奮闘するも、不運が重なり失敗してしまう。
その後は責任感からYAMATO撃破に固執する冷酷な人物に変わってしまう。



※余談
このOVAの主題歌「明日の君を守りたい」であるが、歌っているのはなんとあのTOKIOである。
当然この頃はザ!鉄腕!DASH!!が始まるはるか前であるが、後に家から何から何まで手作りするアイドルが宇宙戦艦を手作りするアニメの歌を歌っていたのは偶然とはいえ運命を感じさせるものがある。


追記・修正は竜座銀河から帰還してお願いします。

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最終更新:2022年09月17日 12:32