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神谷明

登録日:2019/02/12 Tue 20:10:46
更新日:2024/09/22 Sun 03:54:21
所要時間:約4分で読めます




神谷明は日本の声優・俳優・歌手・ナレーターである。

□プロフィール

生年月日:1946年9月18日
出身地:神奈川県横浜市
身長:163cm
血液型:A型
事務所:冴羽商事


□概要

日本を代表するベテラン声優。
70~80年代から数々のアニメに出演しているため知名度が高く、老若男女問わず人気が高い。

幼い頃に父親が営んでいた家具製造工場が倒産しており、それが元で両親が離婚。当時はかなり白い目で見られた母子家庭で育つ。
小学校を転々とするが、東京都大田区の相生小学校へ転入した時に、卒業生に俳優の小沢昭一がいた事を知り、演劇に興味を示すようになる。

都立芝商業高校在学時には演劇部に入部。その際に友人等から声を褒められた事で、本格的に役者を志すようになった。
しかし家は裕福とは言えず、本来なら役者になるなどとんでもないと言われるところだが、母親は反対しなかったという。
ちなみにこの頃、同じく演劇をやっていた佐藤正治がおり、彼が声優の道を歩むキッカケとなるのはこの時の神谷との縁がキッカケ。
高校卒業後は劇団かに座に入団、テアトル・エコーで研究生をしていた時にアニメ『魔法のマコちゃん』で千吉役を担当した。
その後は『バビル2世』のバビル2世役で主演を張り、『ゲッターロボ』の流竜馬や『勇者ライディーン』のひびき洸、
『大空魔竜ガイキング』のツワブキ・サンシロー、『惑星ロボ ダンガードA』の一文字タクマ等のロボットアニメの主人公役を多数こなすようになった。
この時期「必殺技を叫ぶ主人公」といえば彼となり、「叫びの神谷」と称された。また、『ドカベン』で田中秀幸と玄田哲章と共演した。
アッキーとしてマッキー(井上真樹夫)、トミー(富山敬)とともにアニヲタ(特に女性)にキャーキャー騒がれた御三家の一角である。

1980年代には週刊少年ジャンプの漫画を原作としたアニメの主人公を多く担当。
北斗の拳』のケンシロウ、『キン肉マン』のキン肉スグル、『シティーハンター』の冴羽リョウは神谷の代表的な役である。
というかジャンプ主人公を三役を演じてそれが全て長期アニメとなっている時点で、いかに当時異常なまでの人気を誇っていたかがわかる。
中でも冴羽リョウは「ケンシロウのような二枚目な部分と、キン肉スグルのような三枚目の部分を全て受け入れてくれるキャラ」として一番のお気に入りだと公言している。
神谷の事務所の「冴羽商事」の由来は冴羽リョウの表向きの肩書きから取られているが、
個人事務所を開く時に作者の北条司に相談しに行ったところ、「冴羽商事」と「もっこりカンパニー」の2つの案を出され、事務所名を「冴羽商事」と定めて設立の知らせをしに行って驚かれたという逸話がある。

90年代からは新たな当たり役として毛利小五郎を得るが、2009年に役を解任される。この時、神谷側も「契約上の問題と、信・義・仁の問題」として自分の不徳のいたす所としている。
以降、一時的に姿を見なくなる時期が発生してファンを不安がらせたが、その後は大物ゲスト枠として散発的に登場することが多くなる。
近年ではバラエティ番組への出演も多く、アニメ雑誌やテレビ番組でよく行われている「好きな声優ランキング」でもほぼ毎回上位にランクインしている。
声優特集などがあると必ずと言っていいほど登場するので、毛利小五郎降板騒動以降はバラエティで見かける方が多いかもしれない。
眼鏡を掛けたキューピー人形のような出で立ちで、赤毛のおばあちゃん野沢雅子とほとんどセットで出演し、
かつての大山のぶ代のポジションを手に入れた男女コンビとなる。
また、以前は日本工学院専門学校で講師を務めており、若手の育成に力を注いでいた。また、声優として踏ん切りを付けるか否か悩んでいた一条和矢を叩き起こして奮起させている。
これからの目標は、高齢になっても第一線で頑張っている野沢雅子等の先輩声優に追いつく事で、玄田哲章のように年を重ねてもパワフルな仕事が出来る声優には元気をもらうという。

