亀岡市がJR西の株取得へ 嵯峨野線復便求め「モノ言う自治体株主」

日比野容子
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 京都府亀岡市の桂川孝裕市長は23日、JR西日本の株式を1億円分取得すると発表した。嵯峨野線(京都駅―園部駅)のうち、コロナ禍が明けた今なお減便が続く亀岡駅以北の復便を求めるため。姫新線の存続を求める岡山県真庭市に続き、「モノ言う自治体株主」として名乗りを挙げた格好だ。

 ふるさと納税による収入を積み立てた「京都・亀岡ふるさと力向上基金」から全額を拠出し、関連する補正予算案を30日の市議会に提案する。

 亀岡市内には嵯峨野線の駅が、京都市にまたがる保津峡駅を含めると五つある。このうち亀岡駅以北の区間(亀岡、並河、千代川)については、コロナ禍で11~15時台の列車本数がおおむね2便から1便に減ったまま戻っていない。

 桂川市長は「亀岡市はサンガスタジアムを誘致し、嵯峨野線の収支に貢献している。しかし、ただ単にお願いするだけでは聞いていただけない現実がある。(株式取得による)発言権を買って、市の本気度を見せていく」と話す。

 岡山県真庭市は7月、存廃議論の対象となる懸念もある姫新線の存続を求め、約1億円でJR西の株式3万4千株を取得したと明らかにしている。

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この記事を書いた人
日比野容子
京都総局
専門・関心分野
オーバーツーリズム、歴史文化、医療・介護、クラシック音楽、スキー、料理、欧州事情など