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人を賢くする道具: ソフト・テクノロジーの心理学 (新曜社認知科学選書) 単行本 – 1996/12/1

4.5 5つ星のうち4.5 8個の評価

商品の説明

商品説明

著者のD.A.ノーマンは『誰のためのデザイン?』など認知科学の著書で有名である。人間と機械のインタフェースに関して、アフォーダンスの概念の具体的な解説をした本でも知られている。本書は、そのノーマンが一般読者を対象に、テクノロジーを駆使した道具類のインタフェースについて述べた本である。

本書の章の表題や小見出しだけを見ても、いくつも示唆に富んだものがみつかる。たとえば、「人間中心のテクノロジー」、「ものには、それが収まるべき場所がある」などの章がある。また、「テクノロジーにはアフォーダンスがある」、「正確さが重要だと限らないのはなぜか」、「新しいテクノロジーは、それを使うよりもそれについて読むほうが楽しいのはなぜ?」などのわくわくするような小見出しが並ぶ。

さらに、本文中には「仕事をする人と利益を得る人が違う場合には、そのテクノロジーは最初からうまくいかない」、「大きな変化というものには、それを支える社会的基盤の大きな改変がともなわなければならない」、「メディアがメッセージの解釈の仕方を変える」など、考えさせられる指摘がつぎつぎに出てくる。原子力が安全でない理由は、原子力だからではなく、プラントが大きすぎ、扱いにくいから危険なのだ、という指摘や、航空機のコックピットの機器が大きく重たいことが、機長と副操縦士のコミュニケーションに寄与しているという説明には説得力がある。もっともっと具体例を引用したくなるほど、読みごたえがある。

原書執筆が1993年と、インターネットが現在ほど普及する前であったため、先端ネットワーク技術の例は少ない。しかしノーマン流の発想をインターネットにも適用してみると興味深い。この訳書の大きな欠点は、~なのである、~なのである、とたたみかける文体が息苦しく、読みにくいことである。もっとすっきりした訳文にしてほしかった。名著には名訳を期待してもばちは当たらないと思うのだが。(有澤 誠)

内容(「MARC」データベースより)

人を助け人を賢くするのではなく、人を悩ませ人を無能にする機械や道具がなぜ氾濫するのか。人間の認知や動作の特性を読み込んだデザインとは何か。人を助け、人を賢くするための「ソフト・テクノロジー」への招待。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新曜社 (1996/12/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1996/12/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 416ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4788505800
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4788505803
  • カスタマーレビュー:
    4.5 5つ星のうち4.5 8個の評価

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Don Norman
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この商品をレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2010年9月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ソフトウェアってどんなのが正解なのか?
悩んでいる人にはもってこい。
機能をいれて複雑になってかえって使いにくくなったんじゃないのか?

そんなときに、この書籍に回答があります。(回答に導く為に考える筋道をくれました)

この書籍大事にします。
そして、ノーマンありがとう!
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2005年11月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「人を賢くする"道具”」とタイトルされているが、
”モノ””サービス”etc.幅広い対象に応用可能な内容である。
----
進むべき先を見つけにくい/見失いやすい 現代社会において、
人生という「一刹那」を満足させるための「快楽」にむけての"道具””モノ””サービス”という見方を私たちは安直にしてしまいがちだが、
(またそういう見方を考えるほうが、非常にラクなのだが)
この本は、
真に人類が進歩するに必要な(=後世に継承していくべき)"道具””モノ””サービス”とは何か、という視点に関する、
大いなるヒントが得られるであろう一冊と感じた。
普段、世の中に折々に感じられる"閉塞感”が、
実は「人間とテクノロジーのあり方」(特にテクノロジーに対する人間の見方)
に起因する部分少なくないことにも、はっと気付かされる一冊。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年5月20日に日本でレビュー済み
ノーマンの認知科学教養本第3弾にあたる。
認知心理学の立場から、機械と人間がともに進化してゆく道筋について平易に解説したもの。

最初勘違いしていたが、邦題の「ソフト・テクノロジー」とは、別段、ソフトウェアのことではなく、あくまでも人間よりに設計されたテクノロジの事であった。なかなか含蓄に富む言葉だ。(攻殻機動隊みたいとも言う)

中身であるが、例によって人間が使いよい機械とは一体何か、についての解説が続く。これまた例によって、直接的に何かに役に立つというより、何かのテクノロジを設計する立場であれば、教養的に知っているべきである事柄について微に入り細をうがって解説したものといえる。

なかなか読みごたえがあります。
あと、クリスのオフィスの話はなかなか参考になります(本当)。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
Amazon Customer
2000年11月30日に日本でレビュー済み
この本は、道具というものが、人が日常をうまく生活(賢くと呼んでいる)するのかをこれまで分かってきた認知科学や認知心理学からの視点を取り入れて解説している。
特に、人の認知活動に焦点を当てて、その認知活動から人の活動をうまくサポートできる道具とは、どのような特徴を持っているのか、様々な具体例を提示しながら説明しているところがおもしろい。また、人の認知活動を中心にしてよりその活動を支援するための道具を考えるときのヒントにもなると思う。道具のデザインをしているデザイナー、設計者から、人の認知活動を研究しているような認知科学者、教育実践者まで幅広い人におすすめします。
21人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート