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土 木 学 会 論 文 集No. [特 737/IV‑60, 47‑55, 2003. 7 集] 自動車利用抑制の直接要請による自動車 利用 削減効果に 関する研究 高 山 純 一1・ 中 山 晶 一 朗2・ 桶 川 真 美3・ 青 野 祐 也4 1正会員 工博 金 沢大 学工 学部 土木 建設工 学科 ・ 教授(〒920 ‑8667金 沢 市小 立野2・40.20) 2正会員 博(工)金 沢大学 工 学部 土木建設 工学 科 ・ 助手(〒920 ‑8667金 沢 市小 立野240‑20) 3(株)日本パ ー ツセンター(〒920 ‑0211金 沢 市湊3‑12‑3 4愛媛 県(〒790 ‑8570松 山市 一番 町4‑4‑2) 本 研究 で は, 人 々 に直接 自動 車利 用 を抑 制 す るように訴 えることによって 自動車利 用 が減少 するのかを検討 ずるた め に, 主婦 ・ 会社 員の一般 の被 験者 および学 生の被験 者 に 自動車利 用抑 制を要 請し, パネル 的 なア ンケー ト調査 によ り, 自動 車利用 の変 化 を調 査 した, 統 計 的検 定の結果 から, 要請 により,一般 の被 験者 は 自動 車利用 を抑制 する傾 向 があ り,特 に 主婦 は有 意 に 自動 車利 用 を抑 制す ることが分か った. しか レ,学 生 は要請 によっては 自動車利 用 を抑 制 す る傾 向は 見 られ ず, 個人 属性 により要請 に効 果があるのかが異なる結 果となった. 元 々環境 意識 が 高かった被験者 と低 かった被 験者 に分 類 し, 検 定 を行 った結 果, 元 々 高かった被 験者 はそれ 以上 環境 意識 を向上させ, 自動 車利 用 を減 少させ ることは難 しく,む しろ, 元 々 は低か った人 の方が環 境意識 の 向上 ・ 自動車 利用 の抑 制が 見られた, Key Words:change of travel behavior,reductionof auto use, environmentalattitude, TDM 1. は じめ に ろうと考 えられ る. 関連 する研 究として, これまで, オースト ラリアで のトラベル ・ ブ レンディング1),ドイツのインディビジ ュアライズド・ マーケティング2), また, 国内においても, 谷 自動車 の普及は人 々の生活を非常 に便利 なもの にして い る. しかし, 慢 性 的な交通混 雑や 環境 の悪 化な ど様 々 白ら3),4)の トラベ ル ・ フィード・ バ ックの適 用事例, 藤井5)の な 問題 を引き起こす原 因ともなっている. これらの対策 は 行動 プラン法, 自転車違 法駐輪 問題 に関しては, 藤井ら6) の 依頼 法 の研 究 が行 われ ている. トラベル ・ ブ レンデ ィン これまでも行 われ てお り,近 年でも,交通需 要マネジメント (TDM)を 始 めとして, 多くの交通 施 策が行 われ てきてい る. グはモニター に1週 間の交 通行動 のダイアリーを記録 して これ まで, 交通 需要マネ ジメントとしてのパ ークアンドラ イド,公 共 交通 の利 便性 の向上 など様 々な施策 によって 交 通利 用 など環 境負 荷 の小さいトリップ へ移 行できるよう に, 具 体的 にアドバイスす るものである.インディビジュア 人 々 の行動 を変化 させ たり,また, 道 路新設 ・ 拡幅 など交 ライズド・ マ ー ケティングは, 自動 車か ら公 共交通 へ の転 通 容 量の増 大などで 交通 問題 の解 決 を図 ってきている. しか し, これ らの施策 は, ハー ドや 制度 の整備 を伴 うもの 換 に興 味 があるの かな どを尋 ね, 興 味がある人 には, 電 もらい, その1週 間の交通行 動を分 析し, 自動車から公 共 話もしくは訪 問 により公 共交通 に関す る情報を提 供すると であり,財 政 的問題, 法的 問題, 合意 形成 の困難さなどの ともに, 無料 チケットを配 布す る. 実 際に公 共交 通を利 用 ため, その実施 は容 易 ではないことが多 い. したがって, している人 には情 報提供 の みを行う.このようにトラベル ・ ブ レンデ ィングやインデイビジュアライズド・ マー ケティング 思 うようにはそれ らの施策 を実施 す ることが 出来 ない状況 であると言えよう. によって, 人 々 に情報 を提 供 した り,アドバ イスを行 ったり この ようにハ ー ドや 制 度 の整 備 を伴 う交 通政策 の実施 す るだ けで, 公 共 交通 の利 用が 増加 した り,自動 車利用 が 困難な状況下で は, 人 々に直接訴 えか けて交通行動 を が減 少したりすることが報 告 され ている.