非正規公務員だった娘が自死 「同じ苦しみない社会」願う母の思い
江口悟
北九州市の非常勤職員だった時にうつ病を発症し、退職後に自ら命を絶った森下佳奈さん(当時27)の両親が、市に遺族補償など約310万円を求めた訴訟の控訴審判決が、9月7日に福岡高裁で言い渡される。一審では否定された公務と自殺の因果関係をどう判断するかが焦点だ。
「娘はもう帰ってきません。でも、いまも娘と同じように苦しんでいる人がいる。その誰かのためにもなる判決がほしい」
一人娘の佳奈さんを2015年に亡くした母親の真由美さん(61)は、市を相手に裁判を続ける思いをそう話す。
佳奈さんは大学院でも学び、将来は臨床心理士の資格を取って、子どもの福祉に関わる専門的な仕事をすることをめざしていた。
12年4月に同市に採用され…
- 【視点】
1 / 1 〈真由美さんにとって裁判は、最初は娘の「かたき討ち」のような気持ちだった。だが争いを続ける中で、悩みを抱えた非正規公務員に出会い、その人たちを守る判決を得たいという意味が加わった〉 記事後半のこのくだりを読み、この裁判が持つ
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