分かりやすい。
実験内容の結果は何か
さらにその結果から何が言えるか、まで詳細に語られている
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科学的根拠(エビデンス)で子育て――教育経済学の最前線 Kindle版
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「将来の収入」を上げる教育とは? 「第1志望校の最下位」と「第2志望校の1位」、どちらが有利? 子育てには「時間」をかけないといけないの? 家庭・学校・塾・職場で「人を育てる」あなたの疑問に、最新の科学がすべて答えます!
- 言語日本語
- 出版社ダイヤモンド社
- 発売日2024/12/11
- ファイルサイズ25860 KB
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商品の説明
著者について
中室牧子(なかむろ・まきこ)
慶應義塾大学総合政策学部 教授。慶應義塾大学卒業後、米ニューヨーク市のコロンビア大学大学院でPh.D.を取得。専門は教育経済学。日本銀行等を経て、2019年から現職。デジタル庁シニアエキスパート(デジタルエデュケーション担当)、東京財団政策研究所研究主幹、経済産業研究所ファカルティフェローを兼任。政府のデジタル行財政改革会議、規制改革推進会議等で有識者委員を務める。日本学術会議会員(第26期)。テレビ朝日「大下容子ワイド!スクランブル」コメンテーター(木曜隔週)。朝日新聞論壇委員。著書に発行部数37万部を突破した『「学力」の経済学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『「原因と結果」の経済学』(ダイヤモンド社、津川友介氏との共著)がある。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
慶應義塾大学総合政策学部 教授。慶應義塾大学卒業後、米ニューヨーク市のコロンビア大学大学院でPh.D.を取得。専門は教育経済学。日本銀行等を経て、2019年から現職。デジタル庁シニアエキスパート(デジタルエデュケーション担当)、東京財団政策研究所研究主幹、経済産業研究所ファカルティフェローを兼任。政府のデジタル行財政改革会議、規制改革推進会議等で有識者委員を務める。日本学術会議会員(第26期)。テレビ朝日「大下容子ワイド!スクランブル」コメンテーター(木曜隔週)。朝日新聞論壇委員。著書に発行部数37万部を突破した『「学力」の経済学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『「原因と結果」の経済学』(ダイヤモンド社、津川友介氏との共著)がある。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B0DGFJSY4P
- 出版社 : ダイヤモンド社; 第1版 (2024/12/11)
- 発売日 : 2024/12/11
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 25860 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- Amazon 売れ筋ランキング: - 368位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 5位子育て (本)
- - 6位妊娠・出産・子育て (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
著者について
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慶應義塾大学総合政策学部 教授。慶應義塾大学卒業後、米ニューヨーク市のコロンビア大学大学院でPh.D.を取得。専門は教育経済学。日本銀行等を経て、2019年から現職。デジタル庁シニアエキスパート(デジタルエデュケーション担当)、東京財団政策研究所研究主幹、経済産業研究所ファカルティフェローを兼任。政府のデジタル行財政改革会議、規制改革推進会議等で有識者委員を務める。日本学術会議会員(第26期)。テレビ朝日「大下容子ワイド!スクランブル」コメンテーター(木曜隔週)。朝日新聞論壇委員。著書に発行部数37万部を突破した『「学力」の経済学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『「原因と結果」の経済学』(ダイヤモンド社)がある。
カスタマーレビュー
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イメージ付きのレビュー
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しびれる
最初から最後までしびれる話の連続で、これは3歳ぐらいの親からみんな読んだ方が良いのではないか。(なぜ3歳ぐらいかというと子守と子育てはベクトルが違うから)目次を追うだけでもなかなかの迫力で、昭和平成のぼんやりとした「常識」がズレてるのがわかる。最後のエビデンスはいつも正しいかの章においては、やたらロジックっぽいもので殴りかかってくる人たちに信頼性レイヤーがあることを突きつけているのも良い。大変面白かったです。
