東京都千代田区立小中学校へ区外から通う越境入学をめぐり、基準を満たさないのに虚偽の書類などで審査を通す不正が行われていたことが複数の関係者への取材でわかった。保護者が元区議会議長に相談し、元議長は区内に勤務地があるよう装う書類の作成を支援者に依頼。区職員に働きかけて審査を通し、保護者から金品を受けていたという。
関係者によると、元議長=区発注工事を巡る汚職事件で有罪判決=による不正なあっせんの疑いは、区議だった2021~24年度入学に関し十数件あり、うち少なくとも5件で虚偽申請と金品受領が確認された。教育熱が高まる中、先進的な教育を受けられ進学でも有利と言われる都市部の公立ブランド校を舞台に、不正が起きていることが明らかになった。
千代田区教育委員会によると、同区への越境入学では「学区内に転入予定」「兄姉が在学中」など11項目の基準があり、満たす項目がある場合に審査の対象になる。「保護者の勤務先が学区内」の項目があてはまるケースが8割以上という。
元議長は嶋崎秀彦氏(64)。区発注工事をめぐり入札情報を漏らす見返りに業者から賄賂を受け取ったなどとしてあっせん収賄容疑などで1~3月、警視庁に逮捕され、懲役2年6カ月執行猶予4年の判決が確定。逮捕時に議員辞職した。
うその書類を作成、電話で入学許可を求める
複数の関係者によると、元議…