また, 行 動プラン 変 更してもらい, 自動 車利用 を縮 減 してもらうことも,交 通 法 は 自分 の行 動をあらか じめ計画 することによって, その 問題 の一 つの解 決策として, 再度考 慮することも重要であ 実効 性 を高 めようとす るものであり,依頼法 は文字通 り,依 47 頼によって行 動変容 を促 すものである. しか し,トラベル ・ ブレンディングのように個 々 人のダイ アリー ・ デー タを分 析 し,その人 に適合 した交通行 動のア ドバイスを行 うことには多大な労力 と費 用が必 要となる. ま た, インデ ィビジュアライズド・ マー ケティングの公 共交通 機 関の無料チケットの配布もそれ ほど容 易 に実施 すること が 出来 ない場 合 が多 い と考 えられ る.行 動 プラン法も被 験者 にい くらかの負 担を課 すものであり,最も容 易に行う ことができるのは依頼 法と考えられる. 本 研 究で は, 人々 に 自動 車利 用抑 制を直接 訴 えか け ることよってそ の利用 を抑 制 してもらうことが出来るのかを 考察 することを 目的 とし, 自動 車利用抑 制を依 頼 ・ 要請す るだけで, 本 当に 自動 車利 用が抑 制され るのか を検証す る.本研 究 は, 依頼 法 による 自動 車利 用 抑制 効果を調査 するものと位置 づけられる7). なお, 自動車利 用抑制 の要 図‑1 調 査概 要 請 は次 節で述 べ る緑 化フェア時 に行 うものであり,緑化 フ ェアでの 交通混 雑解 消 の意味 を含 んでお り,通常 の期間 般 の被 験者, あるいは 一般)を2つ のグルー プに分 け, 第 よりも要 請の効 果が高い と考 えられる. したがって, 緑 化フ ェアという都 心 大規模 イベ ント開催 期 間 中に調 査す ること により,単なる依頼 ・ 要請 だけでも, 自動 車利用を抑制でき るのか, それ とも緑化 フェアとい う特別 な事情 がなけれ ば きるだけ公 共 交通(もしくは 自転 車や徒歩)を利用 すること を, 第2回 の アンケートの配布 時 に要請 した. また, 同時 に環境 問題 から自動 車利用 を抑 制することも要請した. そ 自動車 利 用は 抑 制され ない のか, などを検討 す ることが して,第2の グル ープ には何も要請 を行わなかった. この 可能 となると考えられる.検 証は, 被験者 に実 際に 自動 車 利用 抑制 を要請し, 回答してもらった交 通行動 を分析す る ことによって, 自動 車利用 が減 少したのか どうかを統計的 に検定することによって行 う. 2調 1の グル ープ には, 全 国都 市緑化 フェアが開催 され, 中心 市街 地の 交通混 雑が予想 されるため, 中心市街地 へはで ような何も要請 しな いグル ープを設 けたことは, それと要 請したグル ープ と比較 す ることにより,要請 が本 当に効果 があったのかを比較 検討 しや す くす るためである.なお, 出来る限り客観 的 に, 全員 に等 しく要請を行 えるように, 要 請は書 面にて行 い, 同 時に環 境 問題 を喚起す る内容も付 した. なお, 要請の 文面は付録1に 記載 している. 査概要 学生の被験者 は3つ のグルー プに分けた. 第1の グル ー プには一般の第1の グル ープと同様 に 自動車利用 を抑 金 沢 大学 の学 生 及 び金 沢 市在住 の 主婦 と会社 員か ら 構成 される一般の人 の2種 類の被験 者を対象 に, 「 第18 制す るように要 請し,第2の 回全 国都 市緑化 い しか わフェア」の 期 間中及 びその前後 の計3回 アンケート調査 を行った. なお, 全 国都 市緑化フ 量 を計算 してもらった. CO2排 出量計 算は 単純 に一週 間 で増加 したオ ドメー タ数 に定 数を掛 けるのみ である.第3 のグループ は 自動 車利用 の抑制及びCO2排 出量計算 の ェアは金沢 市の中心 市街 地 にある金沢城 公園で, 平成13 年9月8日 から11月11日 グル ープ には 自動車利用 抑 制の要請 は行わなかったが, 自動車利用 で排 出したCO2 まで開催 された. 両方とも要請 しなかった. 緑化フェア会 場 は金 沢の 中心市街 地 に位 置し,その期 間 中, 中心 市街 地 の一層 の 交通 混雑 が予想 され, い くら アンケー ト調査 の項 目は, 基本 的 に, こちらで指定した 一週 間の 交通 行 動, 一週 間 の 自動車 走行 距離, 環境 問 か の市街 地の住民もそれを危 惧していると思 われる.その 題 等 への 意識 で ある. 一週 間の交通行 動及 び 自動 車走 ため, 緑化 フェア期 間 中の 自動車利 用の抑 制の要請 は普 行距離 につい ては, 第1回 か ら第3回 まで毎 回尋ねてい 段 よりも行 いや す い と考 えられ る.そ のような状 況の 中で る. 学生の被 験者 に対 しては, 一週 間の行動 をダイアリー あるため, 本研 究では, 市街 地 に居 住地もしくは勤務 地が 形式 で回答 してもらい, 一般 の被 験者 には回 答労力 を軽 ある主 婦及 び会社 員 で構成 される一般 の被験者 と居住 地 減す るため に一 週 間の 自動 車, バス, 電 車, 自転 車の利 および 通学地(金 沢大学)が 市街 地 にない学生 の2種 類 の被験者 を対 象 とする. 