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ドラゴン・オーブ(デュエル・マスターズ)

登録日:2022/07/17 Sun 21:15:03
更新日:2024/09/28 Sat 11:53:43
所要時間:約 11 分で読めます







ディスペクターを作り出した黒幕、

ドラゴン・オーブがついに動き出そうとしていたのだった……。




ドラゴン・オーブとは、TCGデュエル・マスターズ」に登場する種族。


【概要】

DMRP-19「王来篇 第3弾 禁断龍VS禁断竜」から登場した種族。
2022年時点では《龍魂珠(アントマ・タン・ゲンド)》のみが属している所謂単独種族であり、設定的にも無二のクリーチャーと思われる。

外見は「オーブ」の名の通り、がそれぞれツギハギで隔てられた球体というシンプルなデザイン。
周囲にはジッパー・青い電撃・ボルトと鉄板・モザイク・糸と布が浮かび、いずれもディスペクターの合成方法であるを表したものである。

ちなみにこの種族名のみでネット検索すると、マスター・ドラゴンよろしく国民的RPGの方が多くヒットしてしまう。
そのため、ネットで調べる際には「デュエマ」「デュエル・マスターズ」も合わせて検索ワードに入れる事を推奨する。


【解説】

龍魂珠 C 自然文明 (4)
クリーチャー:ドラゴン・オーブ/ディスタス 4000
このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から5枚を見る。その中から1枚をマナゾーンに置き、残りを好きな順序で山札の下に置く。
ササゲール2(ディスペクターを召喚する時、コストを2少なくしてもよい。そうしたら、このクリーチャーを破壊する。そのディスペクターのコストは0以下にはならない)

山札の上にある五枚から一枚を選んでマナゾーンに貯められる効果を持ち、ディスタス特有のササゲールでディスペクターの召喚コストを2軽減できる。
マナゾーンからカードを展開していくタイプのデッキにとっては、五枚のカードから選び出せる効果はなかなか魅力的である。

しかし、ディスペクターのサポートとして使う場合には山札の探索範囲が五枚から二枚に狭まるものの、手札補充も出来る上に無機質な球体の龍魂珠と違い可愛くてイラストアドも高い妖精 アジサイ-2》がライバルとして立ちはだかる。
《龍魂珠》は種族としてはドラゴンに属している他、二色のアジサイと比べて自然単色で色事故も起こしづらいためその辺で差別化していきたい。


【関連カード】

  • 炎龍神の翔天 コルピア
  • 海龍神の魔風
  • 天龍神の翔天 ピラッキ
  • 地龍神の魔陣
  • 黒龍神の翔天 クロロ
五大龍神ことファイブ・オリジン・ドラゴンの肩書きを冠したカード群。
イラストには《龍魂珠》が描かれており、その表面には龍神の名に対応して《炎龍神ヴォルジャアク》《海龍神クリスド》《天龍神アークゼオス》《地龍神バラフィオル》《黒龍神モルナルク》が映し出されているようだが…?

Volzeos-Balamord KGM 光/水/闇/火/自然文明 (9)
キング・クリーチャー:ディスペクター/ニュー・ワールド・ドラゴン 555555
自分の手札またはマナゾーンに3種のキング・セル《新世界王の権威》《新世界王の思想》《新世界王の闘気》が揃っていれば、合体させ、コストを支払ってこのキング・クリーチャーを召喚してもよい。
エクストラEXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から2枚をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドのうち1つを墓地に置く)
スピードアタッカー
ワールド・ブレイカー
このクリーチャーは、出たターンの間、ブロックされない。
このクリーチャーが攻撃する時、相手は自身の手札をすべて捨てる。
自分が「G・ストライク」を使った時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置き、相手のクリーチャーを1体選んでタップしてもよい。

