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撒き技(ポケモン)

登録日: 2011/03/10(木) 01:03:52
更新日:2024/10/08 Tue 11:13:45
所要時間:約 6 分で読めます




ポケットモンスターシリーズに登場する技のカテゴリ。


■概要

相手の場のフィールドのみに継続的に作用する形態の技であり、フィールドの地面に撒き散らし、『踏む』ことでダメージやデバフを与えるという体を取っている。
全体技ではないため、極一部が反射されでもしない限りダブルバトル等の多対多のバトルで味方に影響を及ぼすことは無い。

撒き技それぞれが異なる処理で判定されるので、ダブルバトルや交代を駆使して複数の撒き技を発動すれば、それぞれが効果を発揮する。

反面、地面に撒く都合でエスパー系の特性『ふゆう』を持っていたり、アイテム『ふうせん』所持、飛行タイプの場合は『地面に居ない』判定故に悉く撒き技を無効化され、そらをとぶやシャドーダイブ等で一時的に場を離れている間は通らない。

ただし、特殊技『じゅうりょく』で強引に引き摺り下ろしたり、あまり見られないが、アイテム『くろいてっきゅう』を相手にプレゼントして機動力を奪った場合は地面判定で効果が通るようになる。非常に回りくどいが。


共通する効果として、
  • 分類:変化技(一部攻撃技)
  • 範囲:相手フィールド
  • PP:20
  • 相手のポケモンが新たに場に出た瞬間に何らかの被害を相手に与える。
上記のような技を総称して「 撒き技 」と呼ぶ。
後述の「ステルスロック」がメジャーになってからは「 設置技 」とも。
これらの技を使う事を「 撒く 」と呼ぶ事が多い。

使い方として、あらかじめ「まきびし」「ステルスロック」を撒いてから、「ほえる」・「ふきとばし」などの相手を強制的に交代させる技を使いダメージを稼ぐ「 昆布 」と呼ばれる戦法が有名(使い手としてはエアームドラグラージ等)。
なんでも「コンボ」を「昆布」と打ち間違えたのがそのまま定着したとか。
他にもダメージを与えるタイプの撒き技は「がんじょう」や「マルチスケイル」といった体力満タン時に発動する特性の効果や、「きあいのタスキ」を潰すために使うという運用も可能。

第8世代では、攻撃しながら罠を設置できるキョダイマックスわざも登場した。その後の第9世代も通常技として攻撃と罠の設置を同時にできる技が出ている。

道具「あつぞこブーツ」を持っているとこれらの罠の効果を受けないようになる。


■撒き技一覧

  • まきびし
元祖罠。第2世代から登場。じめんタイプ技。
登場したポケモンに最大HPの1/8のダメージを与える。
金銀発売当初はフォレトス系統の専用技だったが、マイナーチェンジ版のクリスタルバージョンでパルシェンハリーセンも習得し、以降使用者も増えている。
第3世代以降から3回まで撒けるようになり、ダメージ量も増える(最大HPの1/8→1/6→1/4)。
ダメージ量は一定だが、じめんタイプであるが故にひこうタイプや特性「ふゆう」のポケモン、持ち物が「ふうせん」のポケモンといった浮いているポケモンに無効なのが最大のネック*1。後述のステルスロックの方が優秀と言われる原因がこれ。
と言うか、まきびしを覚えられるポケモンの3分の1程がステルスロックを覚えられる。

ちなみに「昆布」の元祖もこれ。
但し、現在とは違い2匹のポケモンで行うコンボだった。
その第一人者がパルシェンライコウである。

  • どくびし
第4世代から登場。どくタイプ技。
登場したポケモンを状態にする。
2回まで撒く事ができ、1回だと「どく」、2回だと「もうどく」を登場したポケモンに浴びせる。
まきびしと同様「浮いているポケモン」には効かず、毒を受け付けないポケモン(はがねタイプや「めんえき」持ちなど)にも当然無効。
また相手の場にどくタイプのポケモンが出た場合、毒状態にならずにどくびし自体が消滅する
ただし、浮いているどくタイプが出た場合は消滅しない。

他の2つと違いダメージ適用タイミングが遅く、即効性に欠けるのが難点。
こちらの毒以外の状態異常技とも相性が悪く、「ラムのみ」「ねむる」など対策手段も多く、総じて扱いが難しい一面も。
しかし2回撒けば相手の再生回復型の耐久ポケを機能停止にできる点で非常に優秀。
上手くハマれば相当のアドバンテージとなる。
上述のように毒ポケモンを出すと勝手に消滅するため、浮いていない毒ポケモンはそれだけを目的に採用されることもある。
ちなみに特性「ミストメイカー」はどくびしの処理後に発動する。

