【8月22日 AFP】インドで3人組の男がタマネギを満載したトラックの乗っ取りをたくらんだが、警察が包囲網を敷き犯行は失敗に終わった。この一風変わった事件の背景には、インド料理に欠かせないタマネギの価格高騰がある。

 事件は18日、ジャイプール(Jaipur)と首都ニューデリー(New Delhi)を結ぶ幹線道路で起きた。タマネギを積んでいたトラックが、自分たちの乗っていた車にぶつかったと因縁をつける3人組に停車させられた。

 トラックの運転手に言いがかりをつけた後、1人がトラックの運転席に飛び乗りトラックを発車させると、残りの2人も車で逃走した。

 通報を受けた警察は直ちに周辺道路に包囲網を敷いた。道路が封鎖されているの見た男たちは、タマネギを諦め徒歩で逃亡した。その後、トラックを取り戻した運転手は、再びハンドルを握りタマネギを搬送したという。

 事件があったシャープラ(Shahpura)の警察はAFPの取材に、「積み荷目的でトラックが乗っ取られることはあるが、食料や野菜が標的になることは珍しい」と語った。 

 インドでは供給不足でタマネギの価格が値上がりし、その価格に関するニュースが新聞の一面をにぎわせている。ニューデリーでは現在、昨年は1キロ当たり15ルピー(約23円)だったタマネギの値段は60ルピー(約90円)にまで高騰している。(c)AFP