安保理で発言わずか1分 ウクライナ情勢で中国があいまい姿勢のわけ

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北京=冨名腰隆
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 ロシアのプーチン大統領ウクライナ東部への「平和維持軍」の派遣を決定し、国際社会の緊張が高まる中、存在感を示せていないのが中国だ。対ロ批判を強める欧米とは一線を画するが、ロシアの行動を支持するわけでもない。あいまいな中国の立ち位置には、複雑な事情が絡んでいる。

国際社会で立場を示さない中国

 発言は、わずか1分あまりだった。

 21日夜(日本時間22日午前)に開かれた、ウクライナ問題に関する国連安全保障理事会の緊急会合。国際社会の団結を呼びかける米国に、反論するロシア。だが中国の張軍大使は、「当面の情勢下では、関係国が自制を保ち、緊張を高めるいかなる行動も避けなければならない。中国は外交的解決を図るためのあらゆる努力を歓迎する。ウクライナ情勢の現在の状況は、一連の複雑な要因が作用した結果だ。中国は一貫して、事態の『理非曲直』に従って自身の立場を決定している」と述べるにとどまった。

 「理非曲直」とは、物事が道理にかなっているかどうかを指す。国連安保理会合は、まさにロシアの行動に対する是非を問われた場だったが、中国はその立場を示さなかった。

 22日には、王毅(ワンイー…

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この記事を書いた人
冨名腰隆
政治部次長|政党担当
専門・関心分野
日中外交・安全保障、日本政治、中国政治
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