東京五輪、結局いくらかかった? あいまい線引き、3兆円との見方も

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山本亮介 野村周平 釆沢嘉高
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 史上初の延期となった東京オリンピック(五輪)・パラリンピック。大会組織委員会が21日に公表した公式報告書で強調したのは、コロナ下の大会がもたらした光だった。組織委は近く解散するが、大会経費の全容は最後まで詳細がわからず、文書保存や公開のあり方も不鮮明なままだ。

 「不安は少なくなかったが、積み上げてきた準備と仕事に対する責任感をもって関係団体が一体となったことで開催できた」。最後の理事会を終え、組織委の橋本聖子会長は記者会見でそう大会を振り返った。

 東京五輪は205の国・地域から選手約1万1400人、パラは161の国・地域から約4400人が参加し、無観客開催で計画より減ったとはいえ支えたボランティアは9万人に上った。450ページにわたる公式報告書では、クラスターを生じさせなかった大会運営に「東京、日本だからこそ開催できたとの高い評価を受け」たと記載。また、開催理念に掲げた東日本大震災からの復興を後押しする取り組みを「着実に推進した」とし、コロナ禍による史上初の延期決定後は「聖域を設けず簡素化を実現」したなどと総括した。

「女性蔑視発言」の余波、招致に絡む買収疑惑は触れず

 公式報告書を、組織委は「様々な取組を可能な限り余さず収めた記録で、将来の五輪・パラ、大規模イベントの主催者に示唆を遺す知的資産」と位置づける。その長大な記録では、組織委をめぐるトラブルや不祥事もふれられた。

 当初、大会エンブレムは別のものだったが、盗作疑惑で変更された。報告書は「選定過程に不明瞭さや密室性があった」と指摘。昨年7月の開会式直前に主要スタッフの過去の言動が問題視され、辞任が相次いだ事態については「(スタッフ)選定の際にどの程度の粒度で過去の言動をチェックするか課題が残った」としつつ、「(組織委が)多様性と調和の重要さを再認識する契機となっただけでなく、日本社会全体の議論を活発化させることになった」とも記録した。

 森喜朗会長(当時)による「…

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この記事を書いた人
野村周平
スポーツ部次長
専門・関心分野
スポーツ行政、スポーツビジネス、五輪などの国際イベント
釆沢嘉高
西部報道センター次長
専門・関心分野
事件、労働福祉、人権、調査報道