インドで初のトランスジェンダー市長が誕生
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【1月6日 AFP】インド中部チャッティスガル(Chhattisgarh)州ライガル(Raigarh)で4日行われた市長選挙で、身体の性と性自認が一致しないトランスジェンダー(性別越境者)の候補が勝利した。トランスジェンダー候補が市民選挙で当選するのも、市長として選出されるのも同国ではこれが初めて。
州選挙委員会によると、トランスジェンダーのマドゥ・バイ・キナル(Madhu Bai Kinnar)候補(35)は、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相の与党インド人民党(Bharatiya Janata Party、BJP)から出馬した対立候補に4500票以上の差をつけて当選した。
インド通信社PTI(Press Trust of India)によるとキナル氏は、身分制度カースト制の最下層で、かつては不可触民と呼ばれた「ダリット(Dalit)」出身。列車内で歌や踊りを披露することで生計を立てていたが、市長選への出馬を要請されたことを機にやめたという。
当選後の記者会見で、キナル氏は「有権者の皆さんが私を信頼してくれた。この勝利は、彼らから私への愛情と祝福だと考えています。彼らの夢を実現するため全力を尽くしたい」と語った。
インド最高裁は昨年4月、トランスジェンダーの人々を中立的な性別として法的に認める判決を下している。トランスジェンダーの人々は、性別適合手術を受けた人々、もしくは生まれ持った体の性と性自認が一致しない人々と定義され、インドなど南アジア諸国では「ヒジュラ(hijra)」と呼ばれている。保守的な文化を持つインドでは、しばしば社会の隅に追いやられ、売春や物乞いで生計を立てている人も多い。(c)AFP