帯状疱疹ワクチン、来年度から定期接種へ 5年間は65歳以上対象
痛みを伴う水ぶくれが皮膚に現れる「帯状疱疹(ほうしん)」を予防するワクチンについて、厚生労働省の専門家部会は18日、65歳の人を対象に、2025年度から定期接種にする方針を了承した。定期接種になれば、費用の一部が公費で助成される。経過措置として、最初の5年間は66歳以上の人も対象に加える。
帯状疱疹は、水ぼうそう(水痘)を起こすウイルスが原因となる。水ぼうそうが治った後もウイルスが神経に潜伏し、免疫の働きが落ちると、再び活性化して帯状疱疹を起こす。80歳までに3人に1人が経験すると推定されている。
発症すると、神経に沿って、皮膚に刺すような痛みや水ぶくれ、腫れが生じる。10~50%の患者は、数カ月から数年にわたって神経痛が残る。
帯状疱疹を防ぐワクチンは、国内では、接種が1回ですむ「生ワクチン」と、2回接種が必要な「組み換えワクチン」の2種類が承認されている。
全額自己負担の任意接種では、原則50歳以上の人が対象になっており、免疫不全などの発症リスクが高い人は18歳以上なら接種できる。自治体によっては、任意接種の費用を一部助成している。
一方、公費助成される定期接種は65歳の人が対象になる。帯状疱疹は50歳ごろから急増し、70代が最も多い。厚労省は「70歳ごろに最も免疫が得られるようにする」と説明している。また、特に発症リスクが高いHIVによる免疫不全がある60~64歳も、定期接種の対象とする。
すでに65歳を超えている人も定期接種の機会が得られるよう、25~29年度は66歳以上も対象とする。ただ、希望者が殺到してワクチン供給が不安定になるのを避けるため、29年度まで毎年度、65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になる人だけを対象にする。101歳以上の人は、25年度に限って対象とし、26年度以降は対象から外す。
発症を防ぐ効果は、生ワクチ…