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2024年12月25日に日本でレビュー済みAmazonで購入全てエビデンスに基づいた内容で、余計なバイアスが入らないので、とても良い本です。
結果ばかりにとらわれた、これまでの教育書とは明らかに違いますね。
- 2024年12月30日に日本でレビュー済み統計学を子育てに持って行った本です
塾代を何処まで出してどのランクの大学に行かせるか
何歳からどのレベルの勉強をさせたら良いのか
その時、私たち親がどの分岐点で指示してあげれるか
等を科学的に統計学を用いて解説されています
だがその統計学にあっても性格等の不安的要素もあり、そのマイナスをどうプラスに持っていったら良いかも書かれいています
子育て中の方、これからの方に指示書とは言いすぎですが読んでおいて損はない一冊かと思います
- 2024年12月11日に日本でレビュー済みAmazonで購入『「学力」の経済学』でお馴染みの中室牧子氏による新著。前作同様、エビデンスに裏付けられた教育に関する研究の成果を分かりやすく解説してくれている。内容は最近注目されている非認知能力からICT教育、別学・共学の影響など多岐にわたっており、自分の興味のあるテーマから読み進めることができる。
前著でもそうだったが、自身の研究に加え、世界各国の教育経済学に関する研究の成果を豊富に盛り込んで議論を進めている。特に他の研究者の論文に関しては、トップレベルのジャーナルに掲載されたものを紹介しており、「エビデンス」の質の高さにも注意されており、信頼のおける内容となっている。議論があまりにも多岐にわたっているため、広く浅くという印象もあるが、巻末には参考文献もしっかり掲載されているため、自分で深掘りして学べるような配慮もなされている。このようなレベルの高い本がお手軽に手に入るのは実にありがたい。
ただ、一部では前著で書かれていた内容のアップデートもあるが、全体的にはなるべく前著の内容と重複しないように書かれているようなので、未読の人は先に前著の『「学力」の経済学』を読んでから本書を手にするのが良いだろう。
- 2025年1月11日に日本でレビュー済みAmazonで購入いろいろな場所で見かけたので関心をもちました
期待していたほどの新たな発見は少なく、
聞いたことのあることが多い印象でした。
評価が高すぎるような、、、
- 2025年1月2日に日本でレビュー済み結論!本書は、37万部のベストセラー『「学力」の経済学』の著者・中室牧子氏による9年ぶりの待望の新刊であり、
時代の変化が激しい現代において、科学的根拠に基づく教育の重要性を改めて認識させてくれる良書です。
私にも2人の可愛い子供がいます。後継者に引き渡すまで20年間続けていた教室には、常に30名程の小中学校の生徒がいました。
なので、このレビューにも力が入ります。私が1番感じた要点だけ短くまとめました。
しかし、最後までお読み下さると、本書の内容が分かります。
ぜひ、最後までお付き合いください。
【本書の革新性】
『世界最高峰の研究に基づく知見』
著者は世界で最も権威のある学術論文誌から厳選した研究成果を、驚くほど分かりやすく解説しています。
これまでの教育書とは一線を画し、個人の経験や主観ではなく、科学的な実証研究に基づいた提言を行っています。
【注目すべき発見事項】
『将来の収入を左右する要因』
高校時代のスポーツ活動は、卒業後11〜13年の時点で収入を4.2〜14.8%増加させることが判明しています。
さらに、リーダーシップ経験は4〜33%の収入増加につながります。これらの発見は、学校教育の在り方に大きな示唆を与えています。
『非認知能力の重要性』
忍耐力、責任感、社会性などの非認知能力が、将来の成功を大きく左右することが明らかになっています。
特筆すべきは、これらの能力が幼少期から育成可能であり、中年期以降の人生にまで影響を及ぼすという点です。
【実践的な教育戦略】
『親の関わり方の革新』
子育ての時間の「量」よりも「質」が重要であることが実証されています。
特に注目すべきは、親の「成長マインドセット」(努力で能力は向上するという信念)が、子どもの学力向上に直接的な影響を与えるという発見です。
『教育環境の選択』
別学と共学の比較や、学力の高い友人との関係性が学力に与える影響など、従来の常識を覆す発見が随所に示されています。
【政策への示唆】
『教育政策の実証的評価』
1人1台端末政策や保育料引き下げなど、現行の教育政策の効果についても科学的な検証結果が示されています。
これらの知見は、今後の教育政策立案に重要な示唆を与えています。
【第一章】
第一章は、将来の収入を上げるために、子どもの頃に何をすべきなのか?がわかりやすく書いてあります。
科学的根拠に基づき、子どもの頃の活動が将来の収入にどのように影響するかを詳しく解説しています。
特に注目すべきは、将来の収入を上げるための「子どもの頃にやっておくべきことベスト3」です。
その中でも、スポーツ活動の効果が顕著であることが明らかにされています。
具体的には、高校時代の運動部活動経験者は、卒業後11〜13年の時点で4.2〜14.8%の収入増加が見られます。
これは、スポーツ活動を通じて欠席が減少し、自尊心が高まるためと分析されています。
さらに、チームワークや忍耐力、自制心といった社会で求められる重要なスキルが自然と身につくことも、収入増加の要因として挙げられています。
単なる学業成績だけでなく、総合的な人間形成が将来の経済的成功につながることを、具体的なデータと共に示しています。
【第ニ章】
【第二章】
学力テストでは測れない「非認知能力」とは何なのか?
