「地獄の門」閉鎖か 温暖化対策でガス採取へ トルクメニスタン
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【10月26日 AFP】中央アジア・トルクメニスタンは25日、天然ガスが燃え続けて「地獄の門」と呼ばれている人工の巨大クレーターに供給されるガスを採取する計画を発表した。同国は、温室効果ガスの排出量削減を目指しており、この計画により、地獄の門は閉鎖される可能性が出てきた。
地獄の門は、カラクム(Karakum)砂漠の中央部ダルバザ(Darvaza)村に位置し、深さは20メートル。旧ソ連時代の1971年に起きた掘削中の事故以降、地中のメタンガスを供給源として50年以上、燃え続けている。
観光名所にもなっているが、トルクメニスタン当局は、近隣住民の長期的な健康被害や環境への悪影響などへの懸念を表明している。
首都アシガバートで開催されたエネルギーフォーラムで、国営ガス会社トルクメンガス(Turkmengas)のマクサト・ババエフ(Maksat Babayev)会長は、「ダルバザでガス井の掘削を精力的に進めている」と明らかにし、「ガスの排出量削減を目的としている」と説明した。
トルクメニスタンは2022年にも、同様の懸念から地獄の門の閉鎖計画を発表していた。
同国は埋蔵量世界第4位の天然ガスを有しているが、インフラの老朽化などにより、地球温暖化の大きな要因となっているメタンガスの漏出が頻発している。(c)AFP