公費で血液検査 3億円で送水管 PFAS検出で各地の対応は

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小寺陽一郎 村井隼人 市野塊
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 発がん性が指摘される有機フッ素化合物(総称PFAS)を巡る水道水の全国調査の結果が29日明らかになった。過去に国の暫定目標値を上回った水道事業は14あったが、大半は汚染源が特定されていない。対策に億単位の公費の支出を余儀なくされた例もあるなど、対応の難しさが浮き彫りになった。

 最も高濃度のPFASが検出された岡山県吉備中央町。2020年度にダムを水源とする浄水場で目標値の16倍が検出され、23年11月になって別の水源に切り替えて改善した。

 ダム近くには使用済み活性炭が08年ごろから置かれており、現場からは1リットルあたり93万ナノグラムのPFASが検出。有識者の外部委員会は今年9月、この活性炭が「発生源と考えるのが妥当」との結論を公表した。町の健康影響対策委員会も、水を飲んでいたかどうかで住民間の健康状態に違いがあるかを調査。有意な差は確認されなかったが、継続的な調査を提言した。町は11月、公費で、希望する住民の血液検査を始めた。

水源の井戸の一部停止 くみ上げる水量減らす 大半は汚染源不明

 ほかの13事業は地下水などを水源としており、水脈の複雑さなどから排出元はわかっていない。

 こうした中、東京都小平市や…

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この記事を書いた人
市野塊
科学みらい部兼国際報道部|環境省担当
専門・関心分野
気候変動・環境、医療、テクノロジー