第ニ章では、近年注目を集める「非認知能力」の本質と重要性について、最新の研究成果をもとに詳しく解説しています。
非認知能力とは、学力テストやIQテストでは測定できない能力のことで、具体的には忍耐力、リーダーシップ、責任感、社会性などを指します。
驚くべきことに、学力テストの個人差は将来の収入の個人差のわずか17%程度しか説明できず、IQに至っては7%程度しか説明できないことが明らかになっています。
特に注目すべきは、非認知能力の影響力が生涯にわたって及ぶという点です。研究によれば、非認知能力は収入だけでなく、結婚生活の円満さや寿命とも密接に関連しています。
さらに、40歳から60歳という人生のキャリアの重要な時期において、非認知能力の影響力が最も顕著になることが判明しています。
また、企業の採用場面でも非認知能力の重要性が認識されており、経団連の調査では、企業が新卒採用で重視する上位項目として、コミュニケーション能力(82.4%)、主体性(64.3%)、チャレンジ精神(48.9%)といった非認知能力が挙げられています。
このように第ニ章では、従来の「学力至上主義」的な考え方に一石を投じ、人生の成功には非認知能力の育成が不可欠であることを、具体的なデータとともに示しています。
【第三章】
【第三章】
非認知能力はどうしたら伸ばせるのか?
第三章では、前章で重要性が明らかになった非認知能力の具体的な育成方法について、実証研究に基づいた知見が示されています。
特筆すべきは、芸術教育の効果です。音楽や美術の活動が非認知能力の向上に大きく貢献することが、複数の研究で実証されています。
例えば、楽器演奏やアート活動を通じて、集中力、忍耐力、創造性が自然と育まれることが明らかになっています。
また、この章で特に注目すべき発見は「好奇心」の重要性です。
研究によれば、好奇心を刺激する授業を受けた生徒は、知識の定着率が大幅に向上し、結果として学力も上昇することが判明しています。
具体的には、教師が「なぜ」「どうして」という問いかけを意識的に増やし、生徒の知的好奇心を刺激する授業を行うことで、学習効果が高まることが示されています。
さらに、これらの能力向上には相乗効果があり、一つの非認知能力を伸ばすことで、他の能力も同時に向上する可能性が指摘されています。
第三章では、非認知能力の育成が決して難しいものではなく、適切な教育アプローチによって効果的に伸ばせることを、具体的な事例とともに示しています。
詳しい事はこの本に書いてあります。
【第四章】
【第四章】
親は子育てに時間を割くべきなのか?
この第四章では、「親の時間投資」に関する重要な研究成果が紹介され、子育ての量と質の関係について新たな知見が示されています。
特に注目すべきは、時間投資の効果が子どもの年齢によって大きく異なるという発見です。
研究によれば、子どもが小さい時期の親の関わりは、その後の発達に大きな影響を与えることが実証されています。
しかし、単に時間を費やせばよいというわけではありません。
重要なのは「時間の質」です。本章では、限られた時間でも効果的な関わり方ができることを示す興味深い研究が紹介されています。
例えば、ある実験では、親に子どもとの関わり方を説明したシンプルなパンフレットを配布しただけで、子どもの学力向上につながったことが報告されています。
また、「早生まれ」の子どもに関する分析も示されており、従来の通説とは異なる興味深い発見が述べられています。
早生まれの不利は一時的なものであり、適切な支援があれば十分にキャッチアップできることが明らかにされています。
本章では、働く親の増加という社会背景の中で、効率的かつ効果的な子育ての方法を科学的に示しており、現代の親たちに実践的な指針を提供しています。
特に、「時間の量」よりも「関わりの質」を重視する視点は、多忙な現代の親たちに希望を与える内容となっています。
【第五章】
勉強できない子をできる子に変えられるのか?
この第五章では、科学的根拠に基づいて、勉強が苦手な子どもを成績向上に導く具体的な方法が示されています。
特に注目すべきは、「目標」の力を活用した学習改善の手法です。研究によると、子どもが目標を立てることは、「現在バイアス」(今の楽を選んで勉強を先延ばしにしてしまう傾向)を克服する効果的な方法であることが実証されています。
また、この章では一般的に考えられている「お金による動機付け」の問題点も指摘されています。
金銭的な報酬は、かえって学習意欲を低下させる可能性があることが示されており、内発的な動機付けを重視する重要性が強調されています。
特筆すべき発見は、「チーム学習」の効果です。友だちとチームを組んで学習に取り組むことで、勉強時間が自然と増加し、相互に良い影響を与え合うことが実証されています。
これは単なるグループ学習ではなく、適切な目標設定と組み合わせることで、より効果的な学習方法となることが示されています。
第五章では、「勉強ができない」という固定観念を覆し、適切な方法と環境設定によって、誰もが学力を向上させられることを、具体的なデータとともに示しています。
【第六章】
「第1志望のビリ」と「第2志望の1位」、どちらが有利なのか?
