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【5766】JOPPARI Legacy 特別純米(じょっぱり)

2025年02月09日 11時45分
青森県弘前市 六花酒造
青森県弘前市 六花酒造

【B居酒屋にて 全4回の②】

 週末、久しぶりにB居酒屋へ。ここでは2カ月に1回、異業種間唎酒会を開いているが、単騎で暖簾をくぐるのは半年ぶりくらいだ。カウンターのいつもの席に陣取り、最初にいただいたのは「乾坤一 純米 愛国」、続いて飲んだのは「JOPPARI Legacy 特別純米」だった。

 実に懐かしいラベルだ。まさしく帰って来たラベルだ。当連載ではこれまで、「じょっぱり」を7種類取り上げている。

 六花酒造は長く、青森県弘前市北部の広い敷地に大規模な蔵を構えていた。しかし、ダウンサイジングして蔵を弘前市西部の岩木山麓に移転。これに伴い、それまでの主銘柄「じょっぱり」から新しい銘柄「杜來」(とらい)に切り替えた。蔵の移転に伴い、銘柄名をすぱっと切り替えるのは、全国でもあまり例をみない。「じょっぱり」に慣れ親しんできた飲み手に与えた衝撃は大きかった。

 このため、「じょっぱり」の復活を望む声が途切れることなく続き、蔵も要望を受けて2年ぶりに「じょっぱり」銘柄を復活させたのだった。ただ、ラベルは同じでも中身が違う。以前、この赤ラベルは本醸造に使われていた。今回は特別純米だ。さて、いただいてみる。

 香りは、果実香ほのか。さらり、すっきり軽快な口当たり。綺麗でキレも良い。おおっ、あのややどっしりした「じょっぱり」はどこに行った? まるで真逆の酒質じゃないか。でも、これはこれで良い。かなりモダンタイプに寄った味わいにびっくり。ジューシーで甘旨酸っぱい味わいの中で、酸が良く出ており、余韻も軽い酸と苦み。

 このように飲み始めはモダンタイプ寄りか、とおもっていたが、飲み進め口が慣れてきたら、次第にクラシックタイプの顔をしてきた。おもわず2杯目を所望、香味を確認する。飲むほどにさらりとした口当たり。次第に甘旨みは奥に引っ込み、やがて辛みと酸が味の主要因へと変わっていく。う~ん、ラベルは同じでも中身はまったく違う“新旧じょっぱり”だった。これをどう受け止めればいいのか。おそらく、あの昭和的な香味の「じょっぱり」が進化した結果、今回の洗練された「じょっぱり」に生まれ変わった(reborn)、とみるのが妥当だろう。

 カテゴリー分けをするならば、モダンニュアンスのあるクラシックタイプの、ライトボディー酒。あるいは爽酒。あるいは淡麗酸辛酒。

 ラベルのスペック表示は「「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合60%、アルコール分15度、製造年月2024.11」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 酒名「じょっぱり」の由来について、リニューアル前の蔵のホームページは、以下のように説明していた。

「じょっぱりとは、津軽弁で『意地っ張り』『頑固者』を意味する言葉。その由来は、淡麗辛口というじょっぱりの味わいそのものにあります。じょっぱりが生まれたのは昭和40年代。当時の東北の地酒は、濃厚で甘口な味わいの酒が主流でした。そんな世間の流れに背を向けて、どこの酒にも似ていない、六花酒造ならではの酒を造りたいという、意地っ張りで頑固な想いから生まれたのが、辛口の酒、じょっぱりだったのです」

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