【ソウル、北京共同】韓国の聯合ニュースは13日、北朝鮮の貨物船が2月下旬、黄海上で中国船と衝突して沈没し、北朝鮮側の船員15～20人が死亡したとみられると報じた。消息筋の話としている。国連安全保障理事会の北朝鮮制裁が禁じた石炭輸出を図った疑いがあるという。

　北朝鮮船は衝突の際、濃霧で視界が悪い中、位置情報などを発信する船舶自動識別装置（AIS）を切った状態で航行していた。制裁逃れのためとみられ、中国船が接近に気付けず衝突につながった可能性があるという。

　中国外務省の毛寧報道局長は13日の記者会見で、報道について確認せず「中国は一貫して法律と規則に従って外国や海上に関する事案に対処している」と説明した。「人道主義の原則と国際慣例に基づいて海上のトラブルや救助に当たっている」と述べた。

　聯合によると、消息筋や専門家は中国側も制裁違反を黙認するか、取り締まりを徹底できていないと説明。消息筋は「中国側にも頭の痛い問題のため、事故を公表していない」との見方を示した。