【2月19日 AFP】南太平洋のパプアニューギニアで魔術を使ったとして20歳の女性が火あぶりにされ殺害された事件で、地元警察が殺人の容疑で2人を逮捕したと地元紙が19日、伝えた。

 事件があったのは同国西ハイランド(Western Highlands)州マウントハーゲン(Mount Hagen)。6歳の少年を魔術を使って殺したとの疑いをかけられたケパリ・レニアータ(Kepari Leniata)さん(20)は6日、服をはぎとられて縛られたうえ灯油をかけられ、ごみを積んだ山の上で火をつけられ、殺害された。

 その後、警察は40人あまりを事情聴取し、28歳の女と33歳の男を故意の殺人容疑で逮捕した。2人はレニアータさんが火あぶりにされる元となった、死亡した6歳児の親族だという。

 地元紙ナショナル(National)は地元警察の話として、今後も事件に関与した人物の証拠や情報提供があれば、さらに逮捕者が出る見込みだと報じた。

 レニアータさんの事件とは別に豪通信社AAPは、同じマウントハーゲンで前週、8歳の女児が性的暴行を受けて殺害された事件があり、魔術で女児を殺した疑いがかけられた高齢女性2人に拷問を加えた容疑で男が逮捕されたと伝えた。女性2人は11日、火あぶりにされかけたところを警察に救助された。

 こうしたパプアニューギニアに残る「魔女狩り」の風習については、国連(UN)や米国、オーストラリアが非難を表明。パプアニューギニアのピーター・オニール(Peter O'Neill)首相も「野蛮」な慣習と強く批判している。

 パプアニューギニアでは魔術が広く信じられており、不幸や人の死を自然なこととして受け止められない人が多いなか、警察は国民に対し、自らの手で物事を裁く慣習をやめるよう繰り返し呼びかけている。(c)AFP