ヨルダン川西岸、大規模攻撃続く 戦車も投入「終わり見えない」

2025年03月06日 16時48分
パレスチナ自治区ガザの停戦発効後、イスラエル軍が自治区ヨルダン川西岸で1カ月以上、大規模攻撃を続けている。武装勢力掃討が名目だが、国連は「2000年代初め以降、最長の作戦」として民間の被害拡大を懸念する。イスラエル政府は軍に対し、今後1年は西岸にとどまるよう指示。北部ジェニンで戦車も投入した。市民は「終わりが見えない」と嘆く。
ジェニンには2月23日、戦車が展開された。西岸への戦車投入は00年代初めの反イスラエル闘争以来。米メディアは「イスラエル軍が歩兵隊や空爆では不十分だと判断した」と伝えた。
イスラエル軍はガザの停戦開始2日後の1月21日以降、ジェニンなど西岸での攻勢を強化した。ガザ停戦に強く反対した極右政党に対するネタニヤフ首相の配慮が背景にあるとされる。ジェニンのキャンプにはイスラム組織ハマスなどの拠点があるとみられている。
パレスチナ通信によると、ジェニンでは1カ月超で28人が死亡、数十人が負傷した。国連によれば、西岸で約4万人が自宅から避難を強いられている。(ジェニン共同)