経済インサイド
2022年初め、ヤフーニュース上で「異変」が起きた。
NEWSポストセブン(小学館)、週刊女性PRIME(主婦と生活社)、東スポWEB(東京スポーツ新聞社)の3媒体のすべてのエンタメ記事から、「ヤフコメ」と呼ばれるコメント欄が消えた。
「ふだん何千件もコメントがつくのに、なぜ」。あるメディアのウェブ担当者は、驚いた。
週刊誌やスポーツ紙のデジタル版の大半は記事を無料で公開し、ページ閲覧数(PV)に応じた広告収入を得ている。だが、自社サイトの集客には限界があった。そこで各社が頼ってきたのが、ヤフーニュースだった。
消費者がニュースを探す「入り口」に使うプラットフォーム(PF)として知られるヤフーニュースは、月間170億PVを集める。月にヤフーニュースのページが170億回開かれたことを示す。メディア各社がヤフー向けに提供した記事はヤフーニュースに自動掲載され、ヤフーはその中から主要な記事を「トピックス」と呼ばれる目立つ場所に配置する。メディア側は自社サイトより圧倒的に多いPVを稼げる。ヤフーが対価として支払う記事使用料も重要な収入源だ。
その際、記事につくヤフコメのPVも収入に加算される。「他人の考え」が探れるコメント欄への利用者の関心は高く、ヤフコメがなくなれば収入も減ってしまう。
なぜコメント欄は消えたのか。3社は取材に応じず、ヤフー(現LINEヤフー)も「個別契約に関わるため、回答は差し控える」(広報担当者)。
だが、業界ではある一致した見方がある。
■皇室報道が過熱、動いたヤフ…