電車なんかと違って、クルマで行く旅は風の吹くまま気の向くまま、どこにだって行ける。行き先は、思い立ったらパッと行けて、パッと帰ってこられるくらいの場所がいい。
今回お届けするワンデイドライブは、釣り特化型のアパレルブランド「メトロポリスフィッシング」を主宰する佐々木高嶺さんと笹本海都さんのお二方が登場です。2人が向かう先は、なにやら最近できたらしい福岡のあのチェーン店や、近くにあるフィッシングスポットなどなど。千葉の柏周辺を巡ります。
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東京・祐天寺にある「Guru’s Cut & Stand」にてスタイリストとして働く佐々木高嶺さんと、モデルやショップ店員など多方面で活躍する笹本海都さんa.k.a.小魚くん。佐々木さんのほうが3歳お兄さん。それぞれの仕事に加えて、2020年からともにアパレルブランド「メトロポリスフィッシング」を始動。
Instagram:@metropolisfishing、@tane.___、@_kozakana_
Table Of Contents : 目次
レンタカー代で月7万円。
2人は年齢も離れているし、職場も違えば地元も違う。ただ、昔からの知り合いみたいに仲がいい。
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2人を繋げたのは共通の趣味である「釣り」だった。2020年、佐々木さんが渋谷の「上州屋」で買い物をしていたところ、同じタイミングで笹本さんも買い物をしていたという。
「小魚(笹本さんのあだ名)の存在は知っていたんですけど、それまで一切接点がなかったんです。で、『上州屋』で買い物をしているときに、隣を見たら小魚がいるから、テンションあがって『小魚くんですよね?』って声をかけたんです。めっちゃスカされましたけどね」と佐々木さん。「だって、誰か知らなかったし(笑)」と笹本さんも続ける。
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連絡先を交換し、その3日後には一緒に釣りへ。お互い、釣り熱の爆発時期が重なり、それから一緒に何度も釣行を重ねたという。同年に「メトロポリスフィッシング」を2人プラス友人で立ち上げ、いまに至る。
当時、釣り場へ向かうときはいつもレンタカーだった。あるときは、レンタカー代だけで7万円も月々支払っていたという。
「ホント、バカみたいにレンタカーしてましたからね。で、当たり前ですけど小魚と『クルマ買ったほうが安くね?』って話になったんです。そして、3年前に買ったクルマが、これっす」
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佐々木さんが購入したのは、スバル「フォレスター L.L.Bean EDITION」。サロンではまだ見習いの時分で、どう考えても月々赤字になってしまうけど、それを覚悟で購入を決意。25歳のときだった。そこから以前に増して、2人で釣行を繰り返すようになる。
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佐々木さんがこのクルマを購入した理由は、まずはその価格。2000年式のモデルで走行距離は8万5千キロ、当時の価格で32万円。前オーナーが丁寧に乗っていたために、走りはいまでも快適だという。CarPlayが使えるように、フロントのパネルはお父さんがDIYで設置したそう。
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そして、もうひとつの理由は長い竿を乗せられることと、荷物もたくさん入ること。
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「たぶん、レンタカーしていた時代と月々にかかっている金額は変わらないけど、荷物の出し入れもしなくていいし、朝でも夜でも、釣りに行きたいとなったらいつでも行ける。ストレスは格段に減ったっすね。買って後悔はしてないです」
九州っ子のソウルフードが関東にやってきた!
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そんな2人と本日向かう先は、千葉方面。なにやら、福岡のローカルチェーンがやってきたらしいから、別に福岡となんの縁もないのだけど、2人と向かってみることに!
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住所:千葉県八千代市大和田新田1062−7
電話:047-456-8580
HP:www.sukesanudon.com/
1時間のドライブで辿り着いた先が「資さんうどん」。到着は平日の朝10時にもかかわらず、駐車場はいっぱいで誘導員さんもいて、人気ぶりがうかがえる。
福岡の人なら誰でも知っているソウルフードで、2024年末についに関東に初出店。発祥の地である北九州では何十店舗もあり、どの店も早朝から深夜まで大にぎわい。工場帰りのおっちゃんから女子高生まで、みんなが大好きなうどんチェーンだ。
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待つこと15分。席に案内されてタッチパネルで注文。2人が選んだのは、うどんと丼ものの「しあわせセット」。
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冷たいうどんはツルシコで、あたたかいうどんはフワフワ。出汁は九州発ということで甘めの設定。
「めちゃくちゃうまいっす。朝ごはんめちゃくちゃ食べてきたけど、食えましたね」。そう言う佐々木さんは、2025年は腸活をするという目標をたてたらしい。18:00以降は一切ものは食べず、朝は味噌汁や納豆など発酵系を爆食いする。決めたことはやり通す性格で、去年は「コンビニに入らない」という目標を完遂している。
「だから去年の高嶺はめんどくさかったです(笑)。買い物もですけど、コンビニのトイレも使えないから、超タイムロスしてましたね」と小魚くん。
ちなみに、八千代店は24時間営業というのもうれしい。夜釣りの帰りでも、早朝のアタックにも対応してくれる。腹ごしらえができたら、次は釣具屋でも覗いてみよう!
