Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                

カスタマーレビュー

  • 2008年10月22日に日本でレビュー済み
    口パク批判が激しいPerfumeであるが、今作では曲目によって半生歌と織り交ぜている。

    一部の楽曲を生歌として歌う理由は、当然その方がリアリティがあって良いから生歌なわけだ。

    そういう意味で、本作での(半)生歌というのは効果的に使われていて心地よい。

    では「なぜすべてを生歌でやらないのか」という事については、よりロボティックで無機質であるサウンドを目指すためであると思う。

    YMOがTECHNODONで再結成したとき、ライブ冒頭でテープリールを回して「歌うフリ」をするというパフォーマンスを披露したが、本質的にはこれに似た事象だと思う。
    (彼らの場合はアイロニーという側面が強いと思うが。)

    虚構性を高めるためにこそ「口パク」がむしろ必要になっているのだ。

    これによって「完全無欠のフィクション」としての歌謡ハウス(テクノポップ)が奏でられるのだと思う。

    例えば近未来3部作を生歌でやったらどうなるか。
    無駄に生々しくなって「近未来の虚構性表現」が失われるではないか。

    フィクションにはフィクションの様式というものがある。
    そのためには生歌では要素の純度を下げてしまう。

    虚構性を突き詰めるから、突き抜けた先に「真実」がネガとポジのように反転して見えるのだ。
    28人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート 常設リンク

商品の詳細

5つ星のうち4.3
278 件のグローバル評価