さよなら百里の偵察航空隊 機体が老朽化、後継は無人機
佐々木凌
航空自衛隊唯一の航空偵察部隊として百里基地(茨城県小美玉市)に所属する偵察航空隊が今年度で廃止となるのを前に9日、同隊による最後の飛行訓練とセレモニーがあった。隊員ら約300人が参加し、退役するRF4偵察機をねぎらった。
偵察航空隊は、有事の際などの偵察専門部隊として1961年に松島基地(宮城県)に誕生し、75年に百里基地に拠点を移した。災害時の情報収集任務も担い、東日本大震災や常総水害、昨秋の台風19号の際にも現場に急行し、上空から写真を撮った。機体の老朽化などにより今年度での廃止が決まり、同隊の任務は各部隊の戦闘機や無人機などに引き継がれることになった。隊員らは基地内外の他の部隊に異動となる。
この日のセレモニーでは、同隊司令の朝倉譲1佐が「隊員一人ひとりが任務に真摯(しんし)に邁進(まいしん)した結果、飛行訓練を無事終了できた。任務最後の日まで油断することのないように」などと述べた。その後、隊員らは機体にお神酒をかけて清めたあと、隊員のラストフライト時の恒例行事にならって、隊員同士で水をかけあった。
最後にRF4に搭乗して飛行訓練を終えた第501飛行隊長の岡田智光2佐は「機体には愛着があり、ありがとうといいたい。隊が無くなっても、果たしてきた役割が消える訳ではない。今後も、自衛隊員としてそれぞれの役割を果たしていきたい」と話した。