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ほぼ日刊イトイ新聞

2025-02-20

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・いま、部屋のなかを見回してみてください。
 どんな部屋でもいいです、散らかっていてもいいです。
 さて、目に入ったもので、人間がつくってないものは? 
 壁もテーブルも天井も、そこにあるさまざまな家具も、
 電気製品も、本やらおもちゃやら化粧品やらも、
 だいたいは人間がつくったものです。
 観葉植物や花があるかもしれませんね。
 そこらへんのものは、どうだろう、
 人間がつくったもののようにも思えますよね。
 もし、窓から雨が吹き込んできたら、風が吹いてきたら? 
 そうですね、雨や風は人間がつくったものじゃない。

 部屋の外はどうでしょうか。
 さまざまな建物も、道路も、看板や張り紙も、
 人間がつくったものは、部屋のなかばかりじゃない。
 そこもここも人間の手が入ってるものばかりです。
 でも、そこらへんから、場所によってちがってくる。
 山の見えるところにいる人には、山が見えますよね。
 海が見える、川が見える、空が見える雲が見える。
 そういう景色はみんな人間がつくったものじゃない。
 規則正しい直線でつくられていないし、
 風向きやら天気やらによってゆらゆら動いてます。

 こんなことを書いているぼく自身が、
 毎日暮らしているところでは、
 目に入るのが人がつくったものばかりです。
 大きいのはやっぱり建物かなぁ、
 ぼくらは建物のなかにいて建物の内部を見ていて、
 建物の外に出て、また建物ばかりを見ています。
 しかも、PCやスマートフォンの画面で見ているのも、
 すべて人間がつくったものばかりです
 (自然を撮った写真も人工の画像としてそこにあります)。
 いつも意識はしていませんが、
 目に入るものが人工的なものばかりだと、
 「世界は人がつくったものばかりだ」と
 思いこみやすいのではないでしょうかしらん。
 ちがうのにね!人間がつくったもののほうが、
 自然全体からしたらすっごく少ないのにねー。
 東京のいいところはたくさん思いつくけれど、
 ずっとそこにいるのはだめだなぁとも考えるのです。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ぼくは自然派じゃないんですが、目が自然を望んでいます。


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