「ベノムショック」や「たたりめ」など状態異常でダメージアップの技と絡めるのも有効。
XYでは「ベノムトラップ」と言う、コンボで使えとしか思えない新技も登場した。
ドラピオンロズレイドなど、撒きポケモンに一風変わったものが多いのも特徴。
しかしレートで使おうとすれば、相手の手持ちにどくびしが効かない毒・鋼・飛行やふゆう持ちが手持ちの半数もいるなんて事は珍しくない。
特に第7世代ではフェアリー環境が災いして はがねタイプがパーティにいない事なんてまずない 為どうも振るわない。
第8世代では技レコードで習得者が増えたが、ダイジェット環境による飛行タイプが躍進していたのでどくびしをすかされて相変わらず不遇。
第9世代では技マシンとしてどくびしが収録。更に新ポケモンに物理技を喰らうとどくびしを撒く特性「どくげしょう」をもつキラフロルが登場し、どくびしを撒くターンと技スペースは解消。
当初は環境をカイリューやサーフゴーのどちらもどくびしをすかされていたが、パラドックス解禁後になると一変。
パラドックス組でどくびしを無効化と回収できるのがテツノドクガテツノワダチテツノコウベぐらいで踏んでくれる連中が多く、後に解禁された四災も全員もどくびしを踏んでくれるので、以前よりどくびしに刺さる相手が増加したことでどくびしが猛威をふるうようになった。

  • ステルスロック
第4世代から登場。いわタイプ技。
まきびしと同様に登場したポケモンにダメージを与えるが、このダメージは タイプ相性の影響を受ける のが特徴。
基本は最大HPの1/8で、そこから相性補正により倍率が異なる。つまり岩2倍は1/4、4倍はなんと1/2も削られる。
逆に岩1/2なら1/16、1/4なら1/32にまで落ちる。
ポケモンバトルレボリューションでのエフェクトを見ればわかる通り、尖った岩を相手の場に浮かばせるというもの。
その設定のお陰で、他の2つと違い浮いているポケモンにも効果があり、「マジックガード」持ち以外のあらゆるポケモンに無効化されない安定感が最大の魅力。どんなに小さなダメージでも襷潰しにはなるのだ。
また岩弱点のポケモンにはメジャー級も多い為、単純なダメ量もまきびしを凌ぐ事もあり、まさに万能。
さらに草タイプを出せば、相手はタイプ一致で弱点を突けるポケモンの大半が牽制されるため、草タイプを仕留め辛くなる。
このわざは複数回重複して撒く事はできない。できたら恐ろしいが……。
逆に岩が4倍弱点であるポケモンを使う際は、この技を意識して必ずHPを奇数に調整しつつ、相手に草タイプが残っている状況で使われたら戦略を大きく変更しておこう。

第6世代ではファイアロー狩り、受けループによる定数ダメージ用に搭載されている事が多い。
覚えるポケモンも岩・地面・鋼などに限らず、かなりメジャーな技。
第7世代ではファイアローが減ってしまい、需要は往年よりは下がっているが、リザードンウルガモスの対策としてまだまだ使える。

第8世代では、カジリガメ(キョダイマックスのすがた)が持つ、みずタイプの技が変化したキョダイマックスわざ「キョダイガンジン」を使用すると相手の場にステルスロックが設置される。

  • ねばねばネット
第6世代から登場。むしタイプ技。
登場したポケモンにダメージを与えるのではなく、素早さを1段階下げる。
まきびしと同様「浮いているポケモン」には効かない。
また複数回重複して撒く事はできない。
素早さ低下は特性の発動より早いため、パラドックスポケモンの素早さブースト調整を崩すことが可能。
特にこの調整をしていることが多いハバタクカミやテツノツツミに刺さりやすい。

中速ポケモンの多くが高速ポケモンを抜かせるようになるのが魅力。
覚えられるポケモンはツボツボアメモースデンチュラなど強いものの、一線級のメジャーポケモンではないものが目立つ。
更にステロやファイアローに弱いなど、かなりクセのある性能。
特性「あまのじゃく」には逆に1段階速くなってしまうため注意が必要。

  • キョダイコウジン
第8世代で登場。キョダイマックスわざによってのみ発生する。
はがねタイプ版ステルスロックで、登場したポケモンに「最大HPの1/8×はがねタイプを受けるときの相性補正」だけダメージを与える。
ダイオウドウ(キョダイマックスのすがた)が持つ、はがねタイプの技が変化したキョダイマックスわざ「キョダイコウジン」を使用すると、相手の場に設置される。
ちなみにこれを撒き、さらにステルスロックを撒き、ダメ押しにまきびしを3回撒くとアローラキュウコンモスノウ等岩タイプと鋼タイプが両方弱点かつ片方が4倍弱点になるポケモンは場に出るだけで死んでしまう。

