ミキティと学ぼう！
住宅ローンの選び方徹底解説
「金利のある世界」に考えたい無理のない返済プランのコツ

GOOD LIFE フェア 2024（10月25〜27日・東京ビッグサイト）に出展した住宅金融支援機構が26日、ゲストに藤本美貴さんを迎え、ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんによる自分に合った住宅ローンの選び方についてのセミナーを開催した。

※イベントの司会進行はフリーアナウンサーの田村あゆちさん

マイナス金利の解除で
住宅ローンへの影響は

高山藤本さんは、マイナス金利って聞いたことがありますか。

藤本ニュースでぐらいですね。

高山日本は今年の3月にマイナス金利を解除し、17年ぶりの利上げをしました。そこから住宅ローンも「金利のない世界」から徐々に「金利のある世界」に変わってきました。

田村昔と今を比較するとどれくらい違うのでしょうか。

高山住宅ローンの変動金利でいえば、1990年代のバブル期では年8.0%を超えていたこともあったんですよ！固定金利も年5.0％ありました。現在は固定金利が年1.82％で、変動金利は年0.49％です。

藤本そんなに！

高山そもそも住宅ローンは、大きく分けて変動金利型、全期間固定金利型、固定金利期間選択型の三つがあります。変動金利型は、半年ごとに金利が見直されます。メリットは、固定金利タイプよりも金利が低いことですが、デメリットは、金利が上がれば毎月の返済金額がアップする可能性があることです。

藤本将来の計画は難しい──。

高山一方で固定金利タイプは借り入れ中の金利が変わりません。デメリットは一般的に借入時の金利が変動金利型よりも高いことです。全期間固定金利型の代表的なものが、住宅金融支援機構の「【フラット35】」です。最長で35年間借りられて、金利は現在年1.82％（2024年10月時点）です。返済終了まで借入金利と返済額が確定しているので、返済計画が立てやすく、家計管理もしやすいのが特徴です。

田村固定金利期間選択型は？

高山当初の一定期間だけ固定金利が続くものです。

藤本どれを選ぶか迷いますね。

高山まずは家計のなかで、「住宅ローンにいくら回すことができそうか」を考えましょう。毎月の家計に余裕があり、貯金や資産がある方は、毎月の返済額が少し増えても生活費を切り詰める必要がなければ変動金利型が向いていそうです。

藤本金利は低いけれど、リスクを取れるかどうかですね。

高山そうです。一方で、返済額が増えてしまうと家計が厳しい場合。今後収入アップが見込めるとしても、お子さんが複数人いて学費や教育費が増える時期に返済額が上がると困るという方は、固定金利タイプがいいでしょう。

田村住宅ローンを借りる時のポイントはありますか。

高山まずは「借りられる金額」と「借りてもいい金額」は違うということです。住宅ローンの年収負担率は25％以内がベターです。子育て世帯なら20％以内に抑えた方がいいでしょう。購入後のライフプランをしっかりと明確化して、無理のない返済プランを考えることが大切です。

【フラット35】には
お得な子育て世帯向け制度も

藤本何か子育て世帯に向けたお得な制度はありますか。

高山先ほどお話しした「【フラット35】」には、「【フラット35】子育てプラス」があります。借り入れ当初の5年間は、18歳未満のこども１人に対して、年0.25％引下げ、また、こどもの人数に応じてさらに金利引下げになります。

田村省エネ住宅や長持ちする住宅だと金利が下がることもありますよね。

高山はい。対象に応じて金利を引き下げる仕組みがあります。ポイント制になっていて、例えば、お子さんが2人いて、ZEH（ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス）という環境性能に配慮した住宅で、さらに予備認定マンション（※）だとします。その場合は、こども2人分で2ポイント、ZEHで3ポイント、予備認定マンションで1ポイント、合計6ポイントとなります。1ポイントは0.25％の金利引下げに相当しますので、合計で1.5％です。借り入れ当初の5年間の引下げ幅は、最大で年1.0％までとなっています。残った年0.5％分は、6〜10年目に適用されます。仮に物件価格が5千万円で頭金を500万円、残りの4500万円を金利1.8％、35年間で借り入れると、だいたい毎月の支払いが14万5千円になります。これに当てはめて計算すると、当初の5年間は毎月の返済額が2万円程度、6〜10年目は1万2千円ほど削減できます。

藤本夢が広がりますね。

高山はい。きちんと情報収集をして、自分にあった住宅ローンを選んでいただきたいですね。

※新築分譲マンションを対象とした管理計画を、予備的に認定する制度。

●【フラット35】の金利引下げポイント制度の考え方