【12月11日 AFP】南米ペルーのディナ・ボルアルテ大統領は10日、殺害された12歳の少女が性的暴行を受けていたとみられる事件を受け、1979年に廃止した児童レイプ犯に対する死刑の復活についての議論を呼び掛けた。

同国初の女性大統領であるボルアルテ氏は、犯罪に対して厳しい姿勢を取っている。

ボルアルテ氏は「社会で考えられないようなこうした大事件に遭遇した今こそ、思い切った措置を提案する時だ。児童レイプ犯の死刑について議論を始める時が来た」と述べた。

少女は7日、首都リマのスラム、ビジャ・マリア・デル・トリウンフォ地区で行方不明になった。警察は翌日、同地区に住む容疑者のベッドの下で、毛布と敷物に包まれた少女の遺体を発見した。

当局は少女と容疑者について、それ以上の情報を明らかにしていない。

リマの検察は8日、殺人と未成年者レイプの容疑で捜査を開始したと発表した。

ボルアルテ氏は「このような人間を、自由に街を歩かせてはならない」「ペルーの家族にとって最も神聖不可侵な存在である子どもたちに手を出す者に対して、配慮は一切必要ない」と訴えた。

ペルーの現行法では、14歳未満のレイプの法定刑は終身刑と定められている。

死刑復活は大きな論争を招くとみられ、憲法改正も必要となる。

議会は1995年以降、死刑復活法案を少なくとも8回否決している。

世界の4分の3近い国は、死刑を法律上または事実上廃止している。(c)AFP