第六章では、学力や成績の相対的な位置づけが、生徒の将来にどのような影響を与えるのかについて、驚くべき研究結果が示されています。
特に注目すべきは、「相対的な位置」が学習効果に与える影響です。
一般的な予想に反して、学力の高い友人と同じグループになることは、必ずしもプラスの効果をもたらさないことが明らかにされています。
むしろ、自己評価の低下や学習意欲の減退につながる可能性があることが実証されています。
さらに衝撃的なのは、小学校時代の学内順位が、その後の人生に長期的な影響を及ぼすという発見です。
研究によれば、小学校での相対的な成績順位が、最終学歴や将来の収入にまで影響を与えることが判明しています。
第六章で特に重要な知見は、成績評価の伝え方についてです。
単純な順位や点数ではなく、「前回と比べてどれだけ伸びたか」という進歩度合いを伝えることが、最も効果的であることが示されています。
この方法は、生徒の学習意欲を高め、持続的な成長を促す効果があります。
これらの発見は、教育現場での評価方法や学習環境の構築に重要な示唆を与えており、従来の「上位層と一緒に学ばせれば良い」という考え方を根本から見直す必要性を提起しています。
【第七章】
【第七章】
別学と共学、どちらがいいのか?
第七章では、長年議論されてきた別学と共学の効果について、最新の研究結果に基づいた興味深い知見が示されています。
特筆すべきは、別学教育が学力向上に一定の効果をもたらすという発見です。しかし、その影響は単純ではありません。
例えば、女子校では学力が向上する一方で、肥満率が増加するという予想外の相関関係が明らかにされています。
男子校が学力向上に効果的である理由として、「ロールモデル効果」の存在が指摘されています。
同性の教員が多いことで、生徒たちが将来の自分の姿を具体的にイメージしやすく、それが学習意欲の向上につながることが実証されています。
一方、女子校の優位性は「ステレオタイプの脅威」から解放されることにあります。
「女子は理系が苦手」といった固定観念の影響を受けにくい環境で、特に理数系科目での成績向上が見られることが明らかになっています。
本章は、別学・共学の選択が単なる学力面だけでなく、心理的・社会的な発達にも大きな影響を与えることを示しています。
これらの知見は、教育環境の選択において、個々の生徒の特性や目標に応じた柔軟な判断が必要であることを示唆しています。
【第八章】
男子と女子は何が違うのか?
第八章では、教育における性差の問題を、固定観念や偏見を排除し、科学的なデータに基づいて分析しています。
特に注目すべきは、競争心の男女差が将来のキャリアに及ぼす影響です。
研究によれば、男女間の競争心の違いが、進路選択、職業選択、そして最終的な収入格差にまで影響を及ぼすことが明らかにされています。
これは生物学的な差というよりも、社会的・文化的な要因による影響が大きいことが示されています。
また、リーダーシップに関する興味深い発見も示されています。
従来の選抜方法では見過ごされがちな女性のリーダーシップ能力を適切に評価できる新しい選抜手法が提示されています。
例えば、チーム内での調整能力や長期的な成果を重視する評価方法を導入することで、より多くの女性リーダーが輩出される可能性が指摘されています。
この章で、「女性枠」についても科学的な検証がなされています。
これは単なる「逆差別」ではなく、長年の構造的な不平等を是正するための効果的な手段となり得ることが、具体的なデータとともに示されています。
これらの知見は、教育現場でのジェンダーバイアスの解消や、将来的な職業選択の可能性を広げるための重要な示唆を提供しています。
この第八章では、性差に関する従来の固定観念を覆し、より公平で効果的な教育・評価システムの構築に向けた方向性を示しています。
【第九章】
日本の教育政策は間違っているのか?
