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飯塚昭三

登録日:2023/01/13 Fri 17:21:00
更新日:2025/02/26 Wed 20:49:18NEW!
所要時間:約 9 分で読めます




飯塚 昭三(いいづか しょうぞう、1933年5月23日 - 2023年2月15日)は、日本の声優、俳優。シグマ・セブン所属。


目次




◆来歴

東京府(現:東京都)に生まれる。小学生時代から高校卒業まで母の実家のある疎開先の福島で過ごす。
小学生の頃はスポーツに夢中であり演劇に興味はなかったものの、高校一年生の頃に仮装行列の出し物で「ゾウの前足」を演じたことをきっかけに演劇部に入部した。

高校卒業後は日本大学芸術学部演劇学科へ進学。劇団を結成し全国各地で演劇を上演し、卒業後も劇団仲間で公演を続けていた。

その後、洋画の吹き替えに出演したことで声優としての道も歩むことになり、以降もテレビアニメから特撮に至るまで様々な作品で声優として出演してきた。

1988年、東京俳優生活協同組合からシグマ・セブンへ移籍。シグマ・セブン関連の声優塾で主任講師を勤めた他、2007年からは専門学校アートカレッジ神戸にて「飯塚ゼミナール」を開講するなど、若手育成にも力を注いでいた。

2010年代まで第一線として活動を続けていた。この時点で既に80代だったがそうとは思えない迫力のある演技を見せていた。特に第二次スパロボZにおける弁慶役は必聴。
しかし2020年前後からは杖を付くようになり、大きな声を出しづらくなる。また、偉丈夫のように逞しかった風体も痩せ気味になるなど加齢による衰えが見え始める。
こういった体力の低下などが重なってか、それまで担当していた『忍たま乱太郎』の稗田八方斎役*1をはじめほとんど役を降板し、後任へ引き継いでいる。

2022年3月には「東京アニメアワードフェスティバル 2022」でアニメ功労部門を受賞したが、この頃から体調を崩し始めていた。

多くのレギュラーを降板した晩年には、所属事務所の養成所で講師を担当するなど後進の育成に力を入れつつも、負担の少ない仕事であれば時折単発としてこなしていた*2
が、2023年2月15日、急性心不全のため死去。89歳没。22年末に公開された『カールじいさんの空飛ぶ家』のスピンオフ『ダグの日常』におけるカールじいさん役が最後の仕事となった。




◆特色

多くのアニメ・特撮において悪役・敵役・黒幕を演じてきた、日本を代表する「悪役声優」の一人として知られる。

東映特撮番組と縁が深く、『仮面ライダーシリーズ』、『メタルヒーローシリーズ』、『スーパー戦隊シリーズ』で悪の親玉役などで多く出演した。
中でも『人造人間キカイダー』のハカイダー役が特に有名だろう。飯塚も初の「二枚目悪役」ということで当時はどう演じればいいか悩んだものの、現在まで強い思い入れがある役だという。

飯塚の声優活動としてのルーツともなった吹き替えにおいても様々な役を演じた。飯塚の吹き替えといえば『特攻野郎Aチーム』のコングことボスコ・アルバート・バラカス役が一番に挙がるという人も少なくないはず。

その野太く凄みを利かせた低い声を活かし、悪のボスや怪人のみならず『機動戦士ガンダム』のリュウ・ホセイや『ドラゴンボール』の人造人間8号など善良なキャラクターを演じることも多い。リュウを演じることになった際には、それまで悪役を中心に演じてきた中で「温厚な18歳の青年」という役を演じるのに苦労したとの事。

スーパーロボット大戦シリーズ』のビアン・ゾルダークや『クラッシュ・バンディクーシリーズ』のネオ・コルテックス、『ロックマンシリーズ』のトーマス・ライト、『リロ・アンド・スティッチ』のジャンバ・ジュキーバなど天才科学者役を演じることが多い。