柏のブンブンはでかい。アウトレットも豊富。
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住所:千葉県柏市風早1丁目6−7
電話:04-7160-8101
HP:bunbun-fishing.com/
釣りする前に、必要なものを買い足すために「つり具のブンブン」に立ち寄ることに。関西を中心にチェーン展開する釣具屋で、関東にも埼玉、神奈川、そしてここ千葉の計5店舗展開している。
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「たぶん、関東にある『ブンブン』はほぼ行ってますけど、柏が一番でかいっすね。2回くらい来たことあります。中古コーナーも充実してるんですよ」
そう言う笹本さんは、仕事の休憩中に渋谷の「タックルベリー」と「上州屋」に行くのがルーティン。週5で通っており、釣具がとにかく好きなのだ。ここはバス系のものが多いそう。
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店に入るやいなや、真剣になる2人。巨大な店内に新品と中古の釣具がぎっしり詰まっている。
「基本、端から端まで見ます。宝探しですね、イメージは。撮影じゃなかったらたぶん1時間以上は居座ると思いますけど、さくっと買って、向かいましょうか。(遠くにいる笹本さんに向かって)小魚、そろそろ行くよー!」
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佐々木さんはライン、笹本さんはルアーをゲットして、沼に向かおう!
目移りする16号線。時間がないのに、ついつい…。
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釣りのポイントに向かうために走っているここ、国道16号線は、横浜を起点に、八王子、所沢、千葉を結ぶ約300キロの環状道路。ロードサイドには大型ショッピングモールやアウトレットをはじめ、多様な店が軒を連ねる。ドライブコースとしても人気が高く、独自の道路カルチャーがある国道だ。
だから、時間がないのに目移りしまくる。せめて、一軒だけ!
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住所:千葉県柏市風早1丁目6−1
電話:04-7192-3671
HP:store.alpen-group.jp/
最近、東出昌大さんのYouTubeチャンネルを見て、キャンプに興味が湧いてきた笹本さんと、同じく東出さんの自然と街のバランスを羨ましく思っている佐々木さん。店内をちょっと物色。
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「ぼく、キャンプ道具まったく持ってないんですけど、たまにキャンプするんです。クルマで山の中に行って、石を積んで焚き火をして、網で食材を焼いて、クルマで寝て」と佐々木さん。だからいま気になっているのは、あったかい寝袋だそう。
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「超包まれる。むしろ暑い! 釣り場に前乗りすることとかもあるから、そういう時にはホントいいですね。いつか買おう。でも、いまじゃない」という言葉を残し、いよいよ釣り場へ向かいます。
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ハイプレッシャーの手賀沼でバスフィッシング。
「スーパーハイプレッシャーらしいから、2%かな」と佐々木さんが言えば「でも、今日はあったかいからね。20%はある」と笹本さん。今日の釣果を予想する。そうこうするうちに、最終目的地の手賀沼が見えてきた。
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住所:千葉県柏市大井新田
千葉県の北西部に位置する手賀沼は、かつては水質汚染で「日本一汚い湖沼」と呼ばれた時期もあった。そこから浄化対策のおかげもあり、いまではさまざまな魚種が生息する人気の釣りスポットとなっている。特にバス釣りスポットとして有名で、年間を通して多くのアングラーが訪れる。ただ、佐々木さんが言うようにスーパーハイプレッシャーで難易度高め。
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沼の周辺には整備された遊歩道が続き、釣り以外にもサイクリングや散策を楽しむ人々の姿が見られ、都市と自然が調和した憩いの場にもなっている。
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「こんなときに釣れることもありますから。そんなサプライズがあるから、釣りってやめらんないっすよ」
2人のブランド「メトロポリスフィッシング」のウェアに身を包み、いざ、釣り開始!
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そこから1時間が経過するも、一向にヒットせず。そこからさらに、もう1時間!
「やっぱり、噂に違わずハイプレッシャーっす」
「うわー、ダメでしたね。夏ですね、また夏に来ましょう」
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リベンジを誓い、そろそろ帰路へ。
それにしても大人になってからできる友達って、いいものだ。そう考えると趣味の力は大きい。いまは必ずしも毎回ではないのだけど、ふらりと連絡を取り合って、気が向けば待ち合わせをして出かける。そして今日みたいな1日を過ごす。
「いいワンデイドライブでした。いつもの感じ。クルマを流しつつ、飯食って、買い物して、釣りして。やっぱりいい息抜きになるっすね。18時くらいに都内に着けば、もうひとつ別の予定もいれられるから、これくらいのスケジュールが好きかもしれない」(佐々木)
「でも釣りたかったなー。ぼくら、今日の夜から、横浜方面でまた釣りなんです。そっちで今日の鬱憤晴らしてきます(笑)」(笹本)
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今日の感想を車内で聞いたあと、佐々木さんの「寝ても大丈夫なんで」という言葉を合図に、笹本さんは即入眠。運転する佐々木さんと、助手席で寝る笹本さん。ホント、素敵なコンビでした。次に行くのは、あなたの街かも!
Photo/Shouta Kikuchi