第九章では、近年実施された主要な教育政策について、科学的なデータに基づいた検証結果が示されており、いくつかの衝撃的な発見が明らかにされています。
特に注目すべきは、一般的に好意的に受け止められている政策の予想外の影響です。
例えば、保育料引き下げ政策は、一見、子育て支援に有効に思えますが、研究結果は子どもの発達に予期せぬ悪影響を及ぼしたことを示しています。
これは、保育の質の低下や保育所の混雑化といった副次的な影響によるものと分析されています。
幼児教育に関する知見も興味深く、学力重視型の幼児教育プログラムは、むしろ教育の質を低下させる可能性があることが指摘されています。
研究によれば、幼児期には非認知能力の育成に重点を置くべきであり、過度な学力重視は逆効果となることが実証されています。
また、「GIGAスクール構想」に代表される「1人1台端末」政策についても、厳密な効果検証が行われています。
結果として、安易なデジタル機器の導入は学力低下を招く可能性があることが示されており、効果的な活用には慎重な検討と適切な指導法の確立が必要であることが明らかにされています。
第九章は、政策立案者の「良かれ」という意図が、必ずしも望ましい教育効果につながらないことを示しており、教育政策の立案・実施には、より慎重な科学的検証が必要であることを提起しています。
これらの知見は、今後の教育政策の方向性を考える上で重要な示唆を与えています。
【第十章】
エビデンスはいつも必ず正しいのか?
第九章では、これまでの章で示されてきた科学的根拠(エビデンス)について、より深い理解と批判的な視点を提供する重要な締めくくりとなっています。
特に印象的なのは、「手術室を1つ空けておく」という比喩です。
これは、緊急時の対応のために手術室を空けておくように、教育現場でも予期せぬ状況に対応できる余裕を持つことの重要性を示唆しています。
効率性だけを追求せず、柔軟性を確保することの大切さが強調されています。
本章では、「エビデンス」を読み解く際に注意すべき4つのポイントが明確に示されています。
研究結果の解釈には文脈が重要であり、単純な一般化は危険であることが指摘されています。
また、統計的な有意性と実践的な重要性は必ずしも一致しないことなど、エビデンスを批判的に検討する視点が提供されています。
さらに、高齢化社会における教育投資の重要性について、興味深い分析が示されています。
高齢化が進む中でも、子どもへの教育投資を優先すべき理由が、経済学的な観点から説得力をもって論じられています。
これは、社会の持続可能性という観点からも重要な示唆を含んでいます。
本章は、エビデンスに基づく教育を推進しながらも、その限界を理解し、より賢明な判断を下すための視座を提供しています。
科学的根拠を絶対的な真理としてではなく、より良い教育を実現するための重要な指針として捉える必要性を説得力をもって示しています。
以上。
私は、さらに深掘りして考えてみました。日本の教育政策における主な問題点を以下にまとめました。
【教育格差の拡大】
経済格差による影響 現在、6人に1人の子どもが貧困状態にあり、教育機会の喪失や地域社会からの孤立などの問題が生じています。
この状況は41の先進国中で8番目に悪い水準となっています。日本は先進国だと思っていましたが、この状況には非常にショックを受けました。
【政策の非効率性】
ゆとり教育の失敗 2002年から始まった「ゆとり教育」は、教育の多様化ではなく教育の質の低下をもたらし、学力の階層差を広げる結果となったという話もテレビで話題となっております。
しかしながら、私は羽生結弦氏や大谷翔平選手などの天才と呼ばれる人材もこのゆとり教育から出てきています。
なので、テレビのいうことだを信じるわけではございませんが、昔と比べ全国的に学力と集中力の低下はデータとなって現れています。
またGIGAスクール構想の問題 1人1台端末政策は、以下の課題を引き起こしています。
•生徒の集中力低下と学力低下
•教員の管理負担増加
•家庭への経済的負担の増大
【教員の労働環境】
過重労働の常態化 教員は通常の授業に加え、部活動指導、テスト採点、生活指導など多岐にわたる業務を抱え、長時間労働が常態化しています。
【画一的な教育システム】
個性の抑圧 現行の教育システムでは、個性や才能が抑圧され、生徒が自分の強みを活かすことが困難な状況となっています。
また、過度な競争意識により、コミュニケーション能力や協調性の育成が妨げられています。
では、我々は一体どのように対処したら良いのかがこの本に記載してあります。
レビューは以上となります。最後までレビューをお読みくださりありがとうございました。
【まとめ】
本書は、単なる教育指南書ではありません。世界最先端の研究成果を基に、「人生の本番で役立つ教育とは何か」という本質的な問いに答えを示しています。
特に、学校での成功だけでなく、その後の人生における成功要因を科学的に解明している点で、画期的な一冊となっています。
親、教育者、そして「人を育てる」立場にあるすべての人にとって、本書は実践的かつ信頼できる指針となるでしょう。
冒頭にも述べましたが、時代の変化が激しい現代において、科学的根拠に基づく教育の重要性を改めて認識させてくれる良書です。
このレビューを読んでくださった皆様にお勧めしたい1冊となります。