クラウドOS（CloudStack）を扱うプロフェッショナルの証

C

CloudStackアーキテクチャーの特徴として、各コンポーネントの管理や認証、Webユーザーインターフェースなど、サービスを提供するために必要な機能のほとんどが管理サーバーに集約された、モノリシックなアーキテクチャーであることが挙げられます。
一部の機能についてはセカンダリーストレージVM、コンソールプロキシVM、仮想ルーターなどのシステムVMと呼ばれる別のコンポーネントによって処理されますが、それらも単体で動作するものではなく管理サーバーの制御下にあり、ユーザーの操作や負荷の状況に応じて自動的に展開や設定変更が行われるようになっています。

 
CloudStackでは、1つの管理サーバーの配下に、複数の異なるハイパーバイザーが混在したクラウド環境を作ることが可能です。
ただし、クラスター内のハイパーバイザーは統一しなければいけません。また、Hyper-Vについては別のゾーンを作成する必要があります。
CloudStackは標準で複数のネットワークアーキテクチャーに対応しています。ゾーンを作成する段階で、基本ゾーンと拡張ゾーンのいずれか1つを選択します。
基本ゾーンはすべての仮想マシンが同一のセグメントに接続される、フラットなネットワーク環境です。
仮想マシン間の隔離はセキュリティグループ機能により、レイヤー3での隔離が行われます。
拡張ゾーンはVLANによるレイヤー2での隔離が標準となっており、アカウントごとに個別のVLANが割り当てられます。
仮想マシンはCloudStackにより自動で提供される仮想ルーターを経由して外部との通信を行います。
通常は1つの仮想ルーターの配下には1つの仮想ネットワークのみが接続されます。VPCを使用することで、1つの仮想ルーター配下に複数の仮想ネットワークを接続し、仮想ネットワーク間でのルーティングやACLによるアクセス制御が可能となります。

A,C,D

CloudStackでは、プライマリーストレージとセカンダリーストレージの2種類のストレージがあります。
プライマリーストレージは、仮想マシンのOSや仮想ディスクが保存される領域となるストレージで、ホストにマウントされます。
セカンダリーストレージには仮想マシンのスナップショットやテンプレートが保存されます。
プライマリストレージとの接続方式は、ハイパーバイザーによって異なり、KVMの場合はNFS、iSCSI、Fibre Channelが利用可能です。
また、ハイパーバイザーとしてHyper-Vを使用する場合はCIFSが利用できます。

A

CloudStackの管理サーバーとシステムVMの通信で使用するポート番号は、TCPのポート番号「8250」です。
このうち、CloudStackの管理サーバーでListenしているものは「8250」で、正解はAとなります。
また、ポート番号「3922」はシステムVMでsshdがListenしており、XenServerやKVMホストからSSHの鍵認証を使用し、システムVMにログインすることができます。
ポート番号「8080」はCloudStackのWebユーザーインターフェースへアクセスする際のデフォルトの番号で、「443」はAPIへのアクセスをHTTPSで行う際などに使用します。

A

管理サーバーのインストール時に利用される「cloudstack-setup-databases」スクリプトは、
データベースの初期化や、管理サーバーがデータベースに接続するためのユーザー名、パスワードを設定します。

# cloudstack-setup-databases <clouduser>:<dbpassword>@<dbhost> – –deploy-as=<user>:<password>

 
コマンドには、以下のオプションがあります。
clouduser: 管理サーバーがデータベースに接続するためのユーザー名
dbpassword: 管理サーバーがデータベースに接続するためのユーザーのパスワード(省略可)
dbhost: データベースサーバーのホスト名もしくはIPアドレス
user: データベースのセットアップ時に使用する、データベースに接続するためのユーザー名(省略可)
password: データベースのセットアップ時に使用する、データベースに接続するためのユーザーのパスワード(省略可)

 
上記問題では、スクリプトの実行時に「root」ユーザー(パスワードは「nonsense」) で、データベースサーバーである「1.2.3.4」にアクセスしており、
CloudStack用のユーザーとして「cloud」(パスワードなし)を作成しています。

A

CloudStackの仮想マシンは、以下の状態があります。
1. Starting［起動中］
2. Running［起動済み］
3. Stopping［停止中］
4. Stopped［停止済み］
5. Destroyed［破棄済み］
6. Expunging［削除中］

B

CloudStackのアカウントはルート管理者、ドメイン管理者、ユーザーの3種類に分類されます。

 
ドメイン管理者は、ドメイン内のリソース制御権限を持ったアカウントです。
ドメイン内にアカウントを作成したり、サブドメインに割り当てるリソース数量の変更ができますが、自分のドメインのリソース数量を変更することはできません。
ドメインのリソース数量を変更するには、上位のドメインの管理権限が必要となります。
また、サブドメインを作成できるのはルート管理者に限られます。

B

コンピューティングオファリングはサービスオファリングの1つで、仮想マシンに対して割り当てるリソースを指定するための設定情報です。
コンピューティングオファリングはルート管理者のみが作成することができ、
利用者はルート管理者があらかじめ作成したコンピューティングオファリングの中から、使用したいものを選択して仮想マシンに割り当てます。
コンピューティングオファリングを作成する際には、CPUコア数、クロック周波数(MHz)、メモリ(MB)が必須の設定項目となっています。

 
また、オプションの設定項目として「パブリック」という項目があります。
この項目が有効な場合(チェックが付いている場合)は、作成したコンピューティングオファリングはすべてのアカウントが利用可能となります。
この項目が無効な場合(チェックが外されている場合)、追加の設定項目として「ドメイン」が表示され、
ここで指定したドメインに所属するアカウントのみがそのコンピューティングオファリングを使用可能になります。

 
コンピューティングオファリングは、作成後に変更できる設定項目は「名前」と「説明」のみですので、作成する際には設定内容に誤りがないか確認しましょう。

A,B

CloudStackの仮想ルーターにはモニタリングツールが実装されており、特定のサービスやプロセスが停止した場合に自動で復旧を行います。
現在サポートされているサービスは、以下となります。(VPC利用時にはこの機能はサポートされていません。)
　・DNS
　・HA Proxy
　・SSH
　・Apache Web Server

 
仮想ルーターはVRRPによる冗長化機能が実装されており、切り替わり時には管理サーバーにアラートが送信され
CloudStackのWebユーザーインターフェースや管理サーバーのログファイルに記録されます。
仮想ルーターのMIBは提供されておらず、SNMPによるトラフィック情報の収集はできません。
また、sFlowによるネットワークモニタリングもサポートしていません。

C

CloudStackは REST APIを提供しておりAPIリクエストにはHTTP GET/POSTを使用します。
APIリクエストを送付する際は、アカウントの認証のためにAPIキーと秘密鍵を使用する必要があります。
APIのレスポンスは、XMLとJSON形式に対応しており、CSV形式には対応していません。
リクエストの生成にはJavaやPHP、またその他のプログラミング言語が使用できます。
また、Pythonで実装された「CloudStack cloudmonkey CLI」というAPIをラップした便利なコマンドラインツールも提供されています。