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エンデ(スパロボ)

登録日:2019/04/08 Mon 20:07:38
更新日:2024/08/22 Thu 21:22:28
所要時間:約 5 分で読めます





始まりのアル・ワース…

神と獣、光と闇、過去と未来が集う場所。

それは永遠に覚めぬ夢…

大地は人の想いを吸い、木々には知恵の実が熟す。

生と死の狭間に浮かび、誰にも知られず世界は回る。

全ては、智の神エンデの名のもとに…。


エンデとは、ゲーム『スーパーロボット大戦X』の舞台となる異世界「アル・ワース」を創造したと言われるである。
主に「智の神エンデ」と呼称される事が多く、アル・ワースの守護神として広く崇められている。

今作のオリジナル敵組織「魔従教団」はこの神を崇めており、導師以上の位階を得ると「エンデ」の名を与えられ、エンデの声を聴くことができるようになる。
教団員の最終目的は、組織のトップにしてエンデにもっとも近い存在である「教主」となることだが、設立以来この位階を得た者が一人もいないのが現実。

創造主であり、物語でたまに声だけを響かせる時は穏やかな物腰を垣間見せるが、一方で導師キールディン・エンデはエンデの声に対して異様なほど怯える素振りを見せており……?









この先は『スーパーロボット大戦X』の重大なネタバレを含みます。ご注意ください。











…恐レヨ、人間…。我コソハ…。

ワタル「出たな、魔獣エンデ!」

何!?


智の神と言われていたがそれは仮初の名前。
その正体は魔獣エンデと呼ばれる怪物である。

CV:田中秀幸
全長:不明
重量:不明
BGM:飢える獣



◆概要

本作の戦乱の全ての元凶。
背中に大樹が生えた超巨大な四足歩行の獣の頭部から、デビルガンダムよろしく獣の上半身が生えている、という特徴的な外見をしている。
設定によると、『獣の上半身』がエンデの本体で、『背中に大樹が生えた超巨大な四足歩行の獣』はエンデに乗っ取られた別の生命体とのこと。
エンデ本体はXを象った翼型の王冠を有する狼のような顔の獣人のような姿。
その肉体はアル・ワースの自然に存在する「オド」で構成されているという。
背中に生えた巨大な樹は魔従教団の聖地「真実の世界樹」とリンクしており、アル・ワース各地に実る「知恵の実」に宿った人々の想いや感情が集まるようになっている。


神部七龍神と同様に「聖獣」という高次元生命体にカテゴリーされているのだが……


◆目的


『美味しいものが食べたい』

『死にたくない』

以上。

マジでそれしか望んでない。おそらく歴代ラスボスでも1、2を争うほどスケールの小さい、そして人間臭い目的だろう。
「そんなんでよくアンチスパイラルマジンガーZEROが出てくるスパロボのラスボスが務まったな」と思う人もいるだろう。
…だがエンデの場合、性格とやり方にだいぶ問題があった…。


◆性格

スパロボ史上屈指のエゴイスト。真っ直ぐな悪党である。
ただただ「自分さえよければそれでいい」という、極めて傲慢で悪意に凝り固まった自己中心的な性格の性格で、尊大な口調だが性根はワガママな駄々っ子と言っていい程に幼稚かつ俗物。
加えて自分以外の存在を徹底的に見下し、自身を崇める魔従教団も単なる道具程度にしか思っていない冷酷な一面を持つ。

自らのエゴにより歪みに歪みまくってはいたが、御使いは「宇宙の管理」、超文明ガーディムは「一族の再興」、元社長の無職は「地球人の繁栄」という大義を語っていた。
しかしエンデにはそれが一切無い。どこまでも自身の欲望に忠実に行動しており、それを隠そうともしない。
それでも「人間の感情を食べなければ生きていけない生命体」と考えれば同情や擁護の一つも湧くだろうが、エンデは『食事』を『生きるための行為』ではなく『快楽』『娯楽』のための手段と捉えており、生物の負の感情を好物としている偏食家としての一面を抱える。

上記の性格と食事に対する姿勢が、全て本編の悪行に繋がっていると言っていい。
なまじ『神』を名乗るに相応しい力を持つ高次元生命体だっただけに、上記の目的をスケールのでかすぎる方法で実現しようとした傍迷惑な存在で、総論すれば情状酌量の余地なしの害獣。
「智の神」「聖獣」の化けの皮を被った邪神以外の何物でもない。
立ち位置的には魔装機神シリーズの三邪神に近いものがある。