前 者 は緑化 フェアがあることの影 用回数 を回答 してもらった. また, 環境 問題へ の意識を尋 ねるアンケートは第1回 と第3回 の み行った. 環境意 識調 響 をより多く受 けていると考えられる. 査 では, 自動車 を利 用しなくても良い場 合はなるべく使わ 主婦及 び会 社員 で構 成 され る一般 の被験 者(以 下, 一 ない, 電気 のスイッチ をこまめに消す, 地球温暖化 問題の 48 図‑2 一 般 の要 請 有無 別 の 自動 車 走行 距 離 の 変化 図‑3 一 般 の要 請 有 無 別 の 自動 車 利 用 回数 の変 化 図‑4 図‑5 主婦 の要 請 有 無別 の 自動 車走 行 距 離 の変 化 表‑1 深刻度な どを尋 ねている(詳細 は付録2参 照). 65名 の一 主 婦 の要 請 有 無別 の 自動 車 利 用 回数 の変化 主 婦 の要 請 有 無別 の 自動 車利 用 回数 比 較 の検 定 結 果 般の被験者 のうち最後まで回答したのは31名 であった. また, 自動 車を所 有してお り,か っ, 最 後まで回答 した学 生の被験者 数は151名 中54名 であった. また, 各グルー プの最終 的な人 数は図一1の通 りである. *:p<0 .1, **:p<0‑05, ***: p<0‑01 3. 検 定結 果 ループで は第2回 目の 自動 車利用 が大きく減少 している ことが分かる. しかし, 第3回 目では, おおよそ元 に戻って (1)要 請 の有無 による比較 前 節 で述 べ たが, 一般の被 験者 には 自動 車利 用抑制 いる. 一 方, 要請 なしグル ープ はそれ ほど大 きな変 化は を要請 したグル ープ(協 力要請 有 りグル ー プ)としなかっ 見 られない. 要 請ありグル ープ は, 全 国都市 緑化フェアの たグルー プ(協力 要請なしグルー プ)の2つ がある.学生 の被 験 者 には 自動車利 用抑 制要 請グルー プ, CO2排 出 ため, 自動 車利用 を控えるように要請され たために, その 量 計算 要 請グル ー プ, 無 要請グル ープ がある. これらの 戻ってしまったと推 測 される. この調 査で は, サンプ ル数 グループ 間で, 自動車利用回数, 自動 車走行 距離 に変化 が少 ないため, 統 計 的検 定を行 ったが, このような変化は が あったのか を調 べ る. なお, 一般 の場合 は, 自動車利 有意 ではなかった(紙 面の都合 上, 検 定結果 は省略す る). 用 回数 ・自動 車走 行距離でグル ープ 間の違いはなかった 次 に, 一般 の被験者 のうち, 自由 目的のトリップが多く,自 が, 学 生の場 合 はグル ープ 間で違 いが見 られ た. 学生 を 動 車利 用 を抑 制 しや す い と考 えられ る主婦 のみ を取 り出 グルー プ に分 ける際, 何 らか の問題があったと考えられる. し, 各 グル ー プ の 自動 車走 行 距離及 び 自動 車利用 回数 次節3.(2)で述 べる元 々環境 問題 への意識 の違い によるグ ル ープ化 で は, 一般, 学 生ともにグル ー プ問 での違 いは の推移 を比較 した. それ らが 図‑4, 図一5で あり,その 自動 期 間 は 自動車 利用 を抑 制 したが, それが 終わると,元 に 車利 用 回数 に関す る検 定結果 が表一1で ある.ここで, 表 ‑1は, 第2回 と第1回 の 自動車利 用回 数の増減をグルー なかった. プ 間で差 があるのかを検 定したものと第3回 と第1回 の 自 図一2は 一般 の被 験者 に対す る各 グルー プの 自動 車走 行 距離の推移 であり,図‑3は 一般 の各グル ープの 自動車 動 車利 用 回数の増減 をグル ー プ 間で検 定したものである. このように単純 に要請 グル ープ 内で第1回 と第2回 を比較 利 用回数 の推 移である. 図一2及び 図‑3ともに, 要請ありグ 49 ‑●‑協 図‑6 力 要 請 あり 噺 協 力 要請 な し 一●一 協 力要 請 あ り 一 般 の要 請 有 無別 の環 境 意識 変化 図‑7 表‑2 一 般 の 要請 有 無 別 の環 境 意 識 変 化 の検 定 結 果 *: pく0 ‑1, **: p<0‑05, ***: 表‑3主 一雛一 協 力 要講 なし 主 婦 の要 請 有無 別 の環 境 意 識 変化 婦 の 要請 有 無 別 の環 境 意識 変化 の検 定 結 果 *:p<0. 1, **:p<0. 05, ***: p<0. 