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ナギド・シュ・メイン(コードギアス)

登録日:2022/02/03 Thu 16:50:22
更新日:2024/12/06 Fri 22:43:06
所要時間:約 10 分で読めます






やはり、姉さんの予言通りゼロは特別か!




出典:『コードギアス 復活のルルーシュ』 サンライズ、コードギアス製作委員会 2019年2月9日公開より



ナギド・シュ・メインとは『コードギアス 復活のルルーシュ』に登場するナイトメアフレーム(KMF)
同作のキービジュアルでも大きく描かれており、事実上のライバル機兼ラスボス機を務める。


目次





緒元


型式番号:KPX1
所属:ジルクスタン王国
分類:不明
全高:4.82m
重量:9.35t
動力:エナジーフィラー
推進機関:ホバースラスター
フロートユニット
武装:曲剣
アサルトライフル
スラッシュハーケン×2
円盾×2
隠し腕×2
特殊機能:メギストスオメガモード

パイロット:シャリオ


機体解説


ジルクスタン王国で開発された最新鋭機であり、国王であるシャリオの専用KMF。
双眼型のセンサーと正面から後頭部にかけて設置されたブレード状のパーツを配した頭部、両肩側面に配置された円盾、腰部に取り付けられたスカート状の布が特徴。
カラーリングは白をメインに金と赤を配し、そこにスカートの紫が加わった派手なものになっている。


胴体から頭部と四肢を生やし背面に箱型コクピットに背負った人型になっており、全体のシルエットや構造はジルクスタンの主力量産機であるゲド・バッカ系とは異なるもので、むしろブリタニア系のKMFに近いといえる。
一方、各部の機構や装備類はジルクスタン独自の物が占めており*1、「第十世代に相当する機体ではないか?」とも噂されている。
ただし、技術面は革新的ではあるものの後述するパイロットへの負荷など、実際の兵器としては欠点も多い未完成品であるとも云われており、設定上も正式に第十世代に分類されてはいない。
とはいえ、そのポテンシャルの高さは登場時点での最新世代である第九世代機を凌駕し得るものである。


本機の大きな特徴は全身に内蔵されたフロートユニットによる機動性及び運動性の高さ。
内蔵型の遠距離火器は装備されておらず、そのスピードを活かした中・近距離での白兵戦能力に特化している。
その意味ではランスロット系統にも近い戦闘スタイルと云え、本編では実際にスザクの十八番「陽昇流誠壱式旋風脚」をも再現してみせた。

砂漠地帯が多くを占めるジルクスタンや周辺地域での運用を主に想定しているため、各関節部分には防塵用の布を装着。
脚部にはホバースラスターユニットが装着され、これによりサンドボードなどを追加しなくても通常装備のまま砂漠での高速移動が可能になっている。


他方、専属パイロットであるシャリオが大きな肉体的ハンデを負っていることからコクピット周りも独自設計を採っている。
搭乗時はコクピットシートを兼ねたサポーター型の装置にシャリオの身体を固定(固定作業には介助者を要する)、そのまま備え付けのウインチでシャリオの身体を持ち上げ機体内部に収納する。
この搭乗方式の都合上、操縦中もシャリオの目の前には両脚のサポーターに接続されたウインチのワイヤーが二本吊り下がっている。
操縦時にはシャリオが普段から装着しているゴーグルをコクピットに有線接続し情報取得に用いる。
ちなみにこのゴーグルはゲド・バッカなどに装備されたVRゴーグルの技術を発展させたもので、視覚障害を持つシャリオ自身の視界を補助する役目を担い、一部パーツは彼の脳に直接繋がっている。
また、高速機動時の負荷に耐えるための薬物投与装置なども設置されており、戦闘中も必要に応じて薬物を投与出来る。

これらの装備を用いることでシャリオはナギド・シュ・メインを自在に操っており、当人も「ナイトメアにさえ乗れば僕は自由に動けるんだから 」と発言している。



武装・装備


  • 曲剣
反りのある刀身を持つシンプルなデザインの片手用の。非使用時にはベルトで後腰部に取り付けた鞘に納刀し携行される。
刀身部分の構成素材はMVS系武装と切り結べる強度と高い伸縮性を併せ持っており、必要に応じてリーチが伸びのようにしなる。更に重なっていた刀身が三枚に分かれ、三本の鞭と化して目標に襲い掛かる。
操作精度も見た目以上に高いらしく、劇中では斬撃・打撃以外にもランスロットsiNのコクーンの接続部に触手のように潜り込んで引っぺがすといった非常に変則的な攻撃を行っている。
恐らくシャリオ自身が携行しているウルミの剣を模した装備と思われる。

  • アサルトライフル
片手用の突撃銃。非使用時にはコクピットブロック下部に懸架される。
機能的にはシンプルな物で威力も相応だが、ナギド・シュ・メインの機動性を合わせることで高い攻撃性能を発揮する。
ガン・ドゥ・グーンも同型のライフルを装備している。

  • スラッシュハーケン
両前腕の籠手部分に装備。
ハーケン部分は緑色の六角形のパーツで、使用時には手首部分の装甲が下がり、ハーケン部分がせり上がって露出。
更にハーケンの内部から三本の実体ブレードが展開され射出される。

