【5月30日 AFP】ポルトガル南部の保養地で今月初旬に失踪したままの英国人少女マデリン・マクカーン(Madeleine McCann)ちゃん(4)の両親が30日、バチカン市(Vatican City)を訪問し、ローマ法王ベネディクト16世(Pope Benedict XVI)と会見した。法王は少女の無事発見を祈る、と両親を励ました。

 ベネディクト16世は毎週1度の聖ピエトロ広場での謁見の後、敬虔なローマ・カトリック教徒であるマデリンちゃんの両親、ジェリー・マクカーン(Gerry McCann)さん、ケイト・マクカーン(Kate McCann)さんの夫妻と数分間会見した。会見中、ケイトさんが持参したマデリンちゃんの写真に、法王は手を置いていたという。

 黒い服に身を包んで謁見に臨んだマクカーン氏は終了後、感動をあらわにしながらも、複雑な思いを述べた。
「いかなるカトリック教徒にとっても、バチカンに来て法王と謁見できることは、普通の状況ならば最もすばらしい瞬間だ。しかし、今回の場合は、娘が行方不明だという悲しい現実がつきまとっている」

 母親のケイトさんは、「法王は私たちと私たちの家族のために祈ると言ってくださり、マデリンの無事帰宅を祈り続けてくださると言いました」と述べた。

 ふたりは30日にポルトガル南部へ戻った後、6月1日にはマドリード(Madrid)、4日にはベルリン(Berlin)を訪れ、報道陣らに協力を訴えるほか、行方不明児童の捜索を行っているグループらに支援を呼びかける。

 捜査当局では、マデリンちゃんはポルトガルで誘拐された後、欧州内の他国へ連れ出された可能性もあるとみている。(c)AFP