五龍神を一つの身体に圧縮して造り上げられた最強最悪のディスペクター。
背景ストーリーでは最後に《龍魂珠》が肉体の中央に融合する形で完成しており、実際にイラストでは胸の部分に五色の宝玉が確認できる。
《龍魂珠》に操られる形で王来篇のラスボスとして立ちはだかった。

設定のみならず《龍魂珠》とはカードとしての相性も良く、キング・セルとして揃えばマナゾーンからも召喚できるヴォルゼオスのサーチをサポート出来る。

詳しくは個別項目を参照。

煉獄大帝 キングロマノフ SR 光/闇/自然文明 (10)
クリーチャー:ディスペクター/ドラゴン・ゾンビ/ダークロード/ナイト 14000
EXライフ
ブロッカー
T・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、各プレイヤーは自身のクリーチャーを1体選び、残りの自身のクリーチャーをすべて持ち主のマナゾーンに置く。
各ターン、はじめて自分のシールドがシールドゾーンを離れた時、各相手は、それぞれ自身のシールドを1つ選ぶ。これにより選ばれたシールドをすべてブレイクしてもよい。
相手のクリーチャーは可能なら攻撃する。

ロマノフ一族の支配者であるキング・ロマノフが完全復活を果たした姿。
何故か種族にディスペクターを持ち、イラストでも魔銃に龍魂珠が組み込まれているようだが…?

詳しくは個別項目を参照。


【背景ストーリー】

王来篇における全ての黒幕
「歪な過去を抹消して綺麗な未来に作り変える」という傲慢な思想を抱き、12の王の力と共に手にすれば歴史の支配者となれる「超獣王来烈伝」を狙って暗躍する。
ちなみにこんな見た目だが会話が可能で、何ならわりとペラペラ喋る。

ドラゴン・オーブは歴代のクリーチャー達を陶器のような物質と掛け合わせてディスタスとして蘇生、あるいは無理やり合体させてディスペクターとして使役するという能力を持ち、手始めに《アイアンラビットンボ》を生み出し、続けて実際にクリーチャー同士を合成させ《原闘混成 ボルシャックADEVE》を作り出した。
どういうわけか《ADEVE》の混成は解けて《ボルシャック・ドラゴン》には逃れられてしまうものの、その後もボルシャック以外の11の王をディスペクターの素材として利用し、内五体をディスペクターにおける五つの勢力の王として据えさせると王来大戦を引き起こした。

大戦も佳境に入る中、「禁忌中の禁忌」として封じられていたはずの《禁断竜王 Vol-Val-8》が歴史の表舞台に出た事を受けてドラゴン・オーブもついに本格的な行動を開始。
王を素材としていた二体のディスペクター《邪帝縫合王 ザ=デッドルナ》と《暗獅連結 グレイテスト・ネルザ》からそれぞれ「黒月王」「獅子王」を一度引き剥がし、二体の王を改めて合体させた《終末縫合王 ミカドレオ》として再誕させてモモキングに仕向けた。

結果的にはミカドレオも「殿堂王」の力を継承したモモキングに敗れてしまったものの、それこそがドラゴン・オーブの狙いだった
モモキング達の活躍で見事集められた12の王の魂が「超獣王来烈伝」へと収められた瞬間、突如としてその姿を現すと烈伝から溢れ出すエネルギーを吸収し尽くして我が物としてしまう。
そして封じられていた原初の支配者・五大龍神を何処からか呼び寄せると、取り込んだエネルギーを利用して彼ら五体を一気に圧縮して一つの肉体とし、最後にドラゴン・オーブ自身も融合する事で最悪のディスペクター《Volzeos-Balamord》として誕生した。

龍魂珠》の目的、それは五龍神のディスペクターの力で既存の超獣世界を選別し、新たな秩序の下に「新世界」を造り上げる事にあった。
そのためだけに歴戦のクリーチャー達を冒涜し、自身の手駒として利用してきたのだ…。

