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ウナギ 大回遊の謎 (PHPサイエンス・ワールド新書 58) 新書 – 2012/6/16

3.8 5つ星のうち3.8 34個の評価

世界初、大海原でウナギの天然卵と親魚を発見! 「世界的ウナギ博士」として名高い日本のリーダーが、金字塔樹立までの長い足跡を生き生きと語る。
ウナギの生態は多くの謎に包まれている。なかでも、とびきりの謎が産卵場の謎である。人びとはウナギがどこで生まれるのか、長い間不思議に思ってきた。泥の中から自然発生するという説や、山芋がウナギに変わるという説は有名だ。
実はニホンウナギは日本列島から遠く数千キロも離れた太平洋のど真ん中で毎年、産卵していた。本書は、大海原で親ウナギが産卵する瞬間をピンポイントでつかまえたい、この究極の謎に挑んだ科学者たちの夢と冒険の記録である。
「ウナギの産卵場調査航海」に乗り出し、船でウナギの「より小さい」稚魚を追い求める。度重なる失敗にもめげず、「海山仮説」や「新月仮説」や「塩分フロント仮説」などで絞り込み、ついに世界で初めて、親ウナギの捕獲と天然卵の採取という金字塔を樹立するまでの足跡を語る。古代ギリシャのアリストテレスの時代から2400年、ついにウナギ産卵場の謎は解明された。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ PHP研究所 (2012/6/16)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2012/6/16
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 新書 ‏ : ‎ 238ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4569796702
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4569796703
  • カスタマーレビュー:
    3.8 5つ星のうち3.8 34個の評価

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塚本勝巳
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2014年2月5日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    シラスウナギの漁獲量が激減し、価格が高騰しているとのニュースが毎年のように報じられる昨今。その原因は乱獲だろうと考えていたが、どうやらそれほど単純な話ではないようだ。ニホンウナギの産卵場は、水温フロントに応じて毎年移動するが、近年、海水温の上昇により、産卵場が南下し、本来、黒潮に乗って日本近海へ来るはずの稚魚の多くが、フィリピン方面へ死滅回遊してしまっているのだという。

    淡々とした筆致で、ニホンウナギの産卵場解明の歴史、それと重なり合う筆者自身の研究者としての歩みを描く。抑えたトーンながら、ついに産卵場を発見したシーンは感動的だ。

    人間と自然との関係についても考えさせられる。放流事業に携わった筆者によれば、放流事業による資源回復力は、天然の回復力には比べるべくもないそうだ。魚が自然に繁殖できるように、自然を保護することが一番、という結論は、「自然を保護してあげている」という人間の思いが、驕った勘違いだということを教えてくれる。

    (2014/1/30読了)
    2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2015年9月3日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    読みやすくて面白かったです。私たちが子どものころはウナギはどこから来るのか謎の生物でしたが、今では小学校の教科書で塚本先生の話がとりあげられていて、子どもが音読するのを聞いておどろいたことがあります。この本は、さらにどのような経緯で先生がウナギに関わっていったか、地道な苦労と成果、そしてウナギへの思いが書かれています。身近でありながら、スーパーで並んでいる姿以外は何も知らなかったウナギについて、色々なことを教えてくれる本です。ウナギが増えるまで、食べるのはできるだけ控えようと思います。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2013年3月17日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    ウナギの産卵、回遊、そして完全養殖などよく判らなかった(科学的にも)ので、良かった。
  • 2013年6月16日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    最高です。
    謎って..........................................ホント不思議です。
    ウナギ   大丈夫かなぁ???
    2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2012年8月4日に日本でレビュー済み
    ウナギが海で生まれることは知っている。そして、その産卵場が東京からはるか2000km も南のマリアナ諸島の西方海域であることまでは知っているが、あとは、鰻の蒲焼などの料理を食すのみであることが多い。
    しかし、現在でもウナギの生態は多くの謎に満ちており、学問的にもウナギの生態はいまだ十分には解き明かされてはいない。
    そこで、我が国で年間10 万トン以上も食べられている身近なウナギの謎の生態を調べてみよう!というのが本書のテーマである。ウナギの起源と進化、各大洋の産卵場の調査、産卵の現場をおさえること等の日・欧米の研究者たちの競争の軌跡、“大発見”までの記録が記述されている。大発見はお読みになれば
    分かります。今年はウナギの稚魚が少なく、ウナギ料理も高値です。養殖ウナギについても面白いことが書かれています。激減するウナギ保全策も提言されている。本書は、専門の研究者によって非常に面白く、興味深い話満載です。読むことを是非お薦めします!!
    9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2012年7月11日に日本でレビュー済み
    ウナギは、蒲焼き。生物としては、何ら知識がなく興味半分で読みました。結果、非常に楽しく、分かり易い本。また、著者の研究者としての半生がよくわかり、自然科学を専門としたい若者に良い教科書となるような気がします。その他、今年の蒲焼きは高嶺の花ですが、高いからこそこの本で得た蘊蓄を傾けるのも一興かと・・・。
    3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2019年12月3日に日本でレビュー済み
     著者は鰻の研究者。とくにニホンウナギの産卵場の調査で知られたひとだ。
     本書は、自身の研究の過程から語り始め、鰻の研究の歴史をひもとき、近年の研究成果を示し、そしていよいよ産卵場調査の話に入っていくという構成だ。
     産卵場がなかなか特定できないのはニュースなどで知っていたが、こんなにも苦労していたとは。大規模な調査の全容を知ることができる。
     また、実は川へ遡上する鰻はごく一部に過ぎないとか、あまりにも意外な事実も列記されており、おもしろい。
  • 2012年8月20日に日本でレビュー済み
    太平洋という大海原で、直径1.6ミリのニホンウナギの卵を探す話である。
    「大海の一滴」という言葉があるが、まさにそれを地で行く作業。
    ニホンウナギの産卵場所と時期を特定するため、数十年に亘る大掛かりな探査が続けられたのである。

    そもそも、ウナギの卵は生後1.5日で孵化してしまうので、卵を捕獲するためには、ウナギが卵を産んでから1.5日以内にピンポイントで太平洋のどまんなかと思しき産卵場所に到達し、網にかけなければならない。
    しかし最初は産卵場所も産卵日もわからない。産卵する水深も不明なので、どの位置で網を引けばいいのかもわからない。
    「雲をつかむような話」?いや、これは「ウナギの卵をつかむような話」である。

    本書は、ウナギ研究の権威である筆者が、その地道な探査の経緯と成功までの過程を綴ったものである。
    図版もカラーで見やすく、文章は平易で読みやすい。
    現在、ウナギの危機は深刻である。
    筆者たちの努力が、ウナギという生き物の安定的な繁栄と、食糧資源としての安定的な確保につながることを祈りたい。
    4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート