日銀の黒田総裁、値上げ許容発言を撤回 「まったく適切でなかった」
徳島慎也
日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は8日、「家計が値上げを受けいれている」とした自身の発言について、「まったく適切でなかった」と撤回した。発言を巡っては、商品の値上げが相次いで家計の負担が増す中で、認識にずれがあるとして批判が高まっていた。
衆院財務金融委員会で、立憲民主党の桜井周議員から「消費者と認識が違う」などと発言の撤回を求められ、応じた。黒田氏は「家計が苦渋の選択として値上げをやむを得ず受けいれているということは、十分認識している。家計が値上げを受けいれているという表現は適切でなかった。誤解を招いた表現で申し訳ない」と述べ、改めて謝罪した。
黒田氏は6日の講演で、東京大学の渡辺努教授の家計への調査を引用。「なじみの店でなじみの商品の値段が10%上がったときにどうするか」との問いに、「他店に移る」と回答した割合が昨年8月に比べ、今年4月は減少したことなどを踏まえ、「家計の値上げ許容度も高まってきている」などと発言していた。
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