行き場失った輪島塗、鎌倉・建長寺で販売 売り上げは被災地に還元

東野真和
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 能登半島地震の被災地で譲り受けた輪島塗が、26、27日に神奈川県鎌倉市の建長寺で開催される「岩手郷土芸能祭」の会場で販売される。売り上げは被災地に還元されるという。

 盛岡市の支援団体「SAVE IWATE(セーブイワテ)」が石川県珠洲市や輪島市などで炊き出しやボランティア用キャンプ場の運営などをしながら、家屋の片付けを手伝った際に、家屋が解体されて行き場を失った輪島塗が大量にあることを知って、譲り受けた。東日本大震災で被災して盛岡に移住した人らも加わって磨いたという。

 販売するのは明治から昭和にかけて作られたお膳やおわんなど約百点。おわん5点とお膳がセットで5千~8千円。単品で2千円。

 輪島塗を譲り渡してくれた町内会にはこれまでに売上金70万円を寄付している。セーブイワテの寺井良夫代表は「祭りなどのコミュニティー再生のために使ってもらう」と話す。

 芸能祭では26日午後3時半と27日午前10時から、建長寺龍王殿で岩手県花巻市に伝わる「胡四王(こしおう)神楽」の演舞がある。輪島塗はその会場で販売される。入場料は前売り3500円、当日4千円、小学生以下無料(別途、寺の拝観料が必要)。26日は拝観料のみで輪島塗の売り場に行ける。問い合わせは寺井さん(090・9740・9201)。

 なお、被災地の輪島塗はNPO法人「ピースロード鎌倉」(鎌倉市)でも販売している。

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この記事を書いた人
東野真和
釜石支局長|震災復興・地方自治担当
専門・関心分野
震災復興、防災、地方自治、水産業