01 p<0‑Ol 図‑8 学 生 の 要請 有 無 別 の 自動 車 走 行 距 離 の変 化 図‑9 学 生 の 要請 有 無 別 の 自動 車利 用 回数 の変 化 して, 自動 車利 用が増加 したのか, 減少 したのか, を検定 は, 第2回 目には尋 ねていないた め, 第1回 と第3回 の せ ず に, グル ープ 間で第1回 と第2回 との増 減を検 定した み掲 載 している. ここで, 図 に掲 載した環境意識 は, 環境 理 由は, 季節 の変 化な どグル ー プに 関わらず等 しく影 響 問題 に対す る意識 を問う設 問の 回答を因子分析を行 って す る要 因を相殺 す るためである, 以 下の検 定でも同様 の 得 られた各被 験者 の得 点(スコア)である. 検定結果か ら, 観 点 により,グルー プ 間での検 定 を行っている. また, 表 一1の検定を含 め, 全 ての検定で, 分散 に関す るF検 定を 第3回 で は, 利 用抑制 を要請 した被 験者は, 要請しなか った被験 者 に比べ て, 一般及 びそ の一部の 主婦ともに有 行った上で, t検 定 を行 っている. また, 検 定は両側 で行 意水準 α1で はあるが, 有意 に環 境へ の意識 を向上 させ っている. しかし, 紙 面の都 合上, F検 定は省 略する.表 ‑1は, 緑化フェア期間 中, 協力 を要請 された 主婦 はされ 境 問題 のため 自動車利 用 の抑制 を要 請す ることによって, ている.このことは, 第2回 目に全 国都 市緑化フェアや 環 なか った主婦 よりも有意 水準0. 1で 有意 に 自動 車利用回 環境 問題 へ の意識 が 向上したことを示唆していると考えら 数を抑制 したことを示 している. なお, 主婦以 外の一般 に れ る. ただ し,前段 落 で述 べたように, 実 際の行動 では, 被験者(会 社 員)で は, 主婦 のような有 意な結 果は 得られ なか った. 既 に触 れたように, 自由 目的のトリップ の多い, 第2回 では 自動 車利 用 を抑制したが, 第3回 では おおよ 主婦の方が 自動車利用 抑制 をしや す い傾向 が伺 える. まったもの の, 緑 化フェアの 終了後もその 自動車利 用抑 図一6及 び 図‑7は, それぞれ 一般 の被 験者及 びそのう ち主婦 のみ取 り出したものの第1回 と第3回 目の環境 意識 制 を維 持す るまで に は至 ってい なか ったものと推測 され の変化 を示 したものであり,表‑2及 び表‑3は それ らのf 図‑8は 学 生の各グループ の 自動車走行 距離の推移を 示 したものであり,図一9は 一般 の各 グルー プの 自動車利 そ 元 に戻 っていた. 要請 により,環境 問題 へ の意識 は 高 る. 検 定 の結 果 である。既 に述 べたように環境 意識 に 関して 50 図‑10 ‑●‑意 識の 高 いグ ル‑プ ‑●‑意 識 の 高 いグル■ プ ‑■‑意 識の 低 いグ ル‑プ ‑■‑意 識 の 低 いグル‑プ 図‑11 元 々 の環 境 意識 の高低 別 にみ た一 般 の 環 境 意識 の変化 元 々の 環 境 意識 の高 低 別 にみ た主 婦 の 環 境 意 識 の 変化 用 回数 の推移 である.これ らの 図か ら,学生は協 力を要請 (2)環境意識 の高低 による比較 しても, あまり効 果がなかったことが 分かる. その理 由とし 一般及 び 学生 の被 験者 をそれ ぞれ 元 々環境 問題 への ては, 大学が緑 化フェア会場 のある中心 市街 地か ら離れ 意識 の高か ったグルー プ と低か ったグルー プ に分 け, そ た場所 にあり,自動 車利用 を抑 制す るインセンティブを持 れぞれ の グル ー プにより自動 車利 用 に違い があるのか, ちにくかったことなどが挙 げられ る.なお, 図一8で は, 3 等を検討 する.まず, 第1回 回 目の 自動車利 用回数 が減 少しているが, 3つ のグルー 得点 の平均 を出 し,それよりも高 いグル ープと低 いグル ー プに分 けた. なお, 本 来な らばこのような元々の環境 意識 プ全 ての傾 向であり,自動 車利 用 自粛 要請の影 響というよ り,その期間 に実施 された中間試験 の影響 と思われる. 目の環境 意識 に対する因子 と協力 要請 の2要 因で分散 分析 をすべ きであるが, サン プル 数が少ないため, 通常のt検 定 を行うことにした. 以上 のように, 一般 の人か, 学 生か, により自動車 利用 抑 制 への要 請に効 果があるのか, どうか, が大きく異なる 図一10,図一11および 図一12は, 元 々の環境意識 の高低 結 果となった. 主婦 につ いては, 第2回 には 自動車利用 を削減 してお り,自動 車利 用抑制 の要 請 は効果 が全 くな 別 にみ た一般, その一部 の主婦, 学生 の環境意識 に対す る変化 を示したものであり,表一4,表一5,表‑6は そのグル ープ 間でのt検 定結 果である‑ い 訳で はない ことも分 かった. しかし, 属性 によって効果 の有 無が異なるとともに, 持続 す るか どうか には疑 問の余 図‑1○,図‑11, 図‑12か ら,一般, 主婦, 学生ともに, 第 1回 目には環境 意識 が低 かった被 験者 は第3回 目には環 地 があることが示唆され たと考えられる. 境意 識 を向上 させ ている. 