就職活動の最終面接に向かうために乗った全日空機。中部国際空港に到着して機内から降りようとすると、客室乗務員(CA)から手紙を渡された。あれからまもなく10年。内定を得て今は名古屋市で暮らす女性が、ツイッターで手紙を公開した。
10年前の11月25日
名古屋市在住の会社員・高橋実希さん(32)。10年前の2010年11月25日、福岡空港から中部国際空港へ向かう飛行機に乗っていた。
福岡県内の大学に通う4年生で、就活は2008年のリーマン・ショックの影響でうまくいっていなかった。内定ゼロ、不採用は70社ほどだった。
留学経験もあり、海外とつながりのある会社の営業職を中心に受けていたが、7月に母校の高校で教育実習を行ったのをきっかけに、志望先を教育関係にも広げ始めたころだった。
その日は、愛知県で学習塾を展開する会社の最終面接のために搭乗。食費を節約するために自宅でホットケーキを焼いて、切り分けて弁当箱に入れて持ち込んだ。
機内で昼食として食べ終わったタイミングで、CAの女性が「容器を洗いましょうか」と声をかけてきた。
「えっ、そんなことまでして…