  • ひけん・ちえなみ
技自体が登場したのは「LEGENDS アルセウス」からだが、現在の効果になったのは第9世代から。威力65のあくタイプ物理技。
ヒスイダイケンキ専用技となっており、攻撃しながらまきびしを撒けるという優れもの。
タイプの関係上攻撃を無効化されず、ダイケンキの特性「きれあじ」の効果が乗ると威力が100近くにもなるので、メインウェポンとして運用できるのが強み。
勿論攻撃すればするほどその都度まきびしが撒かれるので、より相手に負担を与えることができる。
欠点は命中が90であること。要するにたまに外してしまう。

  • がんせきアックス
「ひけん・ちえなみ」同様初登場した「LEGENDS アルセウス」から第9世代で現在の効果になった。
威力65のいわタイプ物理技。
バサギリ専用技で、こちらは攻撃すると同時にステルスロックを設置できる。ダイケンキ同様特性「きれあじ」によって「ストーンエッジ」並の火力を叩き込める。
欠点は命中が90であること。やはりたまに外ry

■解除方法

これらの罠を取り除く技も用意されている。

  • こうそくスピン
第2世代から登場。ノーマルタイプの物理技。
相手を攻撃しつつ味方のフィールドにある罠を取り除けるほか、同時にやどりぎのタネを吹き飛ばしたりバインド状態から抜け出すこともできる。
撒き技は長期戦になればなるほど効果を発揮するので、6on6の時には技スペースを圧迫してもこの技を入れるべきとされる。
第7世代までは威力が20と貧弱だったが、第8世代からは威力が50に上方修正され、更に素早さが1段階上がる効果もついてきた。そのため、罠がなくとも積み技としての運用が可能になっている。

第4世代から登場。ひこうタイプ技。
相手の回避率1段階下降と共に、相手側のフィールドにある罠やリフレクターなどを取り除く。
よって、味方側にある罠を解除したいときは「きりばらい」を相手にしてもらう必要があるのでこの方法での解除は絶望的。
なので自分が素直に「こうそくスピン」を使った方がいい。
なお、この効果は第5世代までのものであり、第6世代以降は自分が「きりばらい」を使っても解除できるようになった。
また、第8世代からフィールドを除去する効果もついてきた。

  • キョダイフウゲキ
第8世代で登場。キョダイマックスわざによってのみ発生する。
アーマーガア(キョダイマックスのすがた)が持つ、ひこうタイプの技が変化したキョダイマックスわざで、攻撃と同時に「きりばらい」の効果が起こる。
ただ、それ以上に通常のダイジェットの素早さ上昇効果が強力すぎる故、キョダイマックスアーマーガアの使用率はそこまで高くなかったりする。

  • キラースピン
第9世代から登場。どくタイプの物理技。
キラフロルの専用技で、効果は素早さ上昇の代わりに相手をどく状態にする「こうそくスピン」といったところ。また、攻撃範囲が相手全員が対象となっている。
キラフロルは特殊アタッカー気質な上、威力が30しかないのでダメージはあくまでおまけと割り切るべし。

  • おかたづけ
第9世代から登場。ノーマルタイプ技。
イッカネズミの専用技で、場全体の罠や「みがわり」を解除する他、「りゅうのまい」のように攻撃と素早さが共に1段階上昇する。
「きりばらい」や「キョダイフウゲキ」のように相手側の罠を取り除いてしまうほか、自身のみがわりも解除してしまうため、積み技として使う際は注意が必要。

■総評

・メリット
まず何といっても「きあいのタスキ」や「がんじょう」潰しができる点が一番大きい。

ウルガモス「蝶舞6積みしたぜヒャホーイ!!」

相手の ギガイアス
がんじょうで もちこたえた!

ウルガモスなん…だと……?

とならないので、安心して相手を潰しに行けるのだ。
最近流行りのマルチスケイルカイリューにも有効である。

他にも交換誘発による間接的消耗、又は交換自体の牽制など、数多くの利点がある。


・デメリット
強いて言うなら、相手に隙を与える事である。しかし6vs6なら、1ターン費やしてでもステルスロック等を撒く価値は十分にあるだろう。
とはいえ初手設置技は非常に読まれやすく、その隙に積まれたり起点作りをされる場合もあるので、他の行動も視野に入れておきたい。
また、変化技なので「ちょうはつ」でしっかり防がれる。素早いポケモンならあまり気にしなくてもいいが意識はしておくべきだろう。
マジックコートやマジックミラーにも反射され、こうなると自分の場にステルスロック等が設置されてしまう。使い手はあまり多くないが読まれると悲惨極まりない。


ヌケニン「あ…ありのまま 今起こった事を話すぜ!

『おれはモンスターボールから出てきたと
思ったらいつのまにかHPが0になっていた』

な…何を言っているのかわからねーと思うが
おれも何をされたのかわからなかった…

頭がどうにかなりそうだった…
瞬殺とか出落ちだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…」






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最終更新:2024年10月08日 11:13

*1 ここに挙げられたポケモンが「くろいてっきゅう」を持っている場合、「じゅうりょく」が発生している場合は有効