子どものこと、勝手に決めないで 小学5年生は市議会に請願を出した

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足立朋子
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 「現在、子どもには自分たちに関わることであっても決定権がないと私は強く感じています」

 神奈川県大和市議会にこんな請願書が出された。

 提出したのは、小学5年の荒谷愛架さん(10)。きっかけは、学校で自分たちに関わる様々なことが、「子ども抜き」で進められていると感じたことだった。

学校の当たり前は「変だな」

 荒谷さんが「学校の『当たり前』は変だな」と思い始めたのは、入学後すぐのことだ。

 当時はコロナ禍で、全国一斉休校が始まった直後。ようやく再開されても「学校に行ける日と行けない日があったり」。友だちと自由に遊ぶこともできなかった。

 その後も「変だな」と思うことは続いた。

 クラスで何かを決めるときに、話し合いではなく、すぐに多数決を取ること。

 「授業中の私語はダメ」と決められ、算数の問題を友だちと教えあっていても怒られること。

 学校で配られるアンケートの目的や結果がどうなったのか知らされないこと――。

図書館で見つけた本に「これだ」

 特に違和感が大きかったのが…

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この記事を書いた人
足立朋子
湘南支局長
専門・関心分野
保育・教育 労働、子どもの権利
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    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2024年6月6日8時0分 投稿
    【視点】

    (嫌だったのは)「そもそも意見を聞かれず、聞かれたとしても、どう反映されたのかがわからず、実現できない判断になったときにその理由も説明されないまま、物事が進んでいってしまうことだった」 「子どもが意見を持っても無駄だと思わせるような大人の行

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    濵田真里
    (Stand by Women代表)
    2024年6月6日18時44分 投稿
    【視点】

    ある大学で政治をテーマに講義をした際、18歳の学生の方から「これまで政治と関われるようなことがほとんどなかったのに、18歳になった途端に政治に興味を持て、選挙に行けと言われて、突然清水の舞台から落とされるような感覚です」と言われたことがあり

    …続きを読む