東大発バイオベンチャーのテラ破産 不祥事続きコロナ薬開発でも痛手

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山本恭介 江口英佑 稲垣千駿
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 東証スタンダード上場の東大発医療ベンチャー「テラ」(東京都新宿区)が、東京地裁自己破産手続きを申し立て、5日付で開始決定を受けた。負債総額は1億8765万円。東京証券取引所はテラ株を23日に上場廃止する。新型コロナウイルスの治療薬を開発するなどとして一般の投資家の注目を集めたが、情報開示をめぐる不祥事もあって経営に行き詰まった。

 帝国データバンクによると上場企業の倒産は1年11カ月ぶりだ。

 テラは2004年に東大医科学研究所発のベンチャーとして設立された。当時のジャスダック証券取引所が技術系ベンチャー向けにつくった市場NEO(ネオ)へ09年に上場した。

 帝国データなどによると研究所の技術の権利などをもとに、全国の医療機関にがん治療のノウハウを提供していた。12年には年間で約15億4400万円の収入を得ていた。初値300円だった株価は13年4月には4千円を突破した。

 だが、その後は医療機関からの収入が徐々に減った。研究開発費の負担もあり、14年12月期決算以降は赤字が続いていた。

 テラによると、今年3月には…

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この記事を書いた人
山本恭介
経済部兼国際報道部兼デジタル企画報道部|銀行担当
専門・関心分野
資産形成、社会保障、労働政策
稲垣千駿
経済部|トヨタ自動車担当
専門・関心分野
自動車・証券業界、企業統治、金融政策