最高裁国民審査、全員信任 夫婦同姓「合憲」4判事は不信任7%超

阿部峻介
[PR]

 10月31日に行われた最高裁裁判官国民審査について、総務省が1日、結果を公表した。対象の裁判官11人で解職される人はいなかった。約5860万の投票があり、投票率は55・69%(前回53・34%)だった。

 ×印が有効票の半数を超えると解職される仕組みで、白票は信任と扱われる。×印の割合が最も高かったのは深山(みやま)卓也氏、最も低いのは安浪亮介氏。7%を超えたのは、6月の最高裁決定で夫婦別姓を認めない民法規定を合憲とする多数意見に加わった深山氏、林道晴氏、岡村和美氏、長嶺安政氏の4人だった。

 11人は裁判官15人(長官、判事14人)のうち2018年1月~今年9月に就任した判事。これまで24回の国民審査で、最も×が多かった人は15・17%(1972年審査)。

「×」印がついた票の数(かっこ内は有効票に占める割合)

①深山卓也(67)=裁判官出身 4490554票(7.85%)

②岡正晶(65)=弁護士出身  3570697票(6.24%)

③宇賀克也(66)=学者出身  3936444票(6.88%)

④堺徹(63)=検察官出身   3565907票(6.24%)

⑤林道晴(64)=裁判官出身  4415123票(7.72%)

⑥岡村和美(63)=行政官出身 4169205票(7.29%)

⑦三浦守(65)=検察官出身  3838385票(6.71%)

⑧草野耕一(66)=弁護士出身 3846600票(6.73%)

⑨渡辺恵理子(62)=弁護士出身3495810票(6.11%)

⑩安浪亮介(64)=裁判官出身 3411965票(5.97%)

⑪長嶺安政(67)=行政官出身 4157731票(7.27%)

※告示順、敬称略

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    木村草太
    (憲法学者・東京都立大学教授)
    2021年11月2日16時55分 投稿
    【解説】

    この記事で紹介された四人の裁判官は、今年6月23日の第二次夫婦別姓訴訟大法廷決定で、民法750条・戸籍法74条1号を合憲とした。 この決定を巡って批判票が集まったことについては、「政策論として同氏制が不適切でも、法律論としては合憲論もあり

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    神内聡
    (弁護士〈スクールロイヤー〉・高校教師)
    2021年11月6日1時12分 投稿
    【視点】

    統計的には今回の国民審査結果は6つの有権者の集団が存在すると推測されます。 ①全ての裁判官を信任する集団。これが有権者の約52.4%を占めます。 ②国民審査に投票しなかった集団。これが有権者の約44.3%を占めます。 ③全ての裁判官の

    …続きを読む