【そもそも解説】世界遺産の国内候補に決まった「飛鳥・藤原」とは

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筒井次郎
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 ユネスコ国連教育科学文化機関)の世界遺産の国内候補に、奈良県の「飛鳥・藤原の宮都」が決まりました。国内候補の暫定リストに掲載されてから17年。世界遺産登録への道筋がようやく見えてきた「飛鳥・藤原」とは、どのような遺産なのか解説します。

 Q 「飛鳥・藤原」はどんな場所?

 A 飛鳥時代(6世紀末~8世紀初め)に日本という国が誕生した舞台だ。遺跡の宝庫で、「日本の原風景」とも呼ばれる奈良県明日香村、隣の橿原(かしはら)市と桜井市に残る宮殿跡や寺院跡、墳墓など22カ所の資産からなる。

 Q 何がすごいの?

 A 約100年という短い期間で、中国の律令制度を模範とした中央集権体制に基づく宮都が、日本で初めて誕生したことに価値がある。遣隋使遣唐使、渡来人の受け入れを通じて、中国や朝鮮半島と政治・文化の交流をすることで実現できた。

 この時代には憲法十七条の制…

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この記事を書いた人
筒井次郎
文化部|大阪駐在・歴史担当
専門・関心分野
世界遺産、京都・奈良、寺社・遺跡などの文化財