「新湾岸道路」建設計画が始動 概略ルート検討へ、有識者委が初会合
国土交通省は2日、東京湾岸沿いに千葉県市川市と市原市を結ぶ「新湾岸道路」を建設するための有識者委員会を設立し、道路計画を作る作業を始めた。委員の意見や地域住民の声を聞き、概略ルートなどを決める。
新湾岸道路は、東京外郭環状道路(外環道)の高谷ジャンクション(市川市)から千葉市の蘇我インターチェンジ(IC)、市原市の市原ICの各周辺までの東京湾岸部を結ぶ自動車専用道路を想定。有識者委は環境学や交通工学などの専門家8人で構成し、東京工業大学の屋井鉄雄特命教授(国土・都市計画)が委員長に選任された。
この日は事務局の千葉国道事務所から湾岸地域の課題や配慮すべき事項などの説明があった。委員から「道路ができて環境が良くなったと言われる姿をめざしてほしい」「三番瀬は住民の意見を聞き、配慮する項目を細かく設定してはどうか」などの意見が出た。
今後はホームページなどで計画を住民に周知し、意見を募る。沿線自治体や経済団体、自治会、三番瀬の保護団体から意見を聞いて複数の概略ルートや構造案を検討し、計画を決める。
東京と千葉を結ぶ「第2東京湾岸道路」として、市川市と船橋市の沖にある遠浅の海「三番瀬」を埋め立てる計画だったが、2001年に埋め立てが撤回され、凍結された。ルートを高谷ジャンクション以東に絞ることで、計画が動き出した。