  • 円盾
コクピットブロック左右に備えたアームによって両肩側面に配置されている円型の実体シールド
一応防御用としての使用も想定しているが、内部にフロートシステム、縁部分にブレイズルミナスなどを搭載している多機能ユニット。
通常時は両肩側面に固定されているがアームを動かすことで様々な方向に可動し、第三、第四の腕として使用可能。
更にアームとの接続部はワイヤーを介して射出することもでき、縁部分のブレイズルミナスを展開することで巨大な円刃型スラッシュハーケンと化して目標を切り裂く。

  • 隠し腕
両腕の付け根部分に折り畳まれている三本指のマニピュレーター。
接近戦おける敵機の拘束などに用いられる、所謂隠し武器的なもの。
上記の本体の両腕と円盾のアームを合わせることで最大六本腕状態での戦闘が可能になる。

  • ホバーユニット
両足首側面部分に装着されているホバースラスターユニット。
非使用には折り畳まれ、使用時には展開し足元に推進力を送りホバー移動を行う。
これによりフロートを使用しなくても砂漠などの不整地でも一定以上の機動力を確保できる。*2

  • フロートユニット
ヒッグス場の限定中和による質量封じ込めを行う浮遊装置。
ブリタニア系や日本系のKMFで飛行用装備として実用化されて久しいが、本機の場合上記の円盾をはじめとして機体各部にフロートユニットを分散配置して内蔵しており、技術的にはあくまでも近似の物であるという。
これにより通常に飛行だけでなく、通常の挙動においても機体各部の質量軽減を個別に行うことでスピードが大幅に増しており、運動性能も格段に向上している。

更に全てのフロートユニットを同時起動させることによって機体質量を最小化させることも可能。
この全フロートユニットの同時起動状態は「メギストスオメガモード」と呼ばれ、残像による疑似分身すら可能という、エナジーウイング装備機を凌駕するほどの高い機動性を発揮する。
しかし、それだけにパイロットであるシャリオの肉体への負荷も通常時より跳ね上がっており、上記のコクピットでの薬物投与による身体強化措置を行っても連続使用時には過大な負荷で両眼などからの出血が起きている。
ちなみに、通常飛行時には胸部と円盾部のフロートを使用しているらしくそちらが発光し背後に三つの光輪が浮かぶ。
一方、メギストスオメガモード時は胸部と円盾に加え機体各部の金色部分が全て発光し、シャリオのパイロットスーツの赤い部分も発光している。



劇中の活躍


劇場版

光和2年(『復活のルルーシュ』)

冒頭のハシュベスでの襲撃時、シャリオと共に登場。
襲撃部隊の機体を次々に撃破するゼロ(スザク)の真母衣波壱式を抑えるべく出撃。
事前にシャムナから受けていた「予言」に基づき空中からの蹴りで真母衣波を地中に仕掛けていたトラップに追い込み鹵獲。
そのまま残存部隊と共にナナリーの身柄も確保しジルクスタンへと帰還した。


後半、ゼロ(ルルーシュ)によるグラルバード襲撃作戦の際、初回は迎撃のため出撃しようとするも時間が掛かり間に合わなかったが、「予言」による二回目以降は事前に出撃準備を終えていたためギムスーラ高原の夜空でビトゥルの部隊と共に待機中のスザクとカレンを強襲。
鈍重なフレームコートを纏うランスロットsiNを相手に接近戦を仕掛け、メギストスオメガモードを発動しその機動性で翻弄、損傷を蓄積させていき遂には撃墜する。
しかし、続けてフレームコートを排除したランスロットsiN本体との戦闘になり、ランスロット本来のスピードにギアスの呪いを加えた機動力によって食い下がられ、次なる「予言」も授けられないまま徐々にシャリオの限界も見え始めてしまう。

そして二機の戦いは夜明け頃にまでもつれ込む。


なんで…なんで……なんでぇぇぇ!!??
ナナリーをかすめ取り、平和を乱した罪!贖ってもらう!!
罪?罪だって!?ジルクスタンに戦い以外、何があると言うんだ!!

ブリタニアすら退けたジルクスタン王国、だがブリタニアは勿論のことE.U.と中華連邦、果ては国土や資源の全てが日本にさえも劣るジルクスタン。そのジルクスタンが生き延びてきたのは戦争があったから。平和を乱すのが罪ならば、戦いでしか食べていく術を持たない人々から戦争を奪うのが罪ではないのか?

多くの民が傷つき、倒れた国の王故にシャリオにとってスザクのその論理は所詮、戦争以外に食べていく術を持つ者の傲慢に他ならない。その責任と執念を持って食い下がるシャリオだが、ナギド・シュ・メインのボディにランスロットの手刀が打ち込まれた。


降伏しろ!勝負は付いた!
着いちゃいない!この国を背負う姉さんのためにも!僕は!最強の戦士になるんだぁぁ!!
こいつ……っ!
引き分けなら負けにはならない!!

