裏目に出た3バックへの変更も…風間監督「技術を上げなければ」
[10.12 ナビスコ杯準決勝第2戦 浦和1-0川崎F 埼玉]
ダメージの残る敗戦になった。2009年以来、4年ぶりのナビスコ杯決勝進出を目指した川崎フロンターレだったが、第2戦で浦和レッズに0-1の完封負けを喫し、アウェーゴール数の差で涙を呑んだ。川崎Fのシュート数6に対して、浦和のシュート数は18。公式記録上の数字が示すように、浦和に押し込まれ続けた川崎Fだが、第1戦のアドバンテージを考慮して守備的に戦ったわけではなかったという。DF田中裕介は「相手のサッカーを90分間、受けてしまったというか…見てのとおりです。プランとしては、いつもどおり点を取れればと思っていました。守りに入ろうとしたわけではなく、1点取れれば試合がラクになると思っていました」と、明かす。
ところが、この試合ではボールを保持できずに、劣勢の展開を強いられた。風間八宏監督は、「相手が前から来ることは分かっている。そこで一番大事なのは自信。もっともっと余裕をもって、ボールを持たないといけないのに、今日は非常に良くなかった。もう少しうまくいっていれば、あんなに消極的にはならずに前へ行けたと思うが、あれだけミスをすると守備一辺倒になってしまう」と、イージーミスが続いたビルドアップについて苦言を呈した。
そんな状況を打破するために、指揮官は試合終盤に4バックから3バックへの布陣変更も試みた。今季のリーグ戦では、このやり方がハマっていた。ミラーゲームを挑んだ川崎Fは、第16節の浦和戦に4-0で勝利している。また、試合途中の布陣変更が奏功し、ナビスコ杯準決勝の第1戦では、2点のビハインドから逆転していた。
しかし、この試合に限っては、この決断が仇となった。後半35分の失点シーンで自身のサイドを突破された田中は「4バックから3バックに変えたところで、マークのズレもあった」と認めている。風間監督も「多少やり方を変えたところで失点した」と話すが、「あれだけボールを保持されて、意図的にサッカーができなければ、ああなる。そういう意味で言えば、守備はかなり頑張っていた。そこ(攻撃面)は改善しないといけない。技術を上げなければいけない」と、布陣変更について悔やむ様子はなかった。
選手たちも、指揮官の采配ではなく、こういった試合展開になった自分たちのプレーについて反省する。「全体として動きもなく、結局は力負けという形になった」と田中が言えば、腰を痛めたMF中村憲剛との交代で、後半からピッチに入ったMF森谷賢太郎も「相手の勢いをモロに受けた。一人ひとりがもっと自信を持てれば良かった」と同調する。さらにFW大久保嘉人は「勝っているときにできていることが出来なかった」と、自分たちの描く戦い方を貫けなかったことを強調した。
初タイトルへの道が断たれたダメージは大きい。森谷は「すぐには切り替えられない。でも、切り替えなきゃいけない」と、自分に言い聞かせるように言った。どんな展開の試合であれ、あくまで主導権を握りに行く。その道標が見えたことを今後の収穫にするためにも、立ち止まっている暇はない。
(取材・文 河合拓)
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ナビスコ杯2013特設ページ
ダメージの残る敗戦になった。2009年以来、4年ぶりのナビスコ杯決勝進出を目指した川崎フロンターレだったが、第2戦で浦和レッズに0-1の完封負けを喫し、アウェーゴール数の差で涙を呑んだ。川崎Fのシュート数6に対して、浦和のシュート数は18。公式記録上の数字が示すように、浦和に押し込まれ続けた川崎Fだが、第1戦のアドバンテージを考慮して守備的に戦ったわけではなかったという。DF田中裕介は「相手のサッカーを90分間、受けてしまったというか…見てのとおりです。プランとしては、いつもどおり点を取れればと思っていました。守りに入ろうとしたわけではなく、1点取れれば試合がラクになると思っていました」と、明かす。
ところが、この試合ではボールを保持できずに、劣勢の展開を強いられた。風間八宏監督は、「相手が前から来ることは分かっている。そこで一番大事なのは自信。もっともっと余裕をもって、ボールを持たないといけないのに、今日は非常に良くなかった。もう少しうまくいっていれば、あんなに消極的にはならずに前へ行けたと思うが、あれだけミスをすると守備一辺倒になってしまう」と、イージーミスが続いたビルドアップについて苦言を呈した。
そんな状況を打破するために、指揮官は試合終盤に4バックから3バックへの布陣変更も試みた。今季のリーグ戦では、このやり方がハマっていた。ミラーゲームを挑んだ川崎Fは、第16節の浦和戦に4-0で勝利している。また、試合途中の布陣変更が奏功し、ナビスコ杯準決勝の第1戦では、2点のビハインドから逆転していた。
しかし、この試合に限っては、この決断が仇となった。後半35分の失点シーンで自身のサイドを突破された田中は「4バックから3バックに変えたところで、マークのズレもあった」と認めている。風間監督も「多少やり方を変えたところで失点した」と話すが、「あれだけボールを保持されて、意図的にサッカーができなければ、ああなる。そういう意味で言えば、守備はかなり頑張っていた。そこ(攻撃面)は改善しないといけない。技術を上げなければいけない」と、布陣変更について悔やむ様子はなかった。
選手たちも、指揮官の采配ではなく、こういった試合展開になった自分たちのプレーについて反省する。「全体として動きもなく、結局は力負けという形になった」と田中が言えば、腰を痛めたMF中村憲剛との交代で、後半からピッチに入ったMF森谷賢太郎も「相手の勢いをモロに受けた。一人ひとりがもっと自信を持てれば良かった」と同調する。さらにFW大久保嘉人は「勝っているときにできていることが出来なかった」と、自分たちの描く戦い方を貫けなかったことを強調した。
初タイトルへの道が断たれたダメージは大きい。森谷は「すぐには切り替えられない。でも、切り替えなきゃいけない」と、自分に言い聞かせるように言った。どんな展開の試合であれ、あくまで主導権を握りに行く。その道標が見えたことを今後の収穫にするためにも、立ち止まっている暇はない。
(取材・文 河合拓)
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