Volzeos-Balamordとしての絶大な力でモモキングを大苦戦させるが、最期は「究極の王」として覚醒した《究極英雄 キングモモキング》の一刀によって偽りの命ごと破られトドメを刺された。
それと同時に何故かいきなり出現した《一王二命三眼(バラド・ヴィ・ナ・シューラ)》がその身体を内側から貫き、二人の王の同時攻撃という凄絶なオーバーキルを食らったドラゴン・オーブは訳も分からぬまま息絶えるのだった。

そして主が討たれ全てのディスペクターが倒れた後も、一番最初に合成された《アイアンラビットンボ》は最後のディスペクターとして唯一生き残った。

王来MAX

超獣世界から龍頭星雲を挟んだ向かい側にあるデモニオの栄える世界『鬼の王の歴史』でも同時期にディスペクターが出現していたのだが、こちらの歴史では《龍魂珠》と同一存在の《鬼魂珠(ラウドラ・タン・ゲンド)》が「邪鬼王来烈伝」に伝わる12の王を狙ってディスペクターを造り出し、暗躍していた模様。
あちらとこちらの世界で「龍」と「鬼」の対が強調されている事から、種族としては恐らく「ドラゴン・オーブ」に対応して「デモニオ・オーブ」だったと思われる。

デモニオ・オーブもまた『鬼の世界』における五大龍神の五大鬼王をディスペクターにしようと目論んでいたようだが、こちらの世界のオーブはドラゴン・オーブに比べて色々不憫だったと予想される。
何故なら、
  • 吸収対象であるはずの「邪鬼王来烈伝」改め一王二命三眼槍意志を持って主のジャオウガに味方している
  • 「邪鬼王来烈伝」越しに吸収予定だった12王の力をジャオウガが魂ごと己の身体に取り込んでいった
  • その結果、奪うべきエネルギーが王来烈伝に充填されず、逆に敵対者であるジャオウガがみるみるパワーアップしていく
…という、《鬼魂珠》にとってあらゆる要素が不利に働いていたからだ。

その後どのようにしてエネルギーを確保したかは不明だが、五大鬼王を合成した鬼の世界のヴォルゼオス・バラモルドとして何とか完成にこぎ着けた模様。
だが、新世界を作るエネルギー以前にそもそもちゃんと合成できたのかも怪しいヴォルゼオスに対して、片や12の王を全て取り込み脅威的なパワーアップを遂げたジャオウガ。
力の差はもはや歴然としており、最終的には核となるオーブ自身を目的だったはずの一王二命三眼槍に貫かれるという皮肉な最期を遂げた。
この際、ジャオウガにより放たれた凄まじい威力は龍頭星雲を越え、デモニオ・オーブと同一存在のドラゴン・オーブに接続してしまい、モモキング視点では《Volzeos-Balamord》からいきなり槍が飛び出てきたかのように見えていたのだ。

なおジャオウガとの詳しい戦闘模様は語られていないが、「ヴォルゼオス・バラモルドの討伐直後」という同じ状況でありながら力の全てを出し尽くしていたモモキングに対してジョー星を破壊しに行く余裕のあるジャオウガ、という消耗度合いの差から見ても鬼の世界のヴォルゼオス・バラモルドがあまり強くなかった、あるいはジャオウガが強すぎた事がうかがえる。
デモニオという自分本位な種族の歴史に対する敵対者となった事が《鬼魂珠》最大の不幸であった…。

不敬なり!真邪眼騎士団

王来篇後の龍魂珠が顛末が明らかにされた。

モモキングによって破壊された後は煉獄と呼ばれる異世界に送られたらしく、煉獄の支配者である《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》に目を付けられて力を掌握されてしまう
龍魂珠の力はMRCロマノフにとって非常に魅力的であり、自身をディスペクターの《煉獄大帝 キング・ロマノフ》として復活させたり、新たにナイトのディスタスとディスペクターを作り出したりしていった。

