東京都西郊の府中市にある多磨霊園で今月7日、第2次世界大戦中にナチスドイツによる旧ソ連への侵攻開始など重要な情報を日本から発信した大物スパイ、リヒャルト・ゾルゲの慰霊祭が開かれた。
ソ連軍情報本部の諜報(ちょうほう)員だったゾルゲは、日米開戦前夜に日本の特高警察に逮捕され、1944年11月7日のロシア革命記念日に死刑の執行を受けた。ソ連では長く忘れられていたが、フルシチョフ時代の64年に「ソ連邦英雄」の称号を得て復権した。
日本の縁者がいなくなった霊園のゾルゲの墓は、在日ロシア大使館が管理料を払って維持している。死後80年を迎えた今年の慰霊祭には大使館員らが出席し、武官代行が、「ゾルゲは、命の最後の一分までをファシズムとの闘いに捧げた」とあいさつした。
そのゾルゲを「大戦の英雄」と…