逆 に, 環境 意識 が高 かった人 表‑4 図‑12 ‑●‑意 識 の 高 い グ ル‑プ ‑■‑意 識 の低 いグループ 元 々の環 境 意 誰 の高 低 別 にみ た *: p<0 元 々の 環境 意識 の 高 低別 にみ た 一 般 の 環境 意 識 変 化 の検 定結 果 ‑1, **=pく0. 05, ***: p<0, 01 学生 の環 境 意 誠 の変 化 表‑5 元 々の環 境 意 識 の高 低 別 にみ た 主婦 の環 境 意 識 変化 の 検 定 結 果 表‑6 *:p<0. 1, **:p<0. 05, ***: p<0. 01 元 々 の環 境 意識 の 高 低 別 にみ た 学生 の環 境 意識 変 化 の検 定 結 果 *:p<0. 1, **:p<0. 05, ***: p<0. 01 51 図‑13 元 々 の環 境 意 識 の高 低 別 に みた 一 般 の 走行 距 離 の変 化 図‑14 元 々 の環 境 意識 の高低 別 にみた 一 般 の 自動 車利 用 回数 変化 は意 識を低下 させ ている.低 下の原因 は, 明らかではなく, 回数である. 図一15では, 第1回 憶測 の域を出ない が, 寒 さの厳しい期 間に入り,快適な生 低かった人の 自動 車走行 距離 は高 かった人よりも長 かっ ではもともと環境 意識の 活のため には環境 問題 への優 先度 が低 下したことが原因 たが, 第2回, 第3回 には逆転 し,元 々意識の低かった学 では ないか と推 測す ることが可 能 である.そ して, 表一4, 生の 方が 走行 距 離 が短くなっている. 意識 の高かったグ 表一5,表一6から元 々環境意識 の低かったグルー プは高か ったグル ー プよりも有意 に環 境意 識を向 上させ ていること ル ープは 自動車利 用を第2回 目には増大させ ている. こ が分かる. 元 々環境 意識 の高かった人 は, 元々環境 意識 れ は, 気候 が悪 くなるため, 自動 車利用 が増加 する傾 向 が表 れたため と考 えられる(なお, この傾 向は有意ではな が高かったがゆえ に,あまり環 境意識 が向 上しにくい一方, い). しかし,第3回 元 々は 環境 意識 が低か った人は 環境 問題 に関 して訴え 響 で, 学生 は全体 的 に 自動 車利 用が減 少 している.ただ 目は既 に述べ たように中間試験 の影 れ ば 環境 意識 を向 上させ る余 地があることを示 していると し,検定結 果か らは, 元 々環境 意識 の低か った学生 が高 考 えられ る.この検 定結 果 は, 天井効果も含 まれ, 若 干の かった学生よりも走行 距離を減 少させ たとまでは言 えなか 問題 はあるものの, 妥 当な結 果と思 われる. った. 図一16では, もともと環境 意識の低 かった学 生は第2 次 に, 元 々の環 境意 識 の高低 別 にみ た 自動 車利用変 回 には大きく自動車利 用回数 を減 らしている.表一7は, グ ループ 間での学 生の 自動 車利 用回数 のt検 定結果 である‑ 化 を見 てみよう.図‑13は 各 回の 一般 の 自動 車走行距離 であり,図‑14は 一般 の 自動車 利用 回数である.なお, グ この表か ら,もともと環 境意識 の低かった学生は第2回 目 ル ー プ 間で走 行 距離 ・自動 車利 用 回数 に有 意な違い は には有意水 準0. 1で はあるが, 有 意に 自動 車利 用回数 を なかった. これ らの 図から,元 々環境意 識の低かった人 は 減らしたことが分かる. しか し,第3回 で は有意ではなく, 自動車利 用抑制 効果が逓減 していると思われる, 第2回 目には 自動 車利用を抑制 はしているが, その抑制 量 は元 々環境 意識の 高かった人よりも大きいとは言 いにく 以 上の ように主 婦を含 め, 一般 の被験 者及 び学 生とも に, 元 々環境 への意識 が低かった人は環境 問題等を訴 え く, 検定の結果 でもそれ を示す ことは 出来なかった. つま り,一般 に関しては, 元 々環境意識 が 高か ったのか, 低か ったのか は 自動 車利用抑 制にあまり影響 していないように られた り,提起 され たりす ると,高か った人よりも環境 へ の 思われる. や交通 問題 の意識 が低 い人たちにこそ, 環境問題や 交通 図‑15は, もともとの環境 意識の 高低別 にみた各回の学 生の 自動車 走行 距離 であり,図‑16は 学生の 自動車利 用 問題を訴え, 問題 提 起す ることが重 要であることを示唆 し ていると考 えられる. 