歴史に様々な不敬を働いてきた悪玉は、自身もまたナイトの魔弾として利用されるという因果応報の末路を迎えたのだった…。


【備考】

ディスペクター作成のカラクリ

ドラゴン・オーブが合成させてきたディスタスやディスペクターの中には新章世界に存在しないはずのEP世界DS世界出身のクリーチャーが多数見受けられ、当初は「ドラゴン・オーブは次元を越える力を有しているのでは?」と見られていた。
ところが実際の所は次元移動では収まらず、現実世界の紙媒体のカードにおける「クリーチャーの歴史」や「世界の記憶」にアクセスし、そこから材料となるクリーチャーを抽出してディスペクターを作っていたというのが公式の解説で明らかになった事の真相だった*1
…もはやメタネタ全開の何でもありな能力だが、そもそもは新章以降の背景ストーリー自体がアニメ・マンガ・現実世界とリンクしやすいというメタい世界観に変わっており、ドラゴン・オーブはその集大成とも言える。

ボルバルザーク・紫電・ドラゴン》と《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》がそれぞれ《 ネバーシデン》及び《 パギャラダイダ》として既にディスペクターに利用されていたにもかかわらず、二体の融合体である《超聖竜シデン・ギャラクシー》も更に《戦国接続 ギャラクテスト・シデンシーザー》としてディスペクター化するという重複染みた現象が発生していたのも、単純にドラゴン・オーブが《紫電・ドラゴン》《パーフェクト・ギャラクシー》《シデン・ギャラクシー》それぞれのカードの歴史より別々に素材を引っ張ってきたからだった。

ドラゴン・オーブの被害に遭った歴代のクリーチャー達については こちら を参照。

結局ドラゴン・オーブとは何者なのか

ドラゴン・オーブ最大の謎。
王来篇の黒幕として、ディスペクターの創造主として立ちはだかった恐るべき敵の彼だが、実はその出自に関しての一切が判明していない
アンノウンよりアンノウンだし???より???な「謎」の頂である。

「龍魂珠」というそもそものクリーチャー名、そして《龍神》シリーズのカード群で五龍神が珠の内部より顔を覗かせていた事から、当初は「封じられた五龍神の魂が一つにまとまった思念体」説が有力だった。
ところが実際の背景ストーリーでは、元のボディ(と思われる)五龍神に対してドラゴン・オーブはセリフでも地の文でも第三者のように接しており、他のクリーチャー達と同じくあくまで目的達成のための道具のように扱うなど、およそ「本来の自分たち」に対するものとは思えない態度が確認されている。
デュエチューブで明かされた仮説の設定だが、五龍神は極神編で荒れ果てた世界に平和をもたらすために封印されながらも五元神を派遣するという高邁な精神の持ち主達であり、思考の点でも傲慢で身勝手なドラゴン・オーブとは似ても似つかない。
新章世界は時系列で言えば極神編から10万年以上が過ぎ去った未来が舞台なので、ひょっとしたら時間の経過で当時の高潔な精神性から変化が生じたとも考えられるが…。

五龍神と無関係だとするならば、傲慢かつ身勝手な思考をし、過去のクリーチャーを道具として扱うという基礎設定、さらにはストーリー上での口調などがアニメ「デュエルマスターズ キング!」におけるジェンドルというキャラクターに酷似している。
これらから、背景世界におけるジェンドルのパラレル存在という考え方もできる。
しかし、公式からの回答はなく、これほどのメタ能力を扱う勢力は未だかつていなかったためやはり的が絞れず、正体不明である。
まさかシーザーさんなわけないだろうし

王来篇どころか王来MAXが終わってもなお語られずじまいなその正体。
果たしていつの日か明らかになるのだろうか。



追記・修正は同時必殺技によるオーバーキルを食らってからお願いします。

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最終更新:2024年09月28日 11:53

*1 《ボルシャック・ドラゴン》は無事なのに、それと同一存在とされる《勝利の覚醒者 ボルシャック・メビウス》がディスペクターにされているのも、それらがカードとしては別物なのが原因。