日本留学中の香港女子学生を逮捕 香港警察、ネット上の投稿を問題視

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台北=石田耕一郎
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 日本に留学中の香港人の女子学生(20代)が3月上旬、身分証更新のために帰郷した際、香港国家安全維持法国安法)違反の疑いで逮捕されていたことがわかった。学生側から相談を受けた台湾や日本の関係者が明らかにした。香港警察は学生に、同法が禁じる「国家の分裂を扇動」する行為に関わった疑いがあると説明しているという。

 国安法は2020年6月に施行された。「国家分裂」「政権転覆」「外国勢力との結託」など四つの行為を禁じ、最も重い刑は終身刑だ。香港外での言動にも適用される恐れがあるとして、これまでも国際社会から懸念の声が出ていた。

 日台の関係者によると、学生は香港のデモが激化した19年以降、日本での滞在を続けていた。香港警察からは、この間にネット上で香港独立に関する投稿をしたことが同法に抵触すると説明され、「逮捕を口外してはならない」とも指示されたという。

 現在は釈放されて自宅にいる…

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    菅野志桜里
    (弁護士・国際人道プラットフォーム代表)
    2023年4月20日18時9分 投稿
    【視点】

    ついに「日本国内での言論活動を理由に香港人が香港で逮捕された」ケースが起きてしまったようです。今後は「日本国内での言論活動を理由に日本人が香港で逮捕される」ケースへとつながっていくことも十分懸念されます。 香港国家安全維持法は38条で「香

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    市原麻衣子
    (一橋大学大学院法学研究科教授)
    2023年4月21日6時22分 投稿
    【視点】

    国安法が施行されてから中国政府による香港での抑圧が本格的となり、香港の人々が声を上げられない状況が続いている。香港における自由抑圧の問題がメディアで取り上げられることもほとんどなくなった。 こうした中、自由を取り戻そうとする動きは、海

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