単純 な広告, 広 報, キャンペ ー ンで 図‑15 意識を向上 させ る傾 向が 見られ た. このことは, 環境 意識 元 々の 環境 意 識 の高 低別 にみ た 学 生 の 自動 車 走行 距 離 の 変化 図‑16 元 々 の環 境 意識 の高低 別 にみた 学 生 の 自動 車利 用 回数 変 化 52 表‑7 元 々 の環 境 意識 の 高低 別 に みた学 生 の 自動 車利 用 回数 変 化 の検 定 第1回 目の調査 で環境意識 が 高か った被 験者(元 々環 境意 識 が高 かった被 験者)と低 かった被験 者(元 々環境 意識 が低 か った被 験 者)に 分類 し, 検 定 を行 った結果, 元 々環境 意識 の 高かった被 験者 は それ以 上環境 意識 を 向上させ, 自動 車利 用を減 少させ ることは難 しく,むしろ, 元々環 境意 識が低 かった人の方 が環境 意識 を向上させ, 自動車利用 を抑制す ることが分かった. *:p<0. 1, **:p<0. 05, ***: p<0. 01 以上 のように, 個 人属性 が主 婦や 会社 員 というような一 般 の人か, 学 生か, や 元 々環 境意 識 が高か ったのか, 低 は, 環境 意 識 の低 い人 はそれを見逃 しがちであるため, か ったのか, によって, 自動 車利 用抑 制の 要請 の効果 が その ような人に訴 えるため には様 々な工夫 が必 要 となろう. 大 きく異 なってお り, 自動 車 利用 を抑 制す るように訴えか また, 元 々の環 境意識の低 い被験 者は, 環境 意識 の向上 けても全 ての人 に等しく効 果 があるのではない と考えられ に伴 い, 学生 では 自動 車利 用が減少 することがあることが 見て取 れたが, 一般の被験 者には統計 的な観 点か らはそ こまでは 見られ なか った. 行動 自体も変 化させ るためには る. しか し, 効果 がある人 々も存 在 す るため, どのような より大きな意識 変化が必 要であると考 えられる. 車抑 制 を訴 えることにはいくらか の効 果 があると考 えられ 人 々に訴 えれ ばよいのかを十分 に検 討す るならば, 自動 る. 本稿 ではサ ンプル 数 が小さいこともあり,十分 に検定で 4‑お わ りに きなかった 面がある.今後, 大サンプル により,得 られた知 見の検 証 が必 要 と考 えられる. また, 上 で述 べたように, 訴 えることによって 自動車利 用が抑 制す るのか, どうか, を 本研 究で は, 人 々に直接 自動 車利 用 を抑 制す るように 属 性や 様 々な環境 要 因によって効 果 が異なることが分 か ったが, 今後, 自動 車抑制 依頼 ・ 要請 に効果がある属性 の 検 討す るため に, 主婦 ・会社員 の一般 の被 験者 および 学 を特定す ること,環境 要因の把握 を詳細 に検討 することが 生 の被 験者 に 自動 車利用 抑制 を要請 し,アンケート調 査 必 要であると考えられる. により自動 車利 用 を調査 した. 調査 は金 沢 市で 開催 され た全国都 市緑化フェアの期 間前, 期 間 中, 期 間後の3回 行った. また, 要 請 に際しては, 全 国都市 緑化フェアで市 付録1 一般 の被験者 および 学生の被験 者で若 干の違いはある 内が 混雑す るため, 中心 市街 地へ の 自動車で の乗 り入れ が, 要請 文 はともにほ ぼ以 下の通 りである‑なお, フォント を抑 制 するように要請す るとともに, 環境 問題 の観 点から やその大きさ等 は実 際に配布したものと異なっている. も 自動 車利用 を抑制するように要請した. 以 下の文 章(『』内 の文章)が1枚 の用 紙 に記載 されたも のを第2回 アンケー ト配布 時 に配布 した. 一般 の被験 者は, 緑化フェア中は 自動車 利用を抑制す る傾 向があり,特 に主婦は有意 に 自動 車利用 を抑制 した. 『金沢 市で は、年 々 自動車 交通 量が増 えつ づけ 、特に 中 会社 員 よりも主 婦の 方が 自由 目的のトリップ が多く,交通 心市街 地 では交通 混 雑が慢性 化 しています 。このまま自 行 動 を変更 しや す いことなどが考えられる. しかし, 学生 動 車が増 加す ると、道 路整備 を上回る自動 車交通 が発 生 は要 請す ることによって 自動車利 用 を抑制 す る傾 向は見 し混 雑が激 化す ることが想 定され ます 。また、自動 車の増 られ なかった. 学生の 居住 地, 通 学 地(大 学)は 緑化 フェ 加 は 大気 汚 染や 騒 音 ・ 振 動等 の都 市環境 へ 悪影 響を及 アの 開催地 から離れ, 緑化 フェアによる混雑 とあまり関係 ぼ す とともに、地球 温 暖化 の 原 因となる二酸 化炭 素の発 が ないことが一 つの 理 由と考えられ る.このように個人 属 生 量を増加 させます 。 性 や 緑化 フェアが 関連す るのかどうか など様 々な要 因に こうした 問題 を解決 す るた め、私 たちは 自動車 交通だけ よって自動車利 用抑 制の要 請が効 果があるのか, どうか, に頼 るので はなく、時と場合 によっては公 共交通を利 用す が 大きく異 なる結果 となった. このことは, 自動 車抑制を要 るなど交通 手段の 賢い選択をしていく必 要があります。 請 した としても, 人 々 に一律 に効果 があるのではな く,ま ぜ ひ この機会 に 自動車利 用 を考 え直し、環境配 慮行動 た, そ の時 々の状況 によっても異なることを意 味してお り, にご協力 下さいます ようお願 い致します。』 