ぶっちゃけると本作の登場キャラクターは、敵味方を含めた大多数が彼のエゴに振り回された被害者である。


◆その所業

本編の3000年前、アンチスパイラルを神部七龍神、ロージェノムらと共に退けたエンデは、その力により認識宇宙内にアル・ワースを創造。
そこにアンチスパイラルとの戦いで生き延びた生物を受け入れた。
これは再びアンチスパイラルといった強敵と合間見える前に力を蓄えることと、自身の食料である「生物の感情」を確保するためである*1
当初は結果的なものだったとは言え、「エンデが住み処を提供」に対して「住人が食料を提供」という対等の関係だったが、負の感情を美味とするエンデは自身の意思を代理し、効率的に負の感情を生成させるための存在として『魔従教団』を設立し、アル・ワースの戦乱の歴史を裏でコントロールして負の感情を食らっていくようになる。

そして本編、エンデは3000年の間にアル・ワースの住人の感情の味に飽きてしまい、他の世界の生物の感情の味に興味を抱く。
そこでエンデは、他の世界の人間の感情が口に合うかどうか見極める『試食』のために、アル・ワースを成り立たせる「平和の世界」「戦争の世界」「革命の世界」から、
異界人を生死問わず次々とアル・ワースに召喚。アル・ワースを複数の世界を巻き込んだ戦場にしてしまう。
やがてアル・ワースの人間とは異なる感情に味を占めたエンデは、アル・ワース以外の世界も全て自分のエサ場にすることを目論むのであった。
これにより、認識宇宙に浮かぶアル・ワースはエンデがいなければ存在し続けることができないため、彼に興味を持たれなくなったことで消滅の危機を迎えることになる…。
つまり今作の味方陣営であるエクスクロスの存在は、エンデからしてみればデパートの物産展の試食コーナーと何ら変わらないのである。
エンデにとっては異なる感情…いわゆる愛や希望などといった「正の感情」は負の感情の味を引き立たせるためのスパイスでしか無いのだ。

しかし、いくら神のごとき強大な力を持っていようが、エンデも所詮は一個の生命体。
アル・ワース創造後に寿命が近づいていた。そのため、『死にたくない』というもう一つの目的に関しては、新たな肉体を得て生まれ変わるという方法で達成しようとしていた。
そしてエンデの新たな肉体に必要な因子こそが、
  • エンデの心=魔従教団の教主
  • エンデの肉体=ゼルガード
  • エンデの生命=エンデと同じ高次元生命体であるホープス
の三つである。
魔従教団が術士達に教主を目指すように仕向けていたのは、謂わば「エンデの心」を育成するためだったのだ。

教団では導師になるとエンデの本性と目的を明かされ、その力を恐れるあまりに盲従するようになる。
キールディンがエンデの声を恐れていたのはこれが理由。

また、その息吹は魔のオーラと同質。
作中ではこれを受けたと思しき魔従教団の術士やセルリックがエンデに憑かれたような変貌を遂げ、そしてある文明管理システムが自らをエンデと認識するブラックノワールとなってしまい、子機のようなものとして平和・戦争・革命の三つの世界の均衡をコントロールするようになってしまう。

ルルーシュとの駆け引きの末に敗北し、「シャルルに関する一切の記憶を捨てる」ギアスをかけられ絶望に陥ったマリアンヌを喰らったのもコイツである。


◆結末

通常ルート

ラスボスらしく登場しようとするが、ホープスがエンデの存在を知って絶望しないようイオリとアマリ以外の仲間たちにネタバレを行っていたために出鼻をくじかれてしまった。
それでもエクスクロスの目の前でセルリックごとワース・ディーンベルを量産する*2、アル・ワースを丸ごと食らうなど圧倒的な力を見せつけ、彼らを絶望させようとする。
この苦境を打開すべく、ホープスと共にゼルガードでエンデの体内に特攻して内部から破壊しようする主人公を見下しながら食らうが……


何ダ、コレハ…!?グ、グボァ!!

不味イ!!!何ダ、アノ不快ナ味ハ!?

グ……グボ…グボアアアアッ!!

グウウウウ!絶望デ塗リ潰サレタアル・ワースカラモ不快ナ味ガスルゥゥゥゥ!!


実は主人公がエンデの苦手とし、「スパイス」扱いしていた愛情*3に包まれていたため、口に合わず吐き出し大幅に弱体化。
ついでにエクスクロスの激闘を見て希望を奮い立たせたアル・ワースの全住民の正の感情でアル・ワースが覆われた結果、食あたりを起こして折角飲み込んだアル・ワースも吐き出してしまう。

チ…違ウ!ソウデハナイィィィッ!

愛ヤ勇気ヤ希望ナド悲シミヤ苦シミヤ絶望ヲ引キ立タセルタメダケニ存在スレバイイノダ!

ソンナモノデ満タサレタ世界ナド、我ハ食ベタクナイィィィッ!!

