【12月6日 AFP】ドイツ出身の航空宇宙エンジニア、ルディガー・コッホさん(59)は、海中11メートルに沈めた水中カプセルに2か月間滞在している──水中に滞在する期間で世界最長を目指す挑戦の真っ最中だ。

挑戦が行われているのは、中米パナマのプエルトリンド沖。海中カプセルをAFPの記者が訪れた。

コッホさんは「あと2か月ほど続ける予定だ」とAFPに語り、「前回確認した時は、まだ妻がいたはずだが…」と冗談を交えた。

水中滞在期間のこれまでの世界記録は100日。今回の挑戦ではこれを20日上回ることを目指している。

これまで激しい嵐の影響で中断の危機にも直面したとされ、挑戦は順風満帆というわけではないという。

しかし、目的は単に記録を打ち立てることだけではない。今回の挑戦では、人間の生活についての概念や、住むことができる場所、住み続けることのできる場所についての考え方が変わる可能性があると言う。

「海が人が住む場所として適しているというのを示せるかもしれない」

広さ30平方メートルのカプセル内部には、ベッド、トイレ、テレビ、コンピューター、インターネット、さらにはエアロバイクなど、生活に必要なほとんどの設備が整っている。

唯一欠けているのはシャワーだ。

海中カプセルは海上の別の空間と接続されており、そこにチームの他のメンバーが滞在している。食料はここから海中カプセルへと届けられ、好奇心旺盛な記者がカプセルにアクセスするのもこの上部からとなっている。

9月26日に始まったコッホさんの挑戦は、来年1月24日まで続けられる予定だ。海上の空間に滞在するメンバーは、4台のカメラでカプセル内の様子を確認し、コッホさんの精神状態を監視・記録している。期間中、水中に滞在し続けていることを証明するすべでもある。

挑戦終了まではまだしばらく時間がある。しかし、陸に上がって一番最初にしたいことだけははっきりとしているようだ。

「シャワーだ。本物のシャワーを浴びたい」

映像は11月26日撮影。(c)AFP