自動 車抑制 を要請 にはそれらを勘 案して実施 する必要 が 環境 問題 を提起す るため に, 第2回 目のアンケート冊子 あることを示 唆している. に以 下の文章が挿入 され ている. なお, 以 下の文 章(『』内 53 の文 章)は2ペ ージにわたって書かれ ている. わない, 3)急 激な加速 をせず, スムー スな運転 を心がけ 『地球温暖化 の原 因 となるのはフロンや 二酸化炭 素などの る,4)自 動車 に無 駄な荷物を積 まない, 4)電 気のスイッ 温 室効果 ガスであり、その うち地球 に影 響のある排 出は、 チ をこまめ に消す, 5)冷 暖房 は弱 めにコントロー ル し, その ほとんどが人為 的なものです 。そして、日本の二酸化 っ けっぱなしにしない, 6)節 水 に心がける,7)ゴ ミの分 炭 素排 出量 のうちの約20%は 別をきちんとする,8)買 い物 袋を持参 している. 自動 車から出されたもので、 その 量は高度経 済成長 以降、高い伸び 率で今も増加 しっ 非 常にそ う思う,そ う思う,どちらでもない, あまり思 わ づ けてい ます。地 球温 暖化 問題 は 、環境 問題 の中でも地 ない, まったく思わない, の5つ のうち, いずれか1つ を 球 に最も多大 な影 響を及 ぼすものと考 えられ 、そ の対策 選択 する設 問は 以 下の通 りである. 1)必 要だからという が急 務 となっています 。地球 が温暖 化す ることによって次 よりは運転 が好きだ から車 を利 用していると思う,2)安 易 のようなことが起こると考えられ ています!! ・ 海 面上昇 による生活可能 土地 面積の減 少 に車 を利 用す る週 間があると思う,3)車 に乗ることは楽 しいと思 います か?, 4)自 動 車は, 他の交通 手段よりも ・ マラリアなどの熱病 の氾 濫 便利だ と思 う,5)ボ ランティア活 動 には積極的 に参加 し ・ 動植 物の死滅 たい と思 い ます か?, ・ 光化 学スモッグが発 生しやす くなる か?, 7)環 境 問題 対策 は行政 や 特定 の団体 に任せ て ・ 洪 水 が多発 す る地域 がある一方 、渇水や 干 お けばよいと思 います か?, 8)自 分の行動 を変えること 6)社 会貢 献 した い と思 います ばつ に見舞われる地域 も出てくる が, 環境 問題 解決 に貢献す ると思 いますか?, 9)ち ょっ 環 境 問題は地 球規模の 広域的な 問題 であるとともに、将 とした行 動 の変換 によって環境 問題 の解決 につ ながる 来世 代 にわたる長 期的な問題 です 。また 自動車利 用の及 のな らば, あなた は今 の 行 動 を変 換 しようと思 います ぼす 影響 は 、温暖 化 に限 らず 、交通渋 滞や 騒 音 ・大気汚 か?, 10)環 境 問題 の責任 の一部は 自分にもあると思い 染、年間約25万 件生 じている交通事 故など広範 囲に及 び ますか?, ます。こうした問題の解決 には 、行政や 特 定の集団 に頼 る たはまわりに 人がそれ を行 っているか どうかを重 要視 し のではなく、わたしたち一人一 人が問題 を認識 し、問題 に ます か? 取り組 む 姿勢とこれ に応 じた習慣 を身 にっ ける必 要がある とても深刻 だ と思う,深 刻, や や深 刻, あまり深刻 でな のです。』 以 下の文章(『』内の文 章)が第2回 11)協 力行 動をするかどうか決 めるとき,あな い, わからない, の5つ のうち, いずれ か1つ を選択す る 設 問は 以 下の通 りである. 1)地 球 の温 暖化 問題 につい アンケー トの設 問1 として記載され ている. て, 2)エ ネル ギー問題 について, 3)ご み 問題 につ いて, 『以下の協力行 動をぜ ひ1週 間実行 してください! ・ 中心市街地 へ行 くときには、公 共交通 機 関(バス・ 電 4)交 通混雑 問題 について。 知 っているし関心を持っている,知 っているが 関心は 車)や 自転 車などを利 用 し、出来るだ け 自動 車を利 ない, しらない, の3つ のうちいずれ か1つ を選択 する設 用しないようにして下さい。 ・ 緑化 フェア開催 中に つき、中心 市街 地へ のバ ス交 年 であり,猛暑や 厳寒 等の気候変 動が最も激 しい年 であ 通 が非常 に便利 になっています 。現在 運行 中のバ った, 2)環 境 への付加 が出来るだけ小さいものを優先し ス路線 ・バスシステムの詳 細 は別 紙 に示 してありま て製 品等 を購 入す る"グリーン購 入"に つ いて, 3)家 庭 すので 、ご参照 ください。』 用 電気製 品のリサイクル促進 を 目的とした法律"家 電リサ 問は以下の通 りである.1)2001年 は史上2番 目に暑い 付録2 イクル 法(通 称)"に つい て, 4)4/22は 環境 問題 に対し 一 人一人が 「 地球規模 で考え地域で行動 する」ための 日 環 境 問題 お よび環 境行 動 に関す る設 問として尋 ねた の は以 下の通りである.