ただしいくつかの作品は後進に譲っており、現在でも大切に演じているのは冴羽獠くらいである。(その獠も実写版は山寺宏一に委ねている)
キン肉マンについては長らく「また演じることを夢としている」と語っていた*1が、2024年放送予定の新アニメ版では度々共演もしていた宮野真守がキン肉マンを演じることになった。
とはいえ、宮野との対談では彼に可能性を感じていてキン肉マン役に決まったことが嬉しかったと語るなど前向きにとらえている模様。
また、神谷自身も父親のキン肉真弓、師匠のプリンス・カメハメを担当することになった。

ただし、それぞれの役から完全に離れたというわけでもなく、求められればケンシロウやキン肉マンの声を当てたり披露をするし、毛利小五郎も初代担当として前向きな形で披露しており、
コナンという番組への往年は惜しまないとはしていたが、ケンシロウとしてコナンのコラボCMを製作することになった際は快諾し、別役というか別作品の役ながらカムバックも果たしている。

□特色

独特の美声の持ち主で、線の細い美形キャラや正義感の強い青年などを主に演じていた。かと思えばだみ声も得意であり、落ち着いた声のハードボイルドキャラ、はっちゃけたギャグキャラ等、様々なタイプのキャラを演じ分けている。
意外なところだとカセットブック*2金田一耕助役で出演したこともあるが、えらく凛々しい金田一耕助になっている。もしかして片岡千恵蔵が主演していた昭和20-30年代初頭の映画版のイメージか…?
なお毛利小五郎の声については神谷自身が「こんな声の30代はいない*3」と語る程だったが、
2023年にテレビ番組の企画で声年齢を(機械で)鑑定したところ、しっかり30代という診断がくだされるなど、喜寿を迎えてなおも若い声を出せてしまう。
ちなみに本人曰く「人間は低い声を出すより高い声(裏声)の方が楽」と語っている。ケンシロウ等についてしばしばキツイというのはどちらかと言えば肺活量的な問題かもしれない。

ヒーロー声なのでバトルアニメ等の主人公や味方側のキャラを演じる事が多く、悪役を演じる事は少ない。
悪役・敵役キャラだと『プリンプリン物語』のルチ将軍や『美少女戦士セーラームーンS』土萠教授辺りが有名かもしれない。
その他に『聖闘士星矢』のジークフリート、『ドラゴンボールZ』のガーリックJr.、『百獣王ゴライオン』のシンクライン皇太子などがある。
また、小五郎降板後に黒十字王を演じてからは老齢の役も増えてきている。

70年代~80年代のロボットアニメの殆どに出演していたため、ゲームのスーパーロボット大戦シリーズへ出演する機会も多く、
『第3次スーパーロボット大戦α』では5人ものパイロットの役を担当していたため、一部では「スーパー神谷明大戦」と言われていた。

東京ドームシティアトラクションズで催されるヒーローショーのCMナレーションも有名。

演技力と共に歌唱力も高く、テーマ曲もいくつか担当している。
阪神淡路大震災の時にはユニット「WITH YOU」を結成し、現地でチャリティーコンサートを行った。

□伝説

毛利小五郎騒動のせいで業界から干された」という俗説が流れているが、これはデマ。
実際はもっと前から神谷明の出演数は絞られていた。何故ならギャラが高いためである。

なんせ神谷明と言えば
  • かつてはロボットアニメでの主役を無数にこなす。
  • ジャンプマンガで主演を3つも務める。
  • それらがなくてもまだなおも主演作多数。
  • サンデー漫画ではサブレギュラーなどで重宝。
  • アニメージュの声優グランプリにおいて11回のグランプリ受賞という経歴。
つまり声優業界においてはスター中のスターということである。

声優はランク制を取っているが、神谷明のギャラはその中でも業界有数の高額、とされている。
キン肉マンを演じられないのはギャラの問題としており、新アニメ以前も「演じたい気持ちはある」との旨を語っている。
このせいで一時期はかつて演じていた役の多くを代役に譲り、出演が叶わないという不遇の時代を過ごした。
この経験からなのか、神谷は現在の声優界の現場構図を「低い台形」と称している(大御所が現場に呼ばれないことを憂いた問題提起である)。