この展開を例えるならば、待望のご馳走を一気食いしたらご馳走にこっそりハチミツがブチまけられていたため盛大に胃からゲロったような状態である。
更には食当たりの影響で常に喋るたびに咳込んでしまう(戦闘台詞でもゲホゲホ咳き込む)ようになり、愛を語るキャラに対して「ソンナモノ食ベタクナイ!」と子供染みた我儘を言い出すなど完全に小物化。
最期はアル・ワースの住人の応援を受けて再起したエクスクロスに敗れ、消滅した。

イ、嫌ダ! 消滅シタクナイ! 消エタクナイーッ!!

イヤダァァァァァァッ!!


困難ルート

ラスボス降格。
こちらではホープスによるネタバレは無く、ボスキャラとして幾分かマシに振る舞うが、アル・ワースを食らった際にアル・ワースが既に正の感情に包まれていたため、やはり口にあわず吐き出し弱体化する。
つまり、ストーリー的には通常ルートより早い段階で弱体化する。
その後、主人公たちに体内に侵入され、内部で真の力を発揮したゼルガードによってエンデの人格は消滅。直後、真ラスボス『魔獣ホープス』の誕生となる。


◆ユニットとしての魔獣エンデ

3Lサイズにも及ぶ巨体で出現。困難ルートではステージ開始から10ターン目になる前に倒さないとゲームオーバーになる。
自身の特殊スキルとエースボーナスにより驚異の4回行動(弱体化しても3回行動)を行ってくる。
幸い、精神耐性は無いので、弱体化後はありったけの精神コマンドとスキルを使ってワンキルを狙いたい。

  • 破滅の壱式:燐
MAP兵器。3~4回行動のうち1回分のみ使用する。
膨大な量のオドを自分の周囲に展開し、その光を周囲めがけて炸裂させる。受けた機体のENを下げる追加効果あり。
通常武器に比べれば命中率が低いため、これくらいなら『かく乱』で何とかなりそうといったところ。

  • 破滅の終式(ついしき):絶
我ハ終焉ヲ呼ブ!
我ガ意思ヨ!光トナリテアノ者ヲ包メ!
ゲホッ!グガアアア…ッ!

我ノドグマヲ見セヨウ
破滅ノ終式…!全テハ我ノ意志ノ下ニ!

通常武器でありエンデの操るドグマ。
ターゲットを背中に生えた巨大な樹から放出される膨大な量のオドで包み込んで拘束してしまい、そこに魔のオーラと同質とされる邪悪な息吹を撃ちこんでビッグバンを彷彿とさせる爆発と共に破壊してしまう。
射程が1~9と長く、命中率修正が+80もあるので精神コマンドやスキル無しに回避するのはまず不可能。
また、よくない性質のモノをぶっ放しているために、受けると気力低下の効果がある。

ちなみに魔獣ホープスになると「破滅の終式:絶」の色が青色になっており、追加効果もなくなっている。
これが何を指すかというと…?


◆余談

  • 通常の撃破モーションは大樹が枯れ、巨獣の部分が朽ちたのち、本体も朽ちた後小さな光が爆ぜるというもの。

  • 「大多数がエンデの被害者」と上記したが、その例外の一つがマサキたちラ・ギアス組である。
    それどころかエンデはアル・ワースに魔装機神が干渉してきたことに驚いていた。
    「コイツ(マサキ)ノ プラーナハ、食イタクナイ…」「異界の神殺シメ!」という発言もあり、もしかしたら昔ラ・ギアスや魔装機神と何か関わりがあったのかもしれない。


  • その禍々しくも樹木を背負った姿から、一部のプレイヤーから「メガドダイトス」と呼ばれているとか。
    禍々しい方向にメガシンカし過ぎだろオイ!…後に某映画に物凄くデカいドダイトスが登場することになるとは予想もできなかったろう

  • 「エンデ」という名のラスボスという事で破神エンデ・ニルを思い出す人もいるだろうが、関連する部分は少ない。
    しかし、発売時期が近いのにネーミングが被ってて驚かされた人はごく少数いる模様。仮に共演してポップスターなんて食わせたら気力100を割るほどの大惨事になったり、カービィを敵に回した時点でフレンズやスーパーロボットを模した光で希望や勇気で満たされたりするという美味しい展開の呼び水になりそうだが…




大人シク我ニ追記・修正サレロ! ソレガ、項目ノ役目ダ!

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最終更新:2024年08月22日 21:22

*1 なお、七龍神もロージェノムも当時の記憶が曖昧になっており、エンデと再会するまで彼のことを忘れていた

*2 命を愚弄しまくったこの愚行には主人公たちもキレていたのは言うまでもない。

*3 イオリの場合はアマリの、アマリの場合はホープスの想い