なお, 以 下の設 問の回答 につ い われている. て因子分析 を行 い, 得 られた第1因 (アー スデイ)である,5)石 油はあと45年で枯渇 するとい 子 が本文 中での環 参考文献 境意識 である. 常 にする, 大 体す る, 時 々する, ほとん どしない, 全く 1) Rose, G. & Ampt, E.: Travel Blending: An Australian Travel しない, 考えたこともない, の6っ のうち, いずれか1つ Awareness Initiative, Transportation Research, Vol. 6D, pp. を選 択す る設 問は以 下の通 りである. 1)長 時 間のアイド 95-110, 2001. リングをしな い, 2)車 を使 わず にす む ときは, なるべく使 2) 54 Borg, W.: Individualized Marketing: Implications for Transportation Demand Management, 5)藤 Transportation Research Record, No. 1618, pp. 116‑121, 1998. 3) 谷 口綾 子, 原 文 宏, 村 上 勇 一, 高 野 伸 栄: TDMを 6) 目的 とし 2002. 藤 井聡, 小 畑 篤史, 北村 隆一: 自転 車放 置者 への説 得的 コ た 交 通 行 動 記 録 フィー ドバ ックプ ログ ラム に 関 す る研 究 一 札 ミュニケ ーション:社 会的 ジレンマ解 消のための 心理的 方略, 幌 市 に お け るトラベ ル ブ レン デ ィング プ ログ ラム 的 実 験, 土 土木 計画 学研 究 ・ 論 文集, Vol, 19,pp. 439446, 2002. 7) 木 計 画 学 研 究 ・論 文 集, Vo1. 18, pp. 895‑902, 2001. 4) 井 聡: 行 動 プラン法 による行 動 変 容, 土木 計 画学研 究 ・ 講 演集, Vo1. 26, 0n CD. ROM, 藤 井 聡: 交通 計画 の た めの 態度 ・ 行 動 変容 研究 一基礎 的 谷 口綾 子, 原 文 宏, 新 保 元 康, 高 野 伸 栄, 加 賀 屋 誠 一: 小 技 術 と実 務 的 展 望 一, 土 木学 会 論 文 集, No. 737/IV‑60, 学 校 に お け る交 通 ・環 境 教 育 「 か しこい 自動 車 の 使 い 方 を pp. 13‑26,2003. (2002.129受 付) 考 え るプ ログ ラム 」の 意 義 と有 効 性 に 関 す る実 証 的 研 究, 環 境 システ ム研 究 論 文 集, Vo129, A STUDY pp. 159469, ON REDUCTION 2001. OF AUTO USE BY MAKING RESTRAIN Jun-ichi TAKAYAMA, Shoichiro A DIRECT APPEALING TO AUTO USE NAKAYAMA, Manami OKEGAWA and Yuhya AONO In this study, we try to examinewhether or not people's autouse is actuallyreduced by making an appeal to reduce auto use. We made an appeal to two kinds of test subjects, students and non student people such as office workers and housewives,to reduce autouse, and carry out panel surveys.The results of statisticaltests indicatethat there is a tendency that non-student people reduce auto use. Especially, the housewife subjects significantly reduced auto use. However, the student subjects did not reduce auto use. The subjects were divided into the two groups, the subjects whose environmental attitude is originally high and the subjects whose environmental attitude is originally low. It is founded that the low attitude group improve the environmental attitude and reduce auto use over the high attitude group. 55