しかし2010年後期からはゲスト出演が主ではあるが、徐々にアニメでの出演数も戻していく。
そして『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』が大ヒットしたことで業界の見方が変わったのか、地上波のTVシリーズで久々のレギュラーを得た。
現在はその活躍を見られる機会が比較的増えてきているのは、ファンにとって朗報だろう。

なおスパロボの周年記念イベント「鋼の超感謝祭」には2016年と2021年に出演しており、その度にスパロボ復帰フラグと騒がれるが、そこで発表されるスパロボには神谷明は出演しないという嫌なジンクスがあったりする。

□共演の多い声優

古川登志夫田中秀幸の2人と共演が多い。
古川とは、彼の演じるキャラと敵対する事が多く、『うる星やつら』や『北斗の拳』等では神谷演じる主人公とライバル関係になっていた。
また前述のガーリックJr.のキャスティングの理由も「古川さん演じるピッコロのライバルなら神谷さんしかいない」と監督が考えたからであった。
その他『ドカベン』『惑星ロボ ダンガードA』『名探偵コナン』などで共演。

またオーディションでは希望のキャラの役がよく古川と被っていた(ついでに古谷徹も)らしく、古川はとにかく「神谷明に勝つことが目標」とし「自分は神谷さんのせいで随分損をしてきた」と語っていた程。
そんな古川にとって印象的なのは北斗の拳のケンシロウのオーディションであった。
他の参加者が「あたぁ!」という台詞を野太く叫ぶ中、神谷は深呼吸しながら拳法の構えを取り、ブルース・リーのような怪鳥音で「アタァ!」叫んでアピールし、これを目の当たりにした古川は「あ、これは負けた」と思ったという。
なお古川は『シティーハンター』の冴羽リョウの最有力候補だったらしい。『キン肉マンⅡ世』ではスグルの声は彼が演じた。
ちなみに二人は同学年であるが、役者としては神谷が少しだけ先輩である。好敵手の関係ではあるがイベントではよく共演している。

また、田中秀幸とは友人かそれに近しい間柄として共演する事が多く、
前述の『ドカベン』『キン肉マン』『シティーハンター』でも田中は神谷演じる主人公と良き友人関係のキャラを演じていた。
他にも『北斗の拳』『名探偵コナン』等で関係の近いキャラとして共演している。
二人はピアース・ブロスナン演じるジェームズ・ボンドの声優同士でもある。

この2人以外には、千葉繁玄田哲章塩沢兼人、島津冴子、井上真樹夫、キートン山田等と共演が多い。
先述した通り、バイプレーヤーとして有名な佐藤正治とは高校時代の演劇仲間であり、彼を声優業界に引き込んでいる。そのため今でもお互いを呼び捨てにするのがしっくりとくる仲だという。


□余談

好物は立ち食い蕎麦で、山手線の全駅の蕎麦を制覇したという伝説を持つ。

フジテレビのバラエティ番組「さまぁ~ずの神ギ問」で「レジェンド声優の神谷明を驚かせたら、
咄嗟に出る声はキン肉マン、ケンシロウ、冴羽リョウ?」という神ギ問の検証が行われた。
結果は、普段の声は冴羽リョウ、咄嗟に驚いた時に出た声はキン肉マン、「北斗の拳」の話題の時の声はケンシロウという結果になった。
この結果は神谷にドッキリを仕掛けた事で明らかとなったが、ドッキリと知った後も気さくにインタビューに応じてくれた。

□主な出演作

◆テレビアニメ


◆OVA


◆劇場アニメ


◆ゲーム


◆CM


◆特撮


◆吹き替え

  • ジェームズ・ボンド(007 ゴールデンアイ、007 トゥモロー・ネバー・ダイ)

◆人形劇




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最終更新:2024年09月22日 03:54

*1 なおこの夢自体は、2022年にミート役の松島みのりが亡くなったことで萎えてしまったという。

*2 現在のCDドラマの先祖のようなもの、金田一耕助ものでは角川から『悪魔の降誕祭』と『怪獣男爵』の二本が出ている。

*3 なお毛利小五郎は37歳。