【11月16日 AFP】イスラム組織ハマス(Hamas)が実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の保健当局は16日、イスラエル軍が前日突入したガザ北部のシファ(Al-Shifa)病院にブルドーザーを投入したと発表した。

 ガザ保健当局はアラビア語の声明で「イスラエル軍のブルドーザーが病院の南出入口の一部を破壊した」と述べた。

 一方、イスラエル軍はAFPの取材に対し、病院の敷地内で作戦を遂行中だと回答した。

 イスラエル軍のガザでの軍事作戦の責任者を務めるヤーロン・フィンケルマン(Yaron Finkelman)少将は、軍のテレグラムチャンネルで「今夜、シファ病院に標的を絞った作戦を実施した。われわれは前進を続けている」と述べた。

 イスラエル軍による15日のシファ病院突入は、世界中に深刻な懸念と批判を巻き起こしている。

 病院内に閉じ込められているジャーナリストがAFPに語ったところによると、イスラエル軍の部隊は突入した際に空砲を撃ち、パレスチナ人の若者に降伏を命じた。イスラエル軍は夕方までに引き揚げ、病院周辺に再配備された。

 シファ病院は現在、先月7日のハマスによるイスラエル奇襲からこれまで40日間にわたって続いている紛争の焦点となっている。

 イスラエルおよび同盟国の米国は、シファ病院の地下にハマスが司令部を置いていると主張しているが、ハマスや病院幹部はこれを否定している。

 また、イスラエル軍は15日の作戦中、病院内で「軍装備品や武器」を発見したと主張しているが、ガザ保健当局はこれも否定している。(c)AFP