長い経歴の中で主演を担当することはほとんどなかったものの*3、2009年*4公開の『カールじいさんの空飛ぶ家』で、主人公・カール・フレドリクセン役を演じた。

死去した雨森雅司や曽我部和恭、小川真司、渡部猛、内海賢二、和田文夫、八奈見乗児から持ち役の一部を引き継いでいた。

◆人物像・エピソード

声優活動の傍ら舞台俳優として出演する若手声優に対しては、「声優の仕事がないからといってその穴埋めとして舞台に立つことはやって欲しくない」「舞台に立つ以上は真剣に取り組んで欲しい」という持論を唱えている。

『人造人間キカイダー』のスピンオフ作品『人造人間ハカイダー』のハカイダー役は、当初原作通り飯塚をキャスティングを想定していたものの一旦白紙になった。後にスタッフから再度「やはりオーディションを受けて欲しい」との要請が飯塚の下へ来たため応じたのだが、オリジナル声優としての尊重を感じられない不遜な態度に憤慨し、自ら役を降りたという。

前述の通り様々な悪役を演じヒーローと戦ってきた経歴から、ファンの間では「悪の帝王」と呼ばれることもある。また、『人造人間キカイダー』ムック本の編集者から「30年間地球と戦い続けた男」という称号を送られている。この事は飯塚も嬉しそうに語っていた。
「TVチャンピオン・〜悪役王決定戦」では、「300回以上も地球の征服・人類絶滅をもくろみ、その都度ヒーローによって葬り去られた悪の権化」として紹介された。

こんな数々の異名とは裏腹に、本人は非常にひょうきんで大らかな人柄であり、多くの声優・俳優からの人望が厚い。
大のダジャレ好きらしく、インタビューを受ける度にほぼ必ず飯塚のダジャレが紙面を飾ると言われている。
アフレコ現場でもダジャレを何度もかましてはスタッフに「3回ダジャレを言ったらつまみ出す」と冗談混じりで注意された上に、その3回もわずか5分で使い切ってしまったほどである。
ガンダムのイベントにリュウ・ホセイ役として出演した際は「マチルダさんが死んだ時はあんな悲しんだのに俺(リュウ)は全然だもんな(要約)」とクレームを付け、アムロ役の古谷徹にリュウの死を悼む台詞を読ませたこともある。

「これまでに何度も地球を征服しようとした罪滅ぼし」として、ボランティア活動にも積極的に参加していた。

冷酷・残忍な悪役を多数演じ、それぞれに強い思い入れがある飯塚だが、『フランダースの犬』で演じたアンソール(パトラッシュの元飼い主だった金物屋でパトラッシュを虐待していた)だけは、自身が犬好きであることや演じたせいで子供に嫌われたことから「この役だけは好きになれない」と語っている。

ミスター味っ子』や『忍たま乱太郎』などで飯塚との共演が多い高山みなみは、飯塚を実の父親のように深く慕っている。

内海賢二とは「昭ちゃん」「賢坊」と呼び合うほど親交が深かった。2013年に内海が死去してからは、同年10月に放送される『はじめの一歩』第3期で、旧シリーズまで彼が演じていた鴨川会長役を引き継いだ*5




◆主な出演作品

テレビアニメ


ゲーム

吹き替え


特撮



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最終更新:2025年02月26日 20:49

*1 後任は間宮康弘。

*2 キカイダー50周年記念のハカイダー音声時計などではインタビュー付きで出演。

*3アストロガンガー』では作品の象徴かつタイトルを冠するガンガーを演じたが、この作品の主人公は厳密には星カンタローである。

*4 当時76歳。

*5 後に高齢により降板し、スマホゲーム『FIGHTING SOULS』では佐藤正治が演じている。

*6 初代~「ブッとび3段もり!」まで。

*7 セガサターン版。

*88」~「スーパーアドベンチャー」まで。

*9 トリカゴラー人間態

*10 第1話~10話まで。以降は急病のために降板し渡部猛が引き継いだ。