「人道支援、もはや提供できない」 ガザ封鎖1週間、空爆で死者急増

有料記事イスラエル・パレスチナ問題

エルサレム=武石英史郎
【動画】ガザの病院が医療品と電力の不足に直面=ロイター
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 イスラエルが、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区への地上侵攻への準備を整えるなか、ガザで水や燃料、医療物資の不足による人道危機が深刻化している。イスラエルによる完全封鎖から1週間。現地で活動する国連機関の当局者は15日、「もはや人道支援を提供することができなくなった」と語った。ガザの死者数は前日から400人以上増え、双方の死者数は16日、計4千人を超えた。

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリーニ事務局長は15日の会見で、ガザ地区内での戦闘などにより、過去1週間で少なくとも100万人が家を追われたと指摘。ガザには「一滴の水も、一粒の小麦も、1リットルの燃料も入ってきていない。今すぐに支援物資を搬入しなければならない」と訴えた。

 UNRWAが運営する学校などに避難した人は40万人を超す。イスラエル軍が13日に110万人の住民に対して退避を要求して以降、南部の学校には、北部から大量の避難者が押し寄せているという。

 ガザの人道状況について国際的な懸念の声が高まるなか、南隣のエジプトからラファ検問所を通じて救援物資を搬入するため、同国と米国、イスラエルの間では協議が続く。エジプト側には、すでに燃料を入れたタンク車や物資を積んだトラックが待機している。

検問所開放、イスラエルで反対の声

 物資の搬入と同時に、ガザ側…

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この記事を書いた人
武石英史郎
アジア総局長|東南アジア・南アジア・太平洋担当
専門・関心分野
アジア、グローバルサウス
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