敗北を悟ったシャリオは隠し腕を展開しランスロットに組み付き道連れにしようとするが、それを即応したスザクにスラッシュハーケンで弾き飛ばされたうえ、ダメ押しにエナジーウイングのエネルギー弾を浴びかけられてしまう。
そのままナギド・シュ・メインは空中でバラバラになり、シャリオと共に爆散したのだった。


僕の身体を維持するために、どれだけの人が苦しんできたか。ここで負けたら…僕は、なんのために。
教えてよ、姉さん。僕はどうすればよかったのか。姉さん、僕に光…

どのような人生であったかは不明だが、姉のシャムナが神事として王を支えると共に母の役割をも果たしてきた関係であったのは確か。誰よりも優しく、自分のために苦しんできた人々に報いようと、姉のために最強の戦士であろうとした戦士の国の王は敗れた。

方法こそ歪であったが、その生き様は間違いなく国を率いる王の責務に燃えていた。が、そうであるにはシャリオはあまりにも優しく、力に執着しすぎてしまった。

漫画版

光和2年(漫画版『復活のルルーシュ』)

基本設定は劇場版と同じだが、ハシュベス襲撃以前に完成しその後も運動プログラムなどソフト面での改良が重ねられている様子や、ジルクスタンを襲撃しようとしていたグラスゴーや無頼の集団を「予言」に基づき単機で迎撃する様子が描かれている。

ハシュベスでの戦闘も若干変更され、真母衣波壱式との交戦時に陽昇流誠壱式旋風脚を実際に喰らって左の円盾を破壊される場面が追加されている。



関連機体


ガン・ドゥ・グーン


突破したか!!

緒元

型式番号:K6B
所属:ジルクスタン王国
分類:不明
全高:5.62m
重量:12.42t
動力:エナジーフィラー
推進機関:ホバースラスター
武装:アサルトライフル
内蔵機銃×2
クロー×4
シールド×2

パイロット:ボルボナ・フォーグナー


機体解説

ジルクスタン王国大将軍ボルボナ・フォーグナーが使用するKMF。
ダークブラウンの装甲が特徴。

ジルクスタンが独自開発した機体の一つだが、ゲド・バッカ系とは異なりブリタニア系に代表される通常の人型機の要素が強く出た機体となっている。
そのため脚部も二足歩行型で両腕は五指マニピュレーター、両肩にアームに接続されたシールドなど、ナギド・シュ・メインへの繋がりを感じさせる構造・装備を持つ。
歩行の他、両脚裏に仕込んだホバーを用いて高速移動も可能。
コクピットブロックは背面にあり内部はジャジャ・バッカやナギド・シュ・メイン同様広くモニターも大きい新型タイプを採用している。
一方、人型KMF開発の途上にあったためか腕部がかなり長く、膝下も巨大化し全体的に異形寄りのシルエットになっており、機体サイズも5.5m級とブリタニアの大型機ほどではないが一般のKMFよりも頭一つほど大きくなっている。


武装・装備

  • アサルトライフル
ナギド・シュ・メインの物と同型の突撃銃。

  • 内蔵機銃
両腕部に内蔵されている火器。
普段はカバーで覆われており、使用時にのみ一部装甲が展開し射撃を行う。
連射性が高く牽制などにも用いられる。

  • クロー
両腕部の手首部分に装備された鉤爪状のクロー。片腕に二本ずつ装備されている。
非使用時は腕部側面にしまわれ、使用時には接続部が回転し展開される。
機銃と合わせ近距離戦での主武装。

  • シールド
両肩部分から生えたアームに接続されている六角形の大型実体シールド。
ナギド・シュ・メインの円盾の原型的装備と思われる。


劇中の活躍

光和2年(『復活のルルーシュ』)
黒の騎士団によるグラルバード襲撃作戦の際、ボルボナの乗機として二回目以降から登場。
王城前に多数のゲド・バッカを率いて現れ、重厚な布陣でコーネリア隊を迎撃、進行を阻んだ。

しかし、捨て身で突撃してきたコーネリアのクインローゼスとの一騎打ちとなり、近接戦闘に持ち込まれクインローゼスにもダメージを与えるものの一歩及ばず、頭部と腕部を破壊され戦闘不能に陥った。



余談


主力機・量産機とは違う一個の超兵器という立ち位置から、ランスロット系を意識した機体となっており、色彩設定においてもランスロットsiNと同じ白と金系を用いつつ全体のバランスなどで差別化されている。
また、監督曰く「フロートによる機体駆動などは旧ブリタニアからの流出技術であろう」とのことだが、同時にパイロットへの負荷などを含めランスロットと同じ「使い切れない超兵器」とも評している。



追記・修正は陽昇流誠壱式旋風脚のコツを掴んでからお願いします。

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最終更新:2024年12月06日 22:43

*1 開発については「旧ブリタニアをはじめとした他勢力で本流から外れ亜流となった技術者などがジルクスタンに流れ着きそれらが合わさって独自発展したものではないか」といったことが示唆されている。

*2 書籍『メカニカルコンプリーション』では「通常のランドスピナーも装備している」という記述もあるが、設定画などではホバーユニットしか装備されておらず判然としない。