【5790】賀茂鶴 純米吟醸(かもつる)

【A居酒屋にて 全8回の④】
前回、酒友3人で入ったA居酒屋が、定番酒(全国に名が知られた地酒や、その土地の酒)以外のお酒の種類が極めて豊富なので、とても気に入った。で、2カ月後、再び3人でA居酒屋の暖簾をくぐった。
「MIYASAKA」「神雷」「安芸虎」と飲み進め、次にいただいたのは「賀茂鶴 純米吟醸」だった。当連載でこれまで、「賀茂鶴」を5種類取り上げている。スタンダードな純米吟醸をまだ取り上げていなかったとはびっくり。さて、いただいてみる。
酒蛙「香りやや華やか。ファーストアタックは『甘いっ!』。 甘いけど、さらりとした口当たりで、キレが良い」
F 「これは、これで良い」
Y 「わら焼きあぶりタコと合う」
F 「旨みがある」
酒蛙「旨みと酸が良く出ている。この鼻に抜ける個性的な香りは何だろう???」
Y 「何だろう???」
F 「面白い。後から来ますね」
酒蛙「後味の辛みが良いな。ファーストアタックは甘だったが、飲み進めると次第に酸や辛みにシフトし、やがて辛みが味の主要素になる」
F 「けっこう主張しているお酒です」
酒蛙「カテゴリー分けをすれば、クラシックタイプの、ミディアムボディー酒。あるいは醇酒。あるいは、やや濃醇旨辛酒」
蔵のホームページはこのお酒を以下のように紹介している。
「芳醇な旨味とふくよかな香りが特徴です。 お米の本来の旨味を感じられる造りとなっております。冷酒あるいはぬる燗までの幅広い温度帯にてお楽しみください」
また、瓶の裏ラベルは「ふくよかな香り 米の旨味を感じる純米吟醸酒」と紹介している。
裏ラベルのスペック表示は「甘辛度=辛口、おすすめの飲み方=◎冷やして ○常温 ぬる燗、アルコール分 16度以上17度未満、原材料名 米(広島県産)米こうじ(広島県産米)、精米歩合60%、原料米 酒造好適米100%、製造年月24.10」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。
酒名・蔵名の「賀茂鶴」の由来についてコトバンクは「酒名は、地名の『賀茂』を『醸す』にかけて、瑞鳥『鶴』と合わせて命名」と説明している。蔵のホームページの年表によると、1873年(明治6年)、木村和平が酒銘を「賀茂鶴」と命名とのこと。























