警察庁は12日、マイナンバーカードと運転免許証の一体化の手続きを、来年3月24日に始める方針と発表した。希望者が対象で、従来の免許証の発行も続ける。一体化されて以降は、新たな「マイナ免許証」か従来の免許証、または両方を持つことが可能になる。

 一体化の手続きは運転免許センターなどででき、運転免許証とマイナカードが必要。マイナカードのICチップに免許の種類や有効期限などの情報が入り、交通違反の情報は登録されない。

 マイナ免許証を取得する際、自治体側から警察への情報提供に同意すれば、これまで住所変更時に必要だった警察への届け出が不要になり、自治体だけの手続きで済むようになる。

 免許の更新時にマイナ免許証にする際の手数料は2100円で、従来より400円安い。更新時以外で一体化する場合は1500円。新たに免許を取得する際にマイナ免許証を選んだ場合は、従来の免許取得時よりも500円安い1550円だ。

 マイナ免許証と従来の免許証の両方を新たに取得することも可能だ。手数料は2450円。両方を更新するには2950円かかる。従来の免許証は、フランスやイタリアなど海外で車を運転する際に必要になることがあるという。

 マイナ免許証をなくした場合、自治体でマイナカードを再発行し、運転免許センターなどで再び免許の情報を登録する必要がある。免許証の返納はこれまで通り、運転免許センターなどでできる。

 一体化にともない、免許更新時の講習をスマートフォンなどを使ってオンラインで受講できる仕組みが導入される。受講中は受講者の顔が画面に映し出されるなど、講習を受けているかを自動で判断できるようにする。警察庁は10月12日まで、パブリックコメントを実施する。(板倉大地)

マイナ免許証導入に伴う手数料の改定内容

新規取得(現在2050円)

マイナ免許証 1550円

従来の免許証 2350円

両方の免許証 2450円

免許更新(現在2500円)

マイナ免許証 2100円

従来の免許証 2850円

両方の免許証 2950円

※更